愛媛県今治市の学校給食
愛媛県今治市の学校給食
●施設設備 センターから自校方式に切り替えた先進例
旧今治市は、1983年より従来のセンター方式(21,000食 24小中学校)を徐々に単独校方式に切り替え、2000年に整備を終えて、
7単独調理場、6センターで約15,000食を調理。
この背景には、今治の立花農協が1981年に有機農業研究会生産者からの提案を受け、「立花地域の給食を自校化して、
地域の農産物を取り入れていく」決議を行い、自校方式・地産地消(有機農産物化)の運動を行ってきたことがある。
今治市は、2006年1月に周辺12市町村で合併を行った。給食方式は当面従来を引き継ぎ、食材購入、給食費は統一する方向となっている。
旧市町村の給食状況は以下の通り。
今治市 単独校7校 センター6(18校)
朝倉村 センター1(3校)
玉川町 センター1(3校)
波方町 単独校1校
大西町 単独校(幼稚園1) センター1(2校)
菊間町 センター1(3校)
吉海町 センター1(2校)
宮窪町 センター1(2校、1園)
伯方町 センター1(6校、1園)
上浦町大三島地区および大三島町 センター1(5校 衛生事務組合)
関前村 親子方式(2校)
(平成15年4月1日現在)
新今治市の学校給食は約15,000食となっている。
●食材 地場産、有機、食育の先進例として注目
今治市の方針として、学校給食用食材は、地場産を優先するとしており、「今治産の食材、今治産がなければ近隣、又は県内産、
それがなければ四国内、西日本、国産」と明記している。また、遺伝子組み換え食品の不使用も宣言している。
米…1998年より地場産減農薬米が学校給食で供給されはじめ、現在は、 JAおちいまばりの祭り晴とJA今治立花のヒノヒカリを玄米補完、月3回、農協で精米して調理場に配送している。 旧今治市の米飯給食は週3回。
パン…2000年から地場産の小麦ニシノカオリ100%のパンを今治市地産地消推進会議認証のパン工場で焼いている。 パン用小麦の作付けを増やして給食用パン全量を地場産に変えていく方針。
野菜類…立花地区有機農業研究会が1983年に鳥生小学校の自校式調理場完成にあわせて有機農産物を供給しはじめ、同地区に地場産、
有機の野菜が供給され4小学校・1中学校で有機野菜が使われている。ポストハーベストフリー・非組み換え飼料で育てた鶏卵、
鶏肉なども供給されている。有機JASを取得している。
一方、JAおちいまばりの地区でも定年帰農者を中心に2000年に今治市学校給食無農薬野菜生産研究会(給食野菜研究会)が結成され、
2001年より無農薬野菜の供給が開始された。
また、障害者の自立などを目的にした大地にふれる会が、無農薬、減農薬などのジャガイモ、タマネギ、サツマイモを生産し、
学校給食に供給している。
このほか、地場産の大豆で豆腐をつくり学校給食に採用している。
しかし、現在のところ学校給食の食材費が安く地場産農産物をすべてに導入できないなどの問題があり、
今治市農業農政対策協議会や行政が地場産農産物の学校給食実現をめざす取り組みを引き続き検討している。
●食育のとりくみ
立花地区の4つの小学校では、学校農園で有機JAS認証を目指して有機農業に取り組んでいる。
今治市では、「おうちで手軽に学校給食-地産地消のれしぴ-」を作成し、市内の書店で500円で販売するなど、
学校給食を軸にした市を挙げての地産地消、食育事業を行っている。
今治市 http://www.islands.ne.jp/imabari/index.html
今治市 農水港湾部農林振興課
これぞ! いまばりの学校給食
http://www.islands.ne.jp/imabari/nousui/gkkoukyuusyoku.html
地産地消の推進
http://www.islands.ne.jp/imabari/nousui/tisantishou.html
JA今治立花
http://www.islands.ne.jp/tachibana/ja/chisan/kyushoku.html
JAおちいまばり
http://www.islands.ne.jp/ochiima/index.html
2004年度毎日・地方自治大賞
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/travel/green/greennews/archive/news/20050222ddm010040136000c.html
[ 06/01/20 取材メモ・リンク ]