表示制度について(古い)
●表示はどうなるの?
初出記事が古いため、情報が現状と合わなくなっていることがあります。
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●海外の動き
遺伝子組み換え食品についての表示は、EU(ヨーロッパ連合)が「遺伝子組み換え原料を含む」という表示を義務づけています。アメリカ、
カナダなどは、栄養成分が違ったり、アレルゲンが存在する場合のみ表示することになっており、また、アメリカでは「遺伝子組み換えではない」
という表示をする場合には、あわせて「遺伝子組み換えをした食品と比べて安全というわけではない」という表示を求められています。
現在、世界的な食品基準などを定めるコーディックス委員会でも、遺伝子組み換え食品の表示議論が行なわれていますが、
アメリカなどとEUとの間で、表示の必要性に対して意見が分かれています。
●日本の動き
日本では、食品の表示については、「食品衛生法」(厚生省)、「JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)」
(農水省)があります。
厚生省は、国が安全と認めたものに表示義務づけすることはできないとしています。
農水省は、食品表示問題懇談会で表示の必要性の有無から議論しています。
8月27日に開かれた第11回の懇談会では、事務局から表示案のたたき台が2案出され、10月9日まで一般からも意見募集をしていました。
最終的に、表示必要、不要を含めた意見は1万を超えているそうです。今後、このたたき台について議論される予定です。
この他、97年の12月に、設置されていた衆議院の消費者問題特別委員会遺伝子組み換え食品の表示を考える小委員会が「表示は必要」
という意見をとりまとめて親委員会に提出しています。厚生省も、食品衛生調査会総会で表示問題特別部会の設置を決め、
遺伝子組み換えに限りませんが、食品表示全体を見直す動きを見せています。
●市民の動き
遺伝子組み換え食品の表示を求める署名数は、これまでに、厚生大臣あてで120万人以上、
農水大臣あてで100万人以上が出されています。また、地方議会からの意見書は、厚生大臣あてに1100通以上、
農水大臣あてに1000通近くが提出されています。
地方議会数は総数3300ですので、この数はかつてないほど多いものです。
国会での請願署名は関連委員会のいずれも採択できませんでした。
しかし、この数の重みからか、農水省、厚生省が当初見せていた表示は不要という強気の発言が徐々にかわりはじめています。
さらに、市民の声を大きくすることが、適正な表示をもたらす原動力になることは間違いありません。
(学校給食ニュース7号 1998年11月)
[ 98/12/31 遺伝子組み換え ]