海外の未承認とうもろこし混入事件
各種報道によると、アメリカのメキシカンファストフード「タコベル」ブランドのタコス用シェルに、
アメリカ政府が家畜飼料用のみ承認している遺伝子組み換え殺虫性トウモロコシが原料として混入していました。これは、
アメリカの環境保護団体が民間の研究所に調査を依頼し、その結果分かったもので、米環境保護局(EPA)と食品医薬品局(FDA)
も調査にのりだしました。
その結果、フィリップ・モリス社の傘下にあるクラフト・フーズがタコベルブランドで小売店販売しているものに混入していることを、
同社も独自に調査して確認しました。そして、全面回収を行っています。同商品はペプシコ社の子会社、サブリタス・メキシカリ社が製造したもので、
原料はトウモロコシ粉大手のアズテカ・ミル社が製造していたことがわかっています。
また、ファストフードチェーン「タコベル」は、小売り用のクラフト・
フーズ社商品とタコベル社の商品は製造方法が異なるとして回収はしないことにしています。ただ、今後仕入先を変えることも表明しました。
この殺虫性トウモロコシは、人間が消化分解しにくいタンパク質があり、
アメリカでは人間への安全性が確保できていないとして人間の食用に認められていません。1988年にアメリカで飼料用に承認されて、
「スターリンク」の商標でアベンティスSAが開発、販売しています。
クラフト・フーズ社は、回収にあたり、EPAに対し、食用が認められない作物の栽培を承認すべきではないなどの提言を提出しました。また、
アベンティスSA社も、種子の販売を食用として認められるまで中止する措置を発表しています。
なお、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンニュース39号によると、この遺伝子組み換えとうもろこしは、
同キャンペーンが国内で入手し検査を行った畜産飼料のなかにも存在していたとのことです。さらに、同キャンペーンと政府当局の担当者との懇談で、
「日本では食品としての確認も近い」という発言があったと報じています。
(学校給食ニュース2000年10月号)
追記:
さらに、国内でも一部この未承認とうもろこしが食品として流通していることが判明しています。(00年11月1日)
[ 00/12/31 遺伝子組み換え ]