学校給食ニュース
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問題山積の徳島市学校給食…食器・給食費

 2000年2月の学校給食全国集会で、会場から徳島のふれあいコープ徳島学校給食委員会・小原伸二さんから発言があり、 徳島の学校給食の問題について報告がありました。後日、小原さんから詳しい資料をいただきました。徳島市の学校給食は、同じ県内、あるいは、 四国内と比べても、市の行政の中でずいぶんと軽視されているようです。その状況と、市民のとりくみなどについてまとめました。


■給食費問題
 徳島市の給食費は、小学校が1食237円、中学校278円を保護者から徴収されています。この保護者から徴収される給食費の中から、燃料費、 市学校給食会の運営費も徴収されているため、実質的な食材費は払っている金額よりもずいぶん低くなっています。具体的には、 学校により多少の差はありますが、燃料費について平均して1食につき、小学校では約7円、中学校では約8円が保護者負担です。 市学校給食会の運営費は「管理費」として、1食につき14円42銭が、保護者負担となっています。 市学校給食会は市内の統一献立における共同購入の事務処理を行ったり、直営のパン工場で、パンを作ったり、米飯を炊いたりしています。そのため、 21人の職員の人件費等が全額保護者負担となっています。また、96年までは給食調理場の設備、 消耗品など設備費の一部を保護者負担にすることになっていました。
 なお、県教職員組合栄養職員部の調査によると、徳島県50市町村で、全額公費負担となっているのは17町村、一部公費負担が14町村、 全額保護者負担となっているのが19市町村です。
 燃料費について、市教職員組合と市小学校PTA連合会が議会に公費負担を求める陳情を行うなど、公費負担を求める活動が続いています。
 しかし、市教育委員会では、「現在、学校給食に要する経費につきましては、その実施・運営に要する経費のうち、 学校給食の施設設備に要する経費及びこれらの修繕費、並びに学校給食に従事する職員に要する給与その他の人件費を学校の設置者の負担とし、 その他の学校給食に要する経費を児童・生徒の負担とすることが関係法令で規定をされております。給食の燃料費等につきましては、 学校給食法第6条および学校給食法施行令第2条により保護者負担とされていることから、現状では公費負担は非常に困難であると考えております」 (柏木教育長・1999年9月議会)として、負担割合の見直しを行う方針がないことを強調しています。
 また、市学校給食会の運営費についても、学校給食会そのものが財団法人で、当初より保護者負担であったとして、 運営に対する補助等を見直す方針はないとしています。しかし、この学校給食会の運営については、 他の地域より高く食材を購入しているのではないかなどとの疑問が議会で質問されるなど、不透明な部分が多く残っています。

■食器問題
 徳島市の食器は、アルマイト製です。ポリカーボネート食器が問題になる中で、 徳島県50市町村中、アルマイト食器のみの自治体は徳島市と小松島市の2市のみとなっています。なお、 徳島県下でPC食器を使用していたのは98年5月1日時点で28市町村ありましたが、以後変更、変更方針が相次ぎ、現在変更せず、 変更を検討していないのは2町(穴吹、藍住)のみとなっています。
 これまで、アルマイト食器についても徳島市議会で議論されたり、市民などから変更の要望がありましたが、これらの声は届いていません。なお、 徳島市の食器検討委員会は、市教育委員会事務局と調理員で構成されており、栄養職員、教員、校長、保護者らは参加できない状態です。また、 同市議会に、99年6月8日に市教職員組合から「献立に子ども・保護者の意見を反映するため、献立作成委員会を開かれたものとし、 保護者等の委員参加や傍聴も検討すること」「市当局及び調理員で構成されている食器検討委員会を学校長・栄養職員・教員・ 保護者代表もふくめた徳島市食器等検討委員会に変更し、開かれた発展的な委員会にすること」の2項目の「学校給食に保護者の参画を求める請願書」 が提出され、文教厚生委員会で議論されていますが、6・9・12・3月とずっと継続審議になっており、 2000年6月議会でも引き続き審議される予定です。
 なお、集会以後に、3月の徳島市議会で、教育長より「新年度に小学校と中学校計4校、各1クラスを対象とし、 試験的に強化磁器を導入することにした」と答え、結果をみた上で本格実施するかどうか検討する方針を示しました。今後、 その動きが止まらないようにしていかなければなりません。
 さらに、徳島市の食器問題はもうひとつ「個人ぼん」がないという問題があります。かつてはありましたが、 91年に個人ぼんの熱湯消毒が中止となり、実質的に使用されなくなりました。現在は個人ぼんがないため、小学校では各児童がナプキンを持参し、 中学校では食器、スプーンをそのまま机に置いています。衛生面、配膳の難しさなど、個人ぼんがないことによる問題が取りざたされていますが、 今のところ解決できていません。

 徳島市の市民らは、食材に遺伝子組み換え食品を使用しないよう求めるなど、さまざまな働きかけを続けていますが、 当面する問題として給食費の内訳とアルマイト食器・個人ぼんの問題があり、厳しい状況に置かれています。
 徳島からは、この問題について他の地域で、給食費の内訳がどうなっているのか、 とりわけ燃料費についてどうなっているのか事例が欲しいと呼びかけています。
 
(2000.04.27)

 

[ 00/12/31 運営・内容 ]


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