大阪府堺市 報告・PTAで保護者投票 民間委託をどう考えますか?
●大阪府堺市
報告・PTAで保護者投票
民間委託をどう考えますか?
以下、大阪府堺市の向丘小学校PTA会長からのお便りです。
民間委託について、保護者の立場で真摯に考え、行動された結果を報告されています。これからの運動にとても参考になる方法です。
初めてお便りを差し上げます。
私は、3年前にO-157で大きな被害を出した大阪府堺市で市立向丘小学校PTA会長をしております。
堺市では昨年10月、今後10年間で市内92の小学校の給食調理業務を順次民間委託していくという方針が突如発表され、
今年4月より第一陣17校の委託が強行されました。
当PTAでは、当事者であり納税者であり主権者である保護者の意見が尊重されるべきであるという立場から、本年5月PTA内に
「給食特別委員会」を設置し、委員も公募して、当校の給食調理の現状や委託校での実状、民間委託のメリット・デメリットについて勉強しながら、
ニュースも発行して、保護者に関心を持ってもらうよう努力してきました。そして6月の実行委員会で、
「来年度の委託校が発表される前に自分たちの意思表示をしよう」ということで、保護者投票を行うことを決定しました。
投票は子どもの数にかかわらず1世帯1票で、賛成・反対・保留の無記名投票とし、また「意見欄」を設けて、
自由に意見を記入してもらえるようにしました。その際保護者に配布する資料として、堺市教委の作成したパンフレットとともに、
私がたまたまインターネットで拝見した貴会のニュースの抜粋を保護者に配布させていただきました。
投票の結果は次のとおりです。
有権者数 451名(世帯数)
投票総数 319名(投票率70.7%)
有効投票総数 318名
開票結果
賛成 24票( 7.5%) うち意見記入数 17名
反対 233票(73.3%) うち意見記入数176名
保留 61票(19.2%) うち意見記入数 42名
合計 318票 うち意見記入数235名
このように、投票者のほぼ4人のうち3人が「反対」を表明し、保護者世帯の絶対過半数を超えました。
私たちは、この結果を受けて7月19日、市教委に行き、当校の保護者の総意は民間委託に反対なので、それを尊重し、
来年度以降の民託導入はしないでもらいたいと申し入れました。また校長に対しても、このような結果を踏まえて努力してほしいと申し入れました。
また、記入された意見は、どの結論かを問わず、どれもまじめに一生懸命考えていただいており、
このような取り組みをして本当によかったと思います。私達は235名全員の意見を28頁に及ぶ「意見集」にまとめ、全保護者に配布しました。
当PTAとしましては、引き続き給食特別委員会を中心に、給食のあり方について勉強し、保護者の間で議論を積み重ねていきたいと考えています。
なお、この保護者投票の取り組みは、8月3日付毎日新聞(関西版)の夕刊に大きく紹介していただきました。
O-157の堺市で、ささやかではありますが、このような取り組みがなされたということを、
同じような動きのある全国の地域の仲間に紹介していただければありがたいと考え、またインターネットでお世話になった御礼も兼ねて、
ご報告をさせていただくことにした次第です。
今後とも、よろしくお願いいたします。
向丘小学校PTA会長
1999
[ 99/12/31 委託・合理化 ]