香川県宇多津町、PFIで食材購入も委託
■香川県宇多津町、PFIで食材購入も委託
香川県宇多津町では、平成19年4月より、PFI方式による学校給食センターによる学校給食を実施している。2小学校、1中学校、1幼稚園、
2保育所で、2100食(最大2300食)を配食している。
この宇多津町の学校給食センターは、PFI方式で設計、建設、維持管理、運営が行われているが、最大の特徴は、はじめて「食材購入」
も特定目的会社(事業者)側が行っていることである。
PFI方式の要求水準書によると、運営事業は「食材調達、検収、調理、配送・回収、洗浄・残滓等処理、運営備品の調達、衛生管理」
となっており、町側は、献立を作成し、給食費を徴収、食数を調整することとなっている。
要求水準書では、
食材調達について、「事業者は、町の作成する献立に基づき、事業者の費用負担で、必要とする食材等の調達を行う」としている。
納入業者の選定については、「関係保健所等の協力を得て、
施設の衛生面や食品の取扱いが良好で衛生上十分信用のおける業者を選定するとともに、あらかじめ、
食品納入予定業者一覧表等を作成しておくこと」とし、小中学校のパンについてのみ香川県学校給食会からの購入を指定、また、
「地域経済への貢献のため、可能な限り町内事業者を考慮」としているが、それ以外の規定はかけていない。
食材の安全性については、
原材料について食品納入業者等が定期的に実施する微生物及び理化学検査の結果を提出させること。その結果については、
保健所等に相談するなどして、原材料として不適と判断した場合には、食品納入業者等の変更等適切な措置を講じること。検査結果については、
1年間保管すること」「過度に加工したものは避け、鮮度の良い衛生的なものを選択するよう常に配慮し、特に、
有害なもの又はその疑いのあるものは避けるよう留意すること」「有害な食品添加物はもとより、不必要な食品添加物(着色料、保存料(防腐剤)
、漂白剤、発色剤)が添加された食品、内容表示、消費期限・品質保持期限(賞味期限)、製造業者等が明らかでない食品、
材料の内容が明らかでない半製品等については、使用しないようにすること」「関係保健所等から情報提供を受け、地域における伝染病、
食中毒等の発生状況に応じて、食品の購入を考慮すること」「地産地消を推進するため、可能な限り、町内産品及び県内産品を選定すること」。
としている。
また、食材については、調達会計を事業運営の会計とは別にすることを指定しており、
・事業者は、本施設の維持管理及び運営に係る会計とは別に、食材調達に係る会計を処理すること。
・食材調達に係る会計は、町から支払われる食材費に対するサービス対価のみを収入とし、
給食に使用する食材購入費のみを支出とする会計とすること。
・食材調達に係る会計は、購入食材の、購入年月日、購入相手、購入数量、購入単価、購入金額を明確にする事務処理を行うこと。
・食材調達に係る収入と支出の年度毎で概ね同額とするともに、収入と支出の差額を明確にし、毎年度終了後、4月30
日までに町に報告すること。
・食材調達に係る支出が収入を上回る場合においては、その差額は事業者の負担とし、支出が収入を下回る場合においては、
その差額は次年度の食材費の一部として取り扱うものとする。
としている。
検収についても、「町の担当者の立ち会いのもと」事業者が実施する。
これを読む限り、献立に適切であれば、食材の内容については事業者側で選択できることになり、生鮮、冷凍、半加工、 加工などの判断も事業者に任せられることになる。会計を食材費については別立てすることとなっており、 食材費としてのみ取り扱えることとなっていることからただちに食材に質の低下になるとは考えられないが、 コスト削減のために調理作業工程を減らすための工夫が可能になることを意味する。
香川県宇多津町
http://town.utazu.kagawa.jp/index.html
(仮称)宇多津新給食センター整備運営事業
http://town.utazu.kagawa.jp/5gyosei_kiji/kiji3.html
宇多津町学校給食センター(株式会社宇多津給食サービス)
http://www.utazu-ks.jp/
[ 08/04/07 施設設備 ]