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長野県大町市、自校方式継続を決定!

長野県大町市、自校直営方式をセンター化を検討(2003.11)


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 長野県大町市が、中学校の建て替えを期に、自校方式の学校給食をセンター化する方針で、検討会が行われています。これに対して、保護者、 市民からは、「25年前に自校方式を守る」と決めたはずとの声が出ています。また、 センター化の話は市民の一部にしか知らされていないと不満の声が出ています。
 大町市の学校給食と動きをまとめます。

●理想の学校給食に近い現状
 大町市は、人口約30000人で、小学校4校、中学校2校あります。大町市の学校給食は、自校方式で、栄養士は、県職員、市職員、 臨時職員の6名を全校に配置しています。調理は直営です。
 献立も、食材の購入も、各校で行っており、行事や授業カリキュラム、天候や季節などによってきめ細かく対応しています。 アレルギー食対応も数年前からはじめています。
 長野県では、全県で地産地消の取り組みとして、毎学期ごとに1回、すべて県内産品の学校給食を出すようにしています。 これとは別に大町市では地場産米を出すような補助制度を行っています。

●25年前の結論
 大町市は、学校給食のしくみとして理想的な形をとっていますが、かつてセンター化をめぐって大激論がありました。1974年、 小学校新設の際に学校給食センター化構想があり、一度「センター化が望ましい」との結論が出ます。これに対して、 当時の市職員組合やPTAなどを中心に自校方式を守るという運動が起こり、4年間の運動を経て、1978年に 「食教育にとって自校方式が望ましい」との結論となりました。
 このような背景があるため、大町市は、学校給食に対して全国的にも積極的に取り組んでいる自治体のひとつとなっています。

●ふたたび、センター化構想
 中学校1校の老朽化にともなう建て替えが予定された後、急に学校給食センター化構想が浮上し、2003年6月議会で、 学校給食センターの検討委員会が設置されることになりました。8月に委員会が正式に設置され、11月末には答申が出されることになっています。
 中学校の建て替えの都合から、12月の市議会では最終的な結論が出されることになりそうです。

●もう一度、学校給食を考える動き
 このセンター化の動きがはじまるとともに、小学校の保護者らが、学校給食のあり方を考えようと勉強会をはじめます。 各小中学校の給食室見学や他自治体のセンターの見学などをふまえ、自校直営式を守っていく方が、子ども達のためになるとの判断から、 大町の学校給食を考える会を設立し、署名活動や陳情、市民への呼びかけをはじめています。

●決して安くないセンター化
 大町市が作成し、考える会がまとめた資料によれば、6校(2800食分)すべてで自校方式を続け、将来、全施設を改築したり、 設備を改善した場合と、6校分をまかなえるセンターを建設した場合では、土地の取得代などを考えると、 センターの方が経費が高くなるとの試算が出ています。
 そのためか、センター化だけではなく、民間委託についても試算し、自校直営、自校で民間委託、センターで直営、 センターで民間委託の試算を示し、センター方式で民間委託の場合、 他の方式に比べて2000万円から3000万円ほど安くなるとの数字も示しています。
 しかし、センター建設の場合、一時的にかかる費用は膨大になります。
 財政難の折り、経済状況が厳しく、税収が減る中で、なぜ、あえて一時的に負担が大きく、 その経済的メリットも少ないセンター化を検討するのでしょうか。
 他の自治体にも言えることですが、この背景には、政府主導ですすめられている市町村合併があるようです。合併することで、特別な債権(借金) を発行できることになっています。そのため、学校給食センターに限らず、合併が決まるとかけこみで、 大きな建物を建てるような動きが各地で見られます。
 しかし、その運営や維持費、将来の子どもの数などの見込みを考えると、なぜ、今、厳しいときに大きな負担をしなければならないのか、疑問です。
 わずか3カ月、数回の委員会で答申が出される予定であることや、決して、子どものためを考えて検討されているのではないという点に、 これまで豊かな学校給食を経験し育ってきた大町市の市民が不安を感じているのではないでしょうか。
(2003.11)

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長野県大町市、自校方式継続を決定! (2004.03)
署名1万強、市民の声が生きました。

学校給食ニュース編集

 学校給食ニュースで既報の、長野県大町市でのセンター化問題は、自校方式を継続するとの給食センター検討委員会の答申が出たことで、 一応の決着をみせました。短い期間に多くの市民が自校方式継続を求めて声を上げたことが、市の方針転換に大きな力となりました。今後は、 民間委託化方針に対しての取り組みがはじまります。

●自校方式存続という方針
 長野県大町市は、自校方式で小中学校の給食を行ってきましたが、第一中学校の改築を契機に、 2003年8月に大町市給食センター検討委員会を発足させ、学校給食センターの建設を前提とした協議を行ってきました。 検討委員会の会議は非公開、議事録のみ公開です。
 これに対して、大町市の市民が11月に大町の学校給食を考える会を発足、自校直営方式の堅持などを求めて署名活動や議会、 市教委との交渉などを行ってきました。人口3万人の市で、2月9日現在、10,067筆の署名を集めました。しかも、 署名の8割以上が大町市民であり、非常に高い割合となりました。署名は、募集開始からわずか1カ月間で提出できるほどの数となり、12月以降、 これまでに3回に渡って提出されています。
 2004年1月21日、検討委員会からの答申が市長に対して出され、「経費節減に努力しながら、自校方式の継続を」すべきとしました。 少数意見として、中学校2校の親子方式やセンター方式での検討や小中6校のセンター化が併記されていましたが、市長は、 2003年12月の議会で、検討委員会の意見を最大限尊重するとしていたため、議会に対しても、方針として、自校方式の継続を報告しました。
 短い時間で多くの市民が、学校給食のあり方を考え、センター化の問題点を学び、署名をはじめとする運動を広げたことで、 今回の自校方式存続という結果をもたらしています。市民の力が大きな流れをつくりました。大町市は、30年前にも同様の議論があり、 これで2回目の自校方式存続という結論です。改築する中学校と、老朽化した中学校の調理室はそれぞれ新設、改修されることとなります。

●はやくも民間委託化方針が出される
 しかし、次の問題として民間委託化が早くも方針として出されています。大町市は、中学校給食調理の民間委託化を検討しています。 2004年度以降、正規調理員の退職者を臨時職員に変えていき、2007年度には民間委託を行う方針です。
 大町の学校給食を考える会は、今後も行政の方針に対して、関心をもち見守っていくことにしています。
 また、大町市職員労働組合は、民間委託方針に対し、子どもたちの食の安全を守るため、疑問が残ると、 市教育委員会や市に対し申し入れを行っています。
 民間委託化方針については、議会や検討委員会でも十分な検討はされておらず、情報もきちんと出されていません。今後、民間委託問題についても、 市民の間で情報を共有し、よりよい大町市の学校給食を作っていただきたいと期待します。

参考資料:大糸タイムス04年1月16日・1月22日・2月3日付、信濃毎日新聞04年1月16日・1月31日付

(2004.03)


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追記:大町市3月市議会において、自校直営方式の維持を求めた陳情が採択されました。

[ 04/12/31 施設設備 ]


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