学校給食ニュース
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学校給食の放射線測定運動について

全国学校給食を考える会からのお知らせ
放射線測定の運動を開始します

全国学校給食を考える会は、農と食の環境フォーラム(代表・牧下圭貴)ほかと共催で「生産者と消費者をつなぐ測定ネットワーク」を結成しました。
食品からの内部被ばくが心配で、学校給食食材の産地公表や放射能測定を求める動きが後を絶ちません。お弁当や飲み物を持参させる保護者もいます。子どもたちの内部被ばくを可能な限り抑えることが課題だと考えます。
(1)学校給食での放射能の少ない食材の使用促進
(2)国や各自治体での放射能測定体制の確立
(3)学校給食独自の基準値の設定
(4)暫定基準値の引き下げ
を目標にこのネットワークを結成することとしました。
●2012年1月から米など食材や土、学校給食等の放射能測定を開始します。

■生産者と消費者をつなぐ測定ネットワークについて(略:生消測定ネット)
311の原発事故により、土と、水と、空が汚染されました。放射能汚染により、地産地消、循環型の農業や地域社会づくりのつながりが壊れました。放射能汚染は、生産者と消費者の信頼を、不信と不安に変えました。
これまで、有機農業運動や提携米運動に関わってきた生産者と消費者は、環境と調和しつつ経済的にも持続可能な農業のあり方、食の安全、持続的、循環的な社会を求めてきました。
産直、提携、あるいは、学校給食における地場産や有機農業との連携による教材化など全国に取組が広がりつつあります。
そこに、今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きました。
1986年のチェルノブイリ事故後、各地でさまざまな反原発の取組がありました。しかし、日本に54基の原子力発電所の設置が進み、プルサーマル計画の中で、青森県六ヶ所村の再処理工場も建設されました。反原発、脱原発をなしえなかった結果が、今回の事故です。
すでに、莫大な量の放射性物質が拡散しました。
森が、海や川が、学校が、公園が、町が汚染されています。
放射能の影響が大きい子どもたちを守り、少しでも放射能を減らす取組を続けることが大切です。
そして、食が汚染されています。
田畑が、汚染されています。
目に見えないだけに不安がつのります。生産者も、消費者も不安です。
食品の暫定基準値も、年間1ミリシーベルトという人工放射能の許容量から考えれば、高すぎます。
しかし、不安がってばかりではいられません。
これから長い年月を、放射能の問題とともに生きていくことになるからです。
放射能に汚染されたからと、これまでの有機農業運動や提携米運動、学校給食運動などを終わらせてはいけません。
むしろ、いまこそ生産者と消費者が支え合い、社会を変えていく道を切り開くことです。
そのためには、まず、放射能汚染の実態を知ることが必要です。放射能汚染を調べ、広く共有し、対策を考え、基準のあり方、生産のあり方、消費のあり方を考えていくことです。
近い将来、誰であっても、不安があれば、放射能測定が無料で、すぐにできるよう公的な検査態勢を整えていくことが必要でしょう。それまでの間、放射能をみんなで測定し、調べることから、生産者と消費者のつながりを確かめていく運動を続けたいと思います。

■目的
本ネットワークは、以下を目的に、食品や土壌などの放射能測定を行い、情報を共有し、食の安全を目指した運動を展開します。
・測定により、食品の放射能汚染を防ぐ
・農産物と土を測定することで、農業での放射能汚染対策を目指す
・情報を共有し、暫定基準値の再検討につなげる
・放射能測定を普及させる
・測定と情報共有により、有機農業や提携運動など生産者と消費者のつながりを深める
・測定と情報共有により、学校給食の安全性と信頼性を深める

■測定について
厚労省の定める公定法には記載されていませんが、農林水産省がガンマ核種を測定するための機器として暫定規制値との比較が可能としている「簡易スペクトロメータ」を設置して行います。

高精度検査機器「NaI(Tl)ガンマ線スペクトロメータ」
(EMFジャパン EMF211改良型)

測定対象は、食品、農場等の土壌、たい肥、腐葉土、稲わら等の農業資材など、食品、食品に関わるものとします。
測定にあたっては、事務局または主催団体に申請し、事務局に必要な手数料を支払って実施します。
測定結果は、「測定報告書」の形で申請者に通知します。結果の取扱については、申請者の判断にゆだねます。測定結果のうち、生産地(都道府県名)、検査品目名、放射能測定結果については、いかなる結果であっても、本ネットワークホームページで公表します。
ただし、それ以外の情報については、申請者の同意がない限り本ネットワーク側に守秘義務を課します。

測定にあたっては、当面以下を優先します。
・ 米(玄米)と土壌をセット(2検体)
・ 学校給食関係食材または1食分の給食
・ 有機農業関係(農産物、たい肥、腐葉土、稲わら、有機資材、学校給食食材)

■主催団体
全国学校給食を考える会(会長:五十嵐興子)
提携米研究会(共同代表:黒瀬正、橋本明子)
農と食の環境フォーラム(代表:牧下圭貴)

■賛同団体(呼びかけ中)
本ネットワークの趣旨に賛同いただき、検査や実験、情報の共有等を行う市民団体、NPO等に賛同団体として参加を呼びかけます。
NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク
NPO法人日本消費者連盟

■測定ネットホームページ
http://sokuteinet.sblo.jp/

■学校給食関係測定までの流れ(2012年1月~当面の間)
学校給食の1食分を丸ごと測定または、食材の測定が可能です。
測定は、NaI(Tl)ガンマ線スペクトロメータによるものです。
測定対象の密度や量にもよりますが、1リットル専用容器で測定した場合、5ベクレル/kg未満で測定できます。
費用は1検体5000円~7000円です。(送料・振込手数料は含みません)

1)http://sokuteinet.sblo.jp/から、説明パンフレットをダウンロードして、内容を確認し、依頼書を作成してください。
不明点があれば、http://sokuteinet.sblo.jp/ にメールフォームがあります。そこで質問してください。

2)依頼書を、測定ネットに提出してください。学校給食丸ごとの場合で質問や希望があれば、全国学校給食を考える会にご相談ください。

3)測定ネットより、測定日、費用、送付方法等についてご連絡します。
連絡後、検体を指定場所(神奈川県)に送付、測定し、結果が連絡されます。
検体は原則返却されます。測定結果到着後、検査費用をお支払いください(振込)。

測定費用、測定までの手続き等、今後変わることがあります(2012年1月現在)

[ 12/01/03 食の安全性 ]


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