東京都立川市
●東京都立川市
中学校給食が行われていなかった立川市では、保護者からの要望もあり、学校給食の実施が検討されました。95年、
導入にあたって民間業者の仕出し弁当(ランチボックス)か持参弁当の選択という方式をとるとの方針が立てられ、
学校給食が弁当形式で行われることに危惧した保護者たちによって、11月には「立川・学校給食を考える会」が結成されました。
署名活動などを通じて、試行計画の見直しや自校直営式学校給食を求めましたが、95年3月、中学校給食を弁当併用、
仕出し弁当で実施することが決定しました。
しかし、粘り強い反対運動により試行は97年9月へと延期。97年10月より、弁当併用の仕出し弁当が試行されています。2校で実施され、
試行期間は2年。施行後も、自校式直営を求めて運動が繰り広げられています。
この立川市が導入した仕出し弁当方式は、名古屋市や広島市などでも導入されています。
(学校給食ニュース0号 1998年2月)
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立川市では、中学校給食を導入するにあたり、給食調理設備をつくらず、
献立を除いてはまったくの民間委託となる弁当併用仕出し弁当方式を採用し、97年10月に2校で2年間の試行を開始し1年が過ぎました。
方法としては、生徒があらかじめプリペイドカード(ランチカード)を購入し、学校に設置された発券機で最低5日前に食べる日を申込み、
その数に合わせて業者が調理して学校に届けるしくみになっています。献立表は、前月に渡され、献立名の他に材料名と予約最終日が記されています。
主食はごはん中心で、焼きそばやスパゲッティ、ドライカレーや混ぜご飯が組まれる場合もあります。ごはんは、あたたかい状態とされ、副食
(おかず)は、食中毒対策として調理後温度を下げてあります。また、野菜類は、果物・デザートを除き加熱調理のみです。汁ものなどはつきません。
牛乳は、ミルク給食として全員に行われています。
立川市の保護者たちでつくる学校給食を考える会では、試行前からこの方式の問題を指摘し、試行後は、
2~3カ月ごとに学校給食課中学校給食係から喫食率のデータを入手し、グラフを作成し続けています。そのグラフによると、
当初教育委員会が想定していた喫食率である70%~80%を超えることはなく、平均で50%を超えないまま低い水準で推移しています。
立川市教育委員会は、試行3カ月後の2中学校でアンケート調査を行いました。その中で、自由記入欄には、
主に外注給食を食べている子どもたちの生の声が書きつづられています。
「ゼリーがおいしい」「混ぜご飯がおいしい」「このまま続けて」というような声が若干ある他は、全般に否定的な意見が多く寄せられています。
もっとも際だったのが、「味が薄い、おいしくない、まずい」などの味に関する意見で学校、
学年を問わず共通して圧倒的な数の不満が上げられていました。
その上で、「火が通っていない」という指摘も複数あり、「正体不明なおかずが多い」「わけがわからない料理がある」や、「ご飯は温かいのに、
おかずが冷たい」「さめるとおいしくないメニューはやめたほうがいい」「おかずを温めて欲しい」
といったお弁当方式で通常の給食と同様の献立にすることの無理やおかずが冷やされていることに対する不満が目立ちます。
さらに、「髪の毛が入っていた」「給食のなかみがでていた」「たまに石けんのような消毒の味がする」「箱がたまにきたない」
という指摘もあります。
また、「予約システムはカードに予約した日が書かれるけど、それを食べる日の日にちを入れて欲しい」「前日に頼んだ人を言って欲しい」
「予備を用意しておいて欲しい」という、運用面の問題も上がっています。
「学校でごはんを作るといいと思う」「業者弁当でなく、給食室で作ったものが食べたい」「小学校の給食を見習って欲しい」
という願いが小学校給食を経験してきた子どもたちから上がっていることも見逃せません。
(学校給食ニュース9号 1999年2月)
[ 99/12/31 委託・合理化 ]