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遺伝子組み換え食品とは

●遺伝子組み換え食品

 この遺伝子組み換え技術は、医薬品の分野で、微生物に大量に医薬成分を作らせるなどの目的で使われていました。
 遺伝子組み換え技術の食品への応用は、2種類あります。ひとつは、遺伝子組み換え微生物を利用して酵素などをつくらせ、 食品添加物として利用する方法です。
 チーズを作るときにミルクをかためるキモシン、でんぷん分解酵素のα-アミラーゼ、ビタミンの一種リボフラビンなどがあります。
 もうひとつは、遺伝子組み換えした作物を食べるものです。
 誰もが知らないうちに食べる可能性がある食品に応用されたのは、1994年、アメリカで発売された日持ちするトマト(フレーバーセーバー) が最初でした。その後、特定の除草剤をかけても枯れない性質をもった大豆やトウモロコシ、ナタネ、昆虫が葉っぱなどを食べると、 その昆虫を殺してしまう性質をもったトウモロコシやジャガイモ、ワタが開発され、生産されています。

●日本に入ってきた遺伝子組み換え食品

 1996年8月、厚生省・食品衛生調査会は、農薬メーカー3社から申請されていた遺伝子組み換え作物について、 「安全性評価指針に適合している」という答申を出しました。その結果、遺伝子組み換え食品が海外から輸入され、 私たちの食卓にのぼることになったのです。
 現在輸入される作物としては、大豆、ナタネ、トウモロコシ、ジャガイモ、それに、綿実油に使われるワタがあります。
 組み込まれた遺伝子は、大きく分けてふたつあります。ひとつは、除草剤耐性をもつもの、もうひとつは、殺虫タンパクをつくるものです。

(除草剤耐性)
 たとえば、農薬メーカーの日本モンサント社は、同社の主力製品である除草剤ラウンドアップをかけても枯れない大豆、ナタネを開発しています。 ラウンドアップは、「根まで枯らす」ほど強力な除草剤で、大豆畑にまくと、雑草とともに大豆も枯れてしまいます。ところが、 除草剤耐性遺伝子を組み込んだ大豆は、ラウンドアップをかけられても枯れることはありません。生産者は、安心して(?) ラウンドアップを使うことができます。
 そして、日本モンサント社は、除草剤ラウンドアップと、除草剤耐性大豆をセットで販売できるというわけです。
 同じように他の農薬メーカーでも、除草剤耐性のナタネ、トウモロコシを開発しています。

(殺虫性)
 文字通り、虫を殺す植物にしてしまうことです。植物のすべての細胞に、昆虫を殺す毒素(タンパク質)を作り出させ、 葉や根や茎など植物体を昆虫が食べると死んでしまいます。そこで、殺虫剤などがいらなくなるというふれこみです。
 ジャガイモやトウモロコシ、ワタなどに応用されています。
 公的には、「害虫抵抗性」と表現されますが、そんなにやさしいものではないので、「殺虫性」という表現にしました。

 また、除草剤耐性と殺虫性のふたつの遺伝子を組み込んだ複合的な遺伝子組み換え作物も開発されています。


(学校給食ニュース7号 1998年11月) 


 

[ 98/12/31 遺伝子組み換え ]


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