安全食品連絡会が行なったアンケート
安全食品連絡会(兵庫県伊丹市)は、97年に遺伝子組み換え食品の学校給食での利用状況を教育委員会に対しアンケート調査しています。 以下、このアンケート結果報告をご紹介します。
「学校給食と遺伝子組み換え食品に関する 教育委員会へのアンケート結果報告」
1997年11月30日
主旨:安全性に疑問の多い遺伝子組み換え食品が、表示もされずに、私たちが知らずに食べさせられていることについて強い懸念をもっている。
とくに、成長期の子どもたちの口に入ることの影響は大きい。そこで、学校給食における遺伝子組み換え食品の利用状況を兵庫県、大阪府、
和歌山県の市町の教育委員会宛にアンケートをとり、今後の対策を考えることとした。
実施期間:1997年10月29日~11月13日
対象:兵庫県下59市町、大阪府下44全市町、
和歌山県下2市、合計105市町
回収:兵庫県=9市+7町(16市町)、
大阪府=9市+3町(12市町)、
和歌山県=2市、
なお、東大阪市は回答しないとの連絡があり、意見のみ記載。計30市町(回収率29%)
内容:
1 貴市では遺伝子組み換え食品について関心をもっておられますか。
もっている=26(87%)、もっていない=3(10%)、
もっているといないの中程=1(13%)
2 遺伝子組み換え作物、食品について安全だと思っておられますか。
思っている=0、思っていない=4(13%)、
疑わしい=8(27%)、わからない=17(57%)
3 貴市の学校給食の食材の中に遺伝子組み換え
食品が入っていますか
はい=0、いいえ=4(13%)、わからない=26(87%)
4 学校給食から遺伝子組み換え食品を取り除くことは可能ですか(複数回答あり)
可能=2(6%)、一部可能=5(15%)、むずかしい=20(61%)、無回答=6(18%)
理由 可能…その旨の表示があれば。
一部可能…単品のトマト、ジャガイモ、トウモロ
コシは避けることができるが、大豆、
ナタネ油等は難しい。
むずかしい…表示の明示がされていないから。
5 遺伝子組み換え作物・食品にその旨の表示が必要と思われますか
思う=27(90%)、思わない=0、分からない=0、無回答=3(10%)
理由 使用する、しないの選択を可能にする。
表示されれば取り除くことは可能。
6 意見、希望など
◆情報を流してほしい。◆安全性が確保できるかが心配。◆安全性が十分確認されていなければ、消費者の選択可能なように表示してほしい。
◆早急に表示義務づけが必要。◆使用したくない者にとっては無視される行為。◆物資納入業者に使用しないよう要請する(守口市)。◆まだ、
研究段階の遺伝子組み換え作物は、環境への影響や人体への安全性がきっちり把握されていないと思う。◆自然にさからい、
利益ばかりを追う農業のやり方に疑問とこわさを感じる。
考察
1 遺伝子組み換え食品に「関心をもっている」の回答が84%と多かったが、「関心をもっていない」が3市町もあったのは残念である。
2 安全性についての考え方は「わからない」が54%もあり、「疑わしい」と「安全とは思っていない」を合わせた46%を上回った。
もっと自主的に学習していただきたい。
3 遺伝子組み換えの食品が入っているかどうかの質問には「わからない」が87%もあった。調査、情報収集の努力が不足しているように思う。
「入っていない」と答えた3市町は無責任すぎる。
4 学校給食から遺伝子組み換え食品を除きたくても、表示がないので不可能との回答が多かった。「物資納入業者に使用しないように要請する」
と答えた守口市を習ってほしい。
5 組み換え作物・食品の表示については、88%の市町が必要との回答であった。
6 民間団体には回答しないという市(西宮市)があり、公僕意識が薄く、お上意識が強すぎる。
市民と行政と共に考えて学校給食をより安全なものにしたいと思っているのに残念である。
(学校給食ニュース7号 1998年11月)
[ 98/12/31 遺伝子組み換え ]