時事情報1999年 地場型を中心に
食材・地場型給食
●北海道生田原町・地場産ステーキ給食に
日本農業新聞99年12月25日付によると、
北海道網走管内生田原町にある小中学校5校350人に同町産の黒毛和種牛ステーキが給食として出された。同町産業課、
JA生田原などが地場産牛肉のアピールで行ったもの。9月のハンバーグに続いての実施。(99.12.31)
●静岡県、特産椎茸の給食利用を調査
日本食糧新聞99年12月20日付によると、静岡県は県内72市町村817校を対象にした学校給食の椎茸利用状況を調査した。その結果、
意識的に利用しているのは全体の34.7%、国内産、地元産の利用が多いが、価格面などから中国産を選ぶ学校もあった。(99.12.31)
●神奈川県藤沢市でアイガモ米給食拡大
神奈川新聞99年12月20日付によると、藤沢市教委は、同市管内のJAさがみに協力を要請し、
有機無農薬栽培のアイガモ米を学校給食に取り入れた。99年度は9校で1回、450kgの使用だが、来年度は全36校に拡大する方針。
2回の実施で3200kgを購入予定。給食の前に冊子や写真でアイガモ農法の説明を行い、児童が生産者に感想文を書くなど教育にも役立てている。
来年度は授業での見学なども計画している。(99.12.31)
●埼玉県和光市、地場産野菜の使用拡大
日本農業新聞99年12月15日付によると、
埼玉県和光市では90年7月から市内の全小中学校11校で地場産野菜の給食使用がはじまり年々拡大している。
同市の都市農業推進協議会の提言と市教委の橋渡しにより和光市農産物直売組合が有機低農薬野菜を供給。毎年2月に栄養士と組合で連絡調整を行い、
次年度の月別利用計画を立案、各生産者が給食当日の朝9時までに学校へ搬入している。また、
とうもろこしの体験学習や生産者から話を聞くなど教育にも役立てられている。(99.12.31)
●塩釜市、地場魚の家庭料理を給食に
日刊水産経済新聞99年12月6日付によると、塩釜市教委は毎年1月に行う給食まつりで保護者、生徒から募集している「わが家の自慢料理」
の入賞献立のうち、地場産魚をりようした3品を各小中学校の給食に献立として取り入れた。今後も、同様にメニューを増やすという。
(99.12.31)
●東京都国分寺市の食と環境教育
日本農業新聞99年12月3日付では、「足元見つめ~3」と題し、国分寺市の給食と収穫体験を特集している。
国分寺市は市内10校全校で給食に地場産野菜を取り入れている。また、収穫体験も全校で実施。市立第六小学校では、
市内2農家から30種類以上の野菜を直接仕入れて、11月には全体の半分の野菜が地場産で占められた。1、2年生が畑でダイコンを収穫し、後日、
サラダや浅漬けとして給食に出している。また、葉を持ち帰らせ、保護者から料理方法などのレポートをもらっている。野菜を納める農家は、
「以前は畑にいたずらをする子どもが多かったけれど、ほとんどなくなった」と語っているという。(99.12.31)
●長野県穂高町、発芽玄米を給食に取り入れる
朝日新聞99年11月29日付によると、長野県穂高町では週に1度白米に発芽玄米を3割程度混ぜて給食に出している。発芽玄米は、
玄米を発芽させたもので栄養の吸収がよくなるなどの効果が指摘されている。(99.12.31)
●北海道、JAら米飯助成
日本農業新聞99年9月16日付によると、JA北海道中央会、
ホクレンなどで構成する北海道米販売拡大委員会は本年度から1億8800万円を予算化し、小中学生米啓発事業として学校給食用の米に対する助成、
総合学習資料作成などを行う。(99.9.29)
●ナタネ栽培→学校給食→自動車燃料
朝日新聞99年9月9日付けによると、滋賀県愛東町は、「菜の花エコプロジェクト」をすすめている。町内の休耕田で菜の花を栽培し、
菜種油を学校給食用に使ったあと、その廃油を精製して公共施設の空調や自動車の燃料にする計画。昨年10月に休耕田0.3ヘクタールに植え付け、
今年6月に小学生が収穫。7リットルの燃料になった。今秋から約2ヘクタールを植え付け、来年ナタネ油として学校給食に利用。
廃油からの精製が軌道に乗れば、公用車に使い、一般への販売も計画。徐々に作付け面積も広げる予定。(99.9.29)
●北海道、地場産米の給食使用増える
北海道新聞8月4日付によると、北海道内の学校給食で、地場産米を使用する自治体が増えている。同紙の調査では、旭川、江別、北広島、
士別の4市に加え、上川管内の東川町、上富良野町、美瑛町、空知管内の南幌町、栗山町、月形町、新十津川町、石狩管内の新篠津村、浜益村、
渡島管内の上磯町、大野町などが実施。旭川市は、不足分を近郊地域でおぎない、また、
上川町はもち米生産が中心であるため近郊の当麻町産を使用するなど、地域での取り組みもある。大きな原因は給食用政府米値引きの削減だが、
保護者の声や安全性、農業振興、地場産の消費拡大や地場産業を子ども達に知ってもらうなど、様々な効果が期待されている。(99.8.24)
●玄米まぜご飯導入
信濃毎日新聞6月16日付によると、長野県穂高町学校給食センターでは、週4、5回の米飯給食を実施しているが、6月に3回、
玄米を2~3割含む米飯を給食に出す。発芽玄米を利用し、通常の炊飯と同様に炊飯する。試食の意見をまとめて、定期的に実施するかどうかを検討。
(99.8.5)
●給食パンに道産小麦をブレンド
北海道新聞99年6月26日付によると、北海道十勝管内では本年度より同管内産小麦の「ホクシン」を給食用パンとして利用をはじめた。
ホクシンだけではパンがかためになるため、5割をホクシン、5割は輸入小麦としている。北海道学校給食会の取り組み。同会では、
状況をみて他の地域にも広げたいとしている。
●神奈川県、県産米使用
日本農業新聞7月8日付によると、神奈川県では4月より学校給食米飯に県産自主流通米を使用している。政府米への補助金が削減されたことから、
県学校給食会がJA神奈川経済連によびかけて実現したもの。品種はキヌヒカリ8割、アキニシキ2割で、全量県産という。
今年度は約2500トンを供給予定。
●群馬県、県産農産物利用促進の協議会が発足
上毛新聞99年7月6日付によると県学校給食県内産農産物等利用促進協議会が発足した。行政、農業生産団体、流通団体、学校関係者で構成される。
牛乳、卵、豚肉、米などは、県内産の利用実績が多いものの、野菜類などは生産、流通面で利用が進んでいなかった。
県産品の利用拡大や地域教育の意味からも県を上げて取り組むという。
●ご飯持参は白ごはんのみ…
99年5月24日付の河北新報によると、岩手県西根町が導入した小中学校給食のご飯持参で、その方法をめぐって混乱が起きている。西根町では、
4月に稼働した学校給食センターに炊飯設備をつくらず、主食のご飯を各家庭で持参することとした。この米飯について西根町教育委員会では、
ふりかけや味付けご飯などを禁止し、白米のみに限定。殺菌効果を考えた梅干しもだめだという。これに対し、保護者からは反対の声が上がっている。
なお、同記事では、岩手県内の久慈市、藤沢町、松尾町もご飯持参型の給食を実施しており、こちらは、ご飯に特別な制限はないとしている。
(99.6.1)
●埼玉県、地場産小麦うどんを全校に
99年4月30日付、日本農業新聞によると、埼玉県学校給食会は、99年度から全公立小中学校の学校給食に県産小麦100%
でつくる地粉うどんの供給をはじめた。98年12月からの県教育委員会による県産米100%利用に続く地場農産品利用である。また、
地元産野菜などの取り組みも徐々に増えているという。これまで、うどん用の小麦は外国産だった。地粉うどんは、
やや色が黒く独特の香りはあるが好評とのこと。なお、年間供給量は、精粉ベースで約300トン、うどんにして約320万食としている。
(99.6.1)
●栃木県、県産大豆を学校給食に
99年5月8日付、日本農業新聞によると、栃木県では県産大豆の普及拡大のために、学校給食で使用する大豆に補助金を出している。これは、
県とJA中央会が輸入大豆と県産大豆の差額の一部を年額約200万円ずつ補助するもので、昨年度より開始している。大粒大豆、水煮大豆、みそ・
豆腐・納豆への加工品という形で使用されている。本年度は、年30トン程度が利用される見通しという。
栃木県では、減反政策により転作品目として大豆の作付けが進んでいる。(99.5.15)
●長野県、県産自主流通米を学校給食へ
信濃毎日新聞99年3月29日付によると、長野県では、4月より、学校給食に使用する米を政府米から自主流通米に切りかえる。
県を4つのブロックに分け、それぞれ地元産の米を食べてもらうという。政府米との差額は、県経済連が負担。約650校で週3回程度、
年間約2000トンの消費量になる。ただし、2000年度以降の負担について県経済連は態度を決めていないという。(99.4.23)
●愛媛県今治市、減農薬米を学校給食へ
日本農業新聞99年4月16日付によると、愛媛県今治市では、
市内24小中学校のすべてで今年度から地元産の減農薬米を学校給食に使用している。市内の米飯給食は週3回で、米の品種はヒノヒカリ。
減農薬の内容は、除草剤1回のみで、それ以上農薬を使用した場合、学校給食用には使用しないとしている。(99.4.23)
●北海道、道産米から町産米へ
日本農業新聞99年3月16日付では、北海道の小中学校給食に町村産米を使用する動きが広がっていることを報じている。新年度では、
10町村を超す見通し。そのうち、桧山管内今金町では、給食センターで町内産きらら398に切り替える。上川管内美瑛町では、
自校炊飯で町内産きらら398Bに切り替える予定で、町が補助を予定する。(99.4.1)
●宮城県、県産米を学校給食に
河北新報99年3月17日付では、宮城県の県産米を学校給食に使用している動向を報じている。県、県教委、
JAなどで普及委員会をつくっているが、98年12月より自主流通米として県産ササニシキを扱い、政府米との差額分を県と市町村、
JAが負担している。現在54市町村が利用しており、99年度からはさらに4市町が加わる。(99.4.1)
●茨城県独自品種米を給食に
日経産業新聞99年2月24日付では、茨城県と県経済連などが、県の独自開発品種米「ゆめひたち」の本格的な生産がはじまることを伝え、
その中で、98年米の販売量約1800トン中半分が県内の小中学校学校給食用に供給されることを報じている。(99.4.1)
●兵庫県、県産米の助成金開始
神戸新聞99年3月8日付では、社説に「兵庫産のおいしい米が給食に」と題し、
学校給食が食習慣に大きな影響を与えることや郷土意識などの教育効果があることを訴え、兵庫県が今年度(99年度)
よりはじめる地場産米使用の助成金制度を評価している。助成金の内容は、県産の自主流通米を使用する場合、政府米との価格差を、県が4分の1、
市町が4分の1、生産者団体が2分の1負担するというもの。(99.4.1)
●群馬県、県産米の差額補填
上毛新聞99年2月24日付によると、群馬県教委が、99年度から県産米の使用を決めた。あわせて、
県産の自主流通米が政府米より高くなった際、県教委が差額を補填する補助事業をはじめる。米の購入窓口である県学校給食会に対し、
最高2千万円を限度に行う。(99.4.1)
●新潟県黒川村、無償備蓄米で米粉めん
日本農業新聞99年3月7日付によると、黒川村では、政府備蓄米の無償交付を受けて、米粉めんをつくり小中学校の給食に出した。
「学校給食等用政府備蓄米交付要領」では、給食本体、試食、料理講習での交付を認めており、今回は、米粉加工品にもその枠を広げたもの。
(99.4.1)
食材・関連事項
●米飯国費助成廃止とご飯給食~愛媛県
愛媛新聞99年11月29日付は、国の米飯給食用助成廃止について愛媛県の動向を特集している。財団法人愛媛県学校給食会は、従来、
国から年間約2000万円の業務委託費を受け取っており、これが消滅する。また、
助成を受けるために各市町村の教育委員会は同会を通じて米を注文していたが、助成がなくなるため必ずしも同会を通す必要がなくなる。一方、
西条市、今治市、北宇和郡三間町は、地元産の米を給食に供給し、経費増分を市や町が負担している。これらの動きが県内にも広がりつつある。
(99.12.31)
●米飯国費助成廃止とご飯給食~福島県
福島民友99年11月21日付は、国の米飯給食用助成廃止について福島県の動向を特集している。岩瀬村では、
10月末に来年度からのご飯のみ弁当持参を保護者に通達、説明不足との声があがっている。福島市、いわき市、会津若松市、会津高田町、
会津本郷町、北会津村などでは、値上げの方針。新鶴村は村負担を継続する。郡山市では、地場産米を使い、米の価格幅の中で負担分を吸収する方針。
(99.12.31)
●政府米、学校給食には新米のみ
日本農業新聞99年11月13日付けによると、食糧庁は99年産の新米も学校給食用などに限定し、古米は備蓄米などへと振り分ける。
(99.11.21)
●学校給食用牛乳の補助金見直しへ
日本農業新聞99年7月26日付によると、農水省の乳製品・加工原料乳制度等検討委員会は、学校給食用牛乳の補助金制度見直し案をまとめた。
従来の一律補助から、地域条件ごとの補助へ転換する見通し。また、入札制度の導入、HACCPの早期導入などを提言している。(99.8.5)
●牛乳補助金削減案
毎日新聞99年3月4日付他各紙によると、自由民主党の農林部会合同会議は「新たな酪農・乳業対策大綱」をまとめ、
この中に学校給食牛乳補助金を2000年に見直すことを盛り込んだ。(99.4.1)
●ご飯の持参を求める、岩手県西根町
日本農業新聞99年3月16日付によると、岩手県西根町教委は、9小中学校で行っている週4回の米飯給食について、新年度から児童・
生徒に持参させることを決めた。4月から稼働する給食センターに炊飯釜がないことと設備費用がかかること、さらに、
国の値引き販売がなくなることを理由にしている。保護者らが人口の1割近い約1700人の署名を集め、米飯提供継続を求める陳情を提出したが、
町教委で不採択になっている。(99.4.1)
●栃木県で干瓢の無償提供
99年1月8日付の食品新聞によると、栃木県干瓢商業協同組合は、県内の小中学校、定時制高校約300校に、合計640kgの干瓢を無償提供。
今年で3年目となる。(学校給食ニュース9号 1999年2月)
[ 99/12/31 地場産・産直 ]