北海道札幌市
●北海道札幌市
札幌市では、99年度から学校給食の設備や内容改善とともに、調理の民間委託もはじまる予定です。
札幌市教委などと交渉を続けてきた札幌市役所労働組合の川野光江さんにお話を聞きました。
札幌市では、1997年9月に学校給食運営委員会から「札幌市における学校給食の今後のあり方について」提言が出され、
学校給食を通して子どもたちが栄養や健康を意識した、自己管理能力を育てるための施設等の改善が提案されました。この内容は、
札幌市役所労働組合の調理員として支部要求してきたものを基本的に含んでいました。
その結果、99年度から先割れスプーンを全廃し、また竹の丸箸を使用していたところに、木製の角箸、スプーン、フォークの導入が決まりました。
また、99年度から2006年度にかけて、現在のステンレス製食器2種から、強化磁器製食器5種へと切りかえることも合わせて決まりました。
さらに、給食時間を少しでも確保する意味から、教室への配膳と下膳は調理員が行うことになり、ランチルームの整備もされます。
これに合わせて、調理員定数や調理体制についての見直しが行われ、
99年度から2003年度にかけて直営調理員の退職者不補充によって調理の民間委託がはじまり、直営の学校でも非常勤調理員の解消、
配置基準の見直しなどが行われることになっています。
具体的には、99年度に5校(4調理場、1校は親子方式)の調理が民間委託され、5校(4調理場、1校は親子方式)
が新基準での直営による改善校となります。この10校が、他校に先行して強化磁器製食器の切りかえなどが行われます。また、直営の1校は、
下処理と調理、洗浄を完全分離したドライ方式もスタートします。
川野さんは、「学校給食の質を上げていくことが何よりも大切なことです。直営調理員としても、調理技術の向上はもとより、
調理員としての質の向上をはかる意識改革も重要な課題であることから、研修制度の充実、衛生管理体制の確保などを基本としながら、
調理員の中に職長制度を導入し、調理員としての責任をきちんと果たせるようにしたいと考えています。
ドライ方式の導入など調理員の意識改革が必要な部分もたくさんあります。調理の民間委託が併存する中で、
直営の意味を自ら考えて働くようにします」と話しています。
(学校給食ニュース9号 1999年2月)
[ 99/12/31 委託・合理化 ]