学校給食ニュース
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時事情報1998 地場型を中心に

●群馬県が県産品使用拡大への取り組み
群馬県の調査によると、学校給食(保育園、幼稚園含む)の県産農産物取り扱いは、豚肉、牛肉、卵では7割を上回っていたが、 農産物ではすべて5割を下回り、特に、野菜、果物、芋類はとても低いことが分かった。原因として、「流通ルートが分からない」という声が多く、 県、生産者、JA、流通業者が一体となって流通の確立を行なうための研究を本格化するという。(上毛新聞 3月30日) (学校給食ニュース2号 1998年5月)

●高知県春野町の農家女性グループ
高知県春野町では、専業農家の女性グループが、地元の栄養士とともに地場産農産物を学校給食に使用する取組みをすすめている。 給食に使う野菜の種類、量を調べ、地域で提供可能な種類、量を検討し、現在では月に平均6回ほど学校給食に使用している。 地場産米飯の取り扱いや児童の農業体験、高齢者と連動して自家菜園野菜を学校給食に使うなど多彩な取組みを検討、実行している。 (日本農業新聞4月24日)(学校給食ニュース3号 1998年6月)

●福岡県が県産米使用
福岡県は、米飯給食を実施している県内すべての小中学校に県産米を導入し、60kgあたり500円の奨励金を交付して普及を図っている。 品種は県が育成した「夢つくし」で、使用予定量は3,800トン、対象児童生徒数は409,443名。(流通サービス新聞4月14日) (学校給食ニュース3号 1998年6月)

●地場産給食
5月14日付け日本農業新聞によると、高知県大豊町は、町内産アイガモ農法米を全小中学校の給食に採用。週3回の米飯給食とは別に月2回実施。 本年度は補助金がつかず、3倍程度の仕入れ値になりますが、環境保全など教育を目的に導入を決定したとのこと。地場産米を使用するだけでなく、 その栽培方法まで考えての導入ですので、教材としての価値も高いと考えられます。(学校給食ニュース4号 1998年7月)

●日本一の学校給食をめざして
 6月14日付け南日本新聞によると、鹿児島県肝付郡高山町で、子どもたちに日本一の学校給食を食べさせようという運動が始まっている。 小学校6校、中学校4校の800食を、自校方式及び親子方式からひとつのセンター方式に切り替える議論の中で、 結果的にはセンター方式への移行が決まったが、同時に食材を可能な限り町内で入手することと、野菜などを地元農家と契約して有機栽培にすること、 教材として活かすことなどが決められた。その結果、町ぐるみで給食についての関心が高まり、将来は「学校給食ブランド」 を売り出し町おこしをしようという話も出ている。(学校給食ニュース5号 1998年9月)

●和光市の地場型学校給食
 7月30日付日本農業新聞によると、埼玉県和光市では1990年より市内の小中学校全11校(約5500名)に対して、 学校給食で地場のジャガイモ、タマネギ、ほうれん草など年間15種類を使用している。農家26戸で構成する農産物直売組合と市の担当者、 栄養士が年に1回出荷調整を行い、月ごとに各栄養士が発注する方式。使用比率は給食野菜の1割程度。児童の農業体験など交流も深まっている。
 記事の中で、問題点として同じ規格の野菜をそろえる難しさが指摘されていました。給食の調理現場と、野菜の生産現場がより交流を深め、 規格のあり方などを検討することで農薬の削減もはかれ、教育教材としての力も高まります。このような取組みが持続、 拡大されるようがんばりましょう。(学校給食ニュース5号 1998年9月)

●98年産政府米は学校給食のみ
 11月10日付の日本農業新聞によれば、食糧庁は、98年産の政府米を来年1月から学校給食用としてのみ販売することを決定した。 97年産米は一般消費者向け「たくわえくん」限定とし、在庫となっている96年産米以前を業務用にする方針。 食糧庁が販売時に用途を限定するのははじめて。(学校給食ニュース8号 1998年12月)

●鹿児島県は県内産米を全量導入
 10月27日付の南日本新聞によると、鹿児島県は来年度から県内の米飯給食実施校888校(小・中・高) 全校で使用する米を従来の政府米から県内産自主流通米に切り替えることを決定した。政府米の位置づけが「備蓄運用」性格のものとなり、 安定供給がはかれないこと、値引き措置が2000年度以降廃止される予定であることなどを受けて、JA、食糧事務所、県、 県学校給食会が協議した結果。県産「かりの舞」の新米をJA県経済連が県学校給食会に供給するとしている。価格は日本体育・ 学校健康センターが提示する政府米価格に合わせるという。
 県内農業振興などの側面が強調されているが、地元の米を給食に使うことは教材として大きな意味があり、食や農業、 地域環境の面で教育への活用が望まれる。(学校給食ニュース8号 1998年12月)

●北海道江別市は市内産減農薬米使用
 11月10日付の日本農業新聞によると、北海道江別市では、市内28校の小中学校で来年度より米飯給食用の米を地元産減農薬米「ほしのゆめ」 に切り替えることとした。政府米助成がうち切られたことを受けての対応。自主流通米より割高になるが、その増分は市と地元のJAが負担する。 (学校給食ニュース8号 1998年12月)

●郷土食~マツタケご飯
 10月19日の信濃毎日新聞コラム「斜面」では、長野県下伊那郡豊丘村の小中学校3校、870人に対し、 毎年郷土食としてマツタケご飯が出ていることを紹介。17kg、 約20万円のマツタケを学校給食で食べさせることができるのは産地だからであるが、このことにより、「一生“マツタケの村” の誇りを持ち続けるだろう」とし、学校給食で地元産のものを使うことで地域の産業や人々、郷土に目を向けさせ、 地域に根ざした教育ができることを指摘している。(学校給食ニュース8号 1998年12月)

●埼玉県、地場産米に全量切りかえ
 98年12月2日付の日本農業新聞によると、埼玉県学校給食会は、12月より公立小中学校の給食に使う米を全量、 埼玉県産の自主流通米に切りかえた。品種は、コシヒカリと朝の光。従来、地域ごとに地場産米を使用しており、 地場産米比率は6割程度だったという。さらに、99年4月から埼玉県産小麦を使ったうどんの供給を開始するという。今後、 野菜の供給も予定される。(学校給食ニュース9号 1999年2月)

●山梨県上野原町で、地場野菜供給
 98年11月29日付の日本農業新聞によると、山梨県上野原町では、地元の農家グループ16人が「JA上野原町地元農産物販売推進部会」 をつくり、上野原小学校に毎日850食分の野菜を供給している。野菜は15種類ほどで、低農薬、有機肥料での栽培。 (学校給食ニュース9号 1999年2月)

[ 98/12/31 地場産・産直 ]


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