都道府県状況 18 福井県
都道府県状況 18 福井県
●福井県、食育推進計画策定(2009年4月12日情報更新)
福井県は、県の食育推進計画に位置づけられる「ふくいの食育・地産地消推進計画」を平成21年3月に策定した。
計画期間:H21年度からH25年度
担当:農林水産部販売開拓課
このなかで、現状として、
地場産学校給食実施校 63校(H15)→271校(H20)
県産食材使用10品目以上である学校
地場産食材使用率 11.9%(H15)→31.5%(H20)
県産食材使用重量/食材の総使用重量
米飯給食回数 3.4(H15)→3.7(H20)
とすでに食育について取り組みを行っている成果を強調。
基本方針を
(1)食べものをありがたくいただく気持ちの醸成
(2)おいしく安全な食を提供する地産地消の推進
(3)健全で豊かな食生活の実践
目標の内、学校給食に関わるものとして、
学校給食地場産食材使用率(重量ベース)31.5%(H20)→ 35%(H25)
米粉の使用量 小麦粉使用量の10%を米粉に転換 約70t(H25)
また、特徴として、「農産物の収穫時期がわかる人の割合」「親子や家族での魚がさばける福井人育成講座参加数」を上げている。
朝食欠食率については、20歳代の男性、女性にそれぞれ設定するのみで、子どもに対する設定はない。
活動計画等において、学校や学校給食、家庭と学校の連携についての記述が多いのも特徴である。
「弁当の日」や「学校給食畑」「伝統料理」など様々な取り組みが計画に組み込まれている。また、「食育ボランティア」
の学校や学校給食における役割も期待されている。
以下、計画より関係部分を抽出する。
□小中学校での活動
・食育ボランティアと栄養教諭等が連携し、通常より手間をかけた給食を児童・生徒へ提供し、
それと合わせ食育ボランティアが食材の生産や料理方法を説明するなどの食育体験活動を実施します。
・PTAや地域の協力を得て、児童生徒が米や野菜を栽培できる学校田や学校菜園の充実を図ります。
・また、PTAや地域の方などを指導者として栽培体験活動を行うことを通じて、食材の知識や愛着を深めるとともに、収穫物を給食に採用し、
より一層おいしい給食を実現します。
□学校における食に関する指導体制の充実
・学校における食育の推進にあたっては、食に関する指導体制の整備を基本とし、指導計画の策定による家庭・地域・
学校が連携した活動を進めます。
・栄養教諭や学校栄養職員を対象とした研修会を開催し、県内の農林水産物や食育についてより一層理解を深めます。
□地域の子どもを対象とした活動
・食育ボランティアや関係団体が中心となり幼児(親子)や小学生に対する県産食材を活用した料理講習会を開催します。
・地域の生産者が中心となり児童・生徒が米や野菜の生産を体験できる農園を設置します。
・関係機関と地域の生産者、学校が連携し、児童・
生徒が米や野菜の生産から料理し食べるまでの食育活動を実践できる教育ファームの設置を促進します。
□学校における伝承料理や食文化指導
・学校給食や栄養教諭等を中心とした食に関する授業などを通じて、小中学校の児童・
生徒に対し地域の伝承料理や食文化等を含めた食に関する指導を充実します。
□給食に関する「たより」や学校給食試食会等の開催
・学校給食を充実させ、「生きた教材」として食の指導の充実を図り、児童・生徒や保護者の学校給食に対する関心を高めるとともに、
給食だよりや保護者等を対象とした給食試食会や実践発表会、学校給食展を開催します。
□児童・生徒がつくる「弁当の日」などの普及
・児童・生徒と栄養教諭・学校栄養職員および調理従事員による学校給食調理コンテストを行い、児童・
生徒と一緒に考えるおいしい学校給食づくりを進めます。また、子どもが家族と協力して自宅で弁当をつくり、それを学校で味わう「弁当の日」
を推進します。
□家庭での食育・地産地消の促進
・食育や地産地消は、家庭において実践することが基本となるため、地域や学校が実施する研修会やイベントなどにおいて、
家庭へ波及させることを目的とした活動を積極的に取り入れます。
□子どもたちと農家の「学校給食畑」の設置推進
・学校の近隣に「学校給食畑」を設置し、児童と生産者の交流を進めるとともに、学校給食の材料として、
生産者の顔が見える新鮮で安全な食材を提供します。
□ごはんと米粉パンで「福井米100%給食」を推進
・学校給食においてコシヒカリ、イクヒカリ等の福井県産米による米飯給食に加え、県産の米粉を利用した米粉パン給食を普及します。
□学校における県産農林水産物の利用促進
・生産者、流通関係者、栄養教諭等による地場産学校給食推進会議を開催し、課題解決に向けた話合いにより、
県産食材の安定的な供給体制づくりを進めます。
・また、学校や地域は年間を通した食材利用計画を作成し、栄養教諭や学校栄養職員が地元生産者グループと意見交換をする中で、
地元産食材を有効に取り入れるタイミングと生産者の作付けに関する調整を図ります。
□学校給食をとおした望ましい食習慣の推進
・栄養教諭が中心となり、学校給食のなかで児童・生徒に対し栄養的にバランスのとれた食事を指導します。
・栄養教諭は学級担任の行う教科指導や給食指導に協力し、食に関する指導の充実を図ります。
福井県・地産地消・食育
http://www.pref.fukui.jp/miryoku/syoku/cat3602/index.html
ふくいの食育・地産地消推進計画
http://www.pref.fukui.jp/doc/nourinbu/saiseikeikaku_d/fil/003.pdf
■食育推進計画に関して(2007年1月27日現在)
福井県は、食育担当を農林水産部販売開拓課地産地消・食育推進グループが行っている。
平成17年11月に「健康長寿ふくいの食育活動マニュアル」を健康福祉部健康増進課健康づくりグループとともに策定、公表している。
このマニュアルでは、食育基本法について解説し、「食育」の語が福井県出身の石塚左玄にあることをして、食育に推進することをうたっている。
このマニュアルには、料理の考え方や食材、教育としての食育の位置づけと具体的な実践例、計画づくりから実行、
評価の方法について具体的に盛り込んでいる。学校での食育や体験活動についてもマニュアルが用意されている。
なお、食育基本法に位置づけられる「食育推進計画」についての情報はない。
「第2回食育推進全国大会」は福井県で平成19年6月に開催される。
食育・地産地消
http://www.pref.fukui.jp/doc/0114.html
福井県農林水産部販売開拓課
http://info.pref.fukui.jp/hanbai/
健康長寿ふくいの食育活動マニュアル(平成17年11月)
http://info.pref.fukui.jp/kenkou/syokuikukatudou.html
■2006年5月9日までのまとめ
福井県では、教育庁スポーツ保健課が学校給食の担当。
2006年4月1日付で栄養教諭を10人任用。その栄養教諭の仕事や給食の内容を紹介している。
福井県では、平成17年度から「元気いきいき福井をつくる食育推進事業」を実施し、食育基本法にものっとって食育活動を進めており、
「健康長寿ふくいの食育活動マニュアル」を作成している。学年ごとの実践例や指導要領、あるいは、
野外での体験活動の際の注意事項なども含めて詳細なマニュアルとなっている。
地産地消については、「福井型食生活」として、福井型食生活推進県民会議、福井型食生活行動プランをつくり、
食生活に地産地消を組み合わせた取り組みを提案している。
これらの取り組みは、栄養教諭の配置や地産地消の取り組みなどは「福井元気宣言」による県の政策で重点指針としてとりあげられている。
そのため、さまざまな計画やアクションプランにも学校給食における地産地消などの文言が取り込まれている。
福井県農林水産部販売開拓課(食育関係)が、平成18年3月より「ふくい食育通信」を発行し、食育取り組み状況などをまとめている。
福井県の学校給食関係の統計情報は、ホームページ上では公開されていない。
福井県教育庁スポーツ保健課
http://info.pref.fukui.jp/sports/
栄養教諭の森へようこそ
http://info.pref.fukui.jp/sports/eiyohkyohyu/framepage.html
ふくい食の安全・安心に関する窓口
http://info.pref.fukui.jp/eisei/shokunomadoguchi/syokunomadoguti.html
福井県農林水産部販売開拓課(食育関係)
http://info.pref.fukui.jp/hanbai/
健康長寿ふくいの食育活動マニュアル
http://info.pref.fukui.jp/kenkou/syokuikukatudou.html
福井型食生活のすすめ
http://info.pref.fukui.jp/hanbai/syokuseikatu/menu.html
[ 09/04/12 取材メモ・リンク ]