学校給食ニュース
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東京都小平市

東京都小平市

 85年の合理化通達を受けて、小平市では88年11月の教育委員会において小学校給食の調理員一部民間委託案が議決されました。実は、 小平市では、すでに79年には給食職員の新規採用をやめ、嘱託職員として補充をしており、また、82年には、 東京都内ではじめて中学校給食の民間委託(センター方式)が行われていました。
 7年前の中学校給食民間委託、センター化への反対運動で形成されていた「学校給食を考える小平市民の会」 が1取りやめの陳情を行うなどの動きが生まれました。
 一方、新聞報道に不安を覚えた保護者たちの間から、草の根的運動的な動きが生まれ、「小学校の学校給食の民間委託に反対する会」 が88年12月に結成され、44名の署名で陳情書を提出し、動きが本格化します。「反対する会」は、 PTAや子ども劇場などの集まりを通して各校区に呼びかけを行い、自発的な動きとして校区ごとにつぎつぎと「有志の会」「考える会」「連絡会」 などが結成され、学習会なども開かれました。
「反対する会」で89年2月に4万弱の署名を提出。文教委員会では陳情不採択となりました。しかし、当初から、市側の経費削減論に対し、 子どもたちの学校給食問題は経費削減論ではなく、お金はかけてよいものであるという教育姿勢に対する論点を貫いたこと、さらには、 経費節減試算が、仮説に過ぎず、立証できないことを明確に指摘したことは特筆に価します。費用節減論のくずれが、 与党会派の一部を委託反対に回すきっかけにもなりました。
 3月3日の本会議にかけて、状況は二転三転し、最終的に民間委託に関する28の反対陳述が採択ないしはみなし採択され、民間委託は見送られ、 調理員補充は正職員で行われることとなりました。
 この運動の特徴は、極めて短時間の間に、草の根的な運動として各校区の保護者に対する呼びかけが行われた点と、保護者のみならず、調理員、 栄養士、教職員など、あらゆる点で参加でき、結束できる状況が自発的に生み出されたことにあります。
 もちろん、すべてがスムーズにいったわけではなく、運動の流れが大きくふたつに分かれたり、 草の根運動と労働運動の接点の見いだし方などは今後の課題であると、「反対する会」でも率直に述べています。


(学校給食ニュース0号 1998年2月) 

 

[ 98/12/31 委託・合理化 ]


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