時事情報 1999年 衛生管理・食中毒関係
●15分で細菌・カビの測定
日刊工業新聞99年12月24日付によると、東京府中市のエヌ・エム・ジー社は、
食品などに付着したカビや細菌などを15分程度で測定できる簡易型の微生物測定装置を開発した。従来の培養法と異なり、
光センサーによる測定を行うもの。1台300万円。(99.12.31)
●広島県福山市で食中毒
中国新聞99年12月5日付によると、福山市の深津小学校、深津幼稚園で給食を原因とする集団食中毒が発生し、児童、
園児ら合計213人が吐き気、腹痛などの症状を発症した。3人が入院、全員快方に向かっているという。
12月2日の給食で出た献立が原因とみられる。市保健所によると、原因菌は症状から黄色ブドウ球菌、セレウス菌など5種類に絞り込まれている。
(99.12.31)
●山口で風味異常の牛乳回収
西日本新聞99年12月3日付によると、
山口県酪農農業協同組合は11月30日に製造した学校給食用牛乳と同じタンクで製造した牛乳を自主回収した。
各学校からイチゴのにおいやフルーツの味、甘いなどの指摘が相次いだことから。健康被害の訴えはないという。(99.12.31)
●堺市O157判決に関する記事
雑誌月刊EX99年12月号の「今月の判例」では、大阪府堺市のO157食中毒による児童の死亡に関する損害賠償裁判についてまとめている。
その中で、当該の判決について、現在の学校給食事業が「センター方式」を多く採用し、自校方式でも「一括購入」をしている例が多いため、
事故の発生が広範囲になりやすいと指摘し、コストの削減に対しては、生命・身体の安全についての検討を検討過程を含め情報公開し、
多くの人の意見を聞くことが必要であると指摘している。(99.12.31)
●武蔵野市私立小でおう吐、下痢
朝日新聞99年11月20日付けによると、東京都武蔵野市私立武蔵野東小学校で児童100人余りがおう吐、下痢、発熱などの症状を訴えた。
食中毒かウイルス感染の疑いで都が調査している。同小は、市内の給食業者が届ける弁当を食べているが、
同じ業者の給食を食べた他の学校や企業では症状はあらわれていない。(99.12.31)
●八王子市の幼稚園でおう吐、下痢
朝日新聞99年11月20日付によると、東京都八王子市の麻生学園南多摩幼稚園で園児、職員ら117人がおう吐、発熱、下痢などの症状を訴えた。
集団食中毒かウイルス感染の疑いがもたれている。昼食はカレーライスだった。(99.12.31)
●奈良県橿原市の水酸化ナトリウム混入事件
新聞各紙の記事をまとめると、99年12月7日、橿原市立真菅小学校の6年生のクラスで、給食のカレーライスを食べた児童4名の気分が悪くなり、
病院に運ばれた。給食前の授業で水酸化ナトリウム溶液を使用する理科の実験を行っていたが、
教師は溶液で渡すべき水酸化ナトリウムを粒状のまま児童に使用させていた。その一部8粒(1g)をひとりの児童が入手し、
被害を受けた児童の給食に混入しようとしたが、給食のカレー鍋にも混入。その結果、鍋の上部からカレーを受け取った別の3名も被害を受けた。
混入させた児童は補導、また県警は学校側の薬品管理について毒劇物取締法違反の疑いで調べている。水酸化ナトリウム(カセイソーダ)
は劇物指定を受けており、成人の最小致死量1g。(99.12.31)
●名古屋市内小学校でアルミ片混入事故
中日新聞99年9月付けによると、
名古屋市の桶狭間小学校で9月29日に給食中のおひたしに野菜裁断機の機械内ふたのアルミ片が3片混入した事故が起こった。
1年生の担任教諭が自分の給食で長さ1センチ、幅、厚み1ミリ程度の糸状破片を発見し、全校放送でおひたしを食べないようにと呼びかけた。
2年生、3年生のおひたしからも同様の破片が見つかったが児童は食べる前に発見していた。
野菜を一度にたくさん入れすぎるなどの原因で裁断機の刃が内ぶたに接触したと見られている。(99.11.21)
●佐賀県肥前町でパンに針
毎日新聞99年11月16日付によると、佐賀県肥前町の立入野小で11日の給食用コッペパンから、約3センチの針が見つかり、15日、
唐津署に届け出があった。事務職員が持ち帰ったパンを食べた際に見つけたという。パンは10日製造でポリ袋に個包装されている。
(99.11.21)
●愛媛県宇摩郡土居町で大規模食中毒
時事通信、毎日新聞、愛媛新聞などによると、愛媛県宇摩郡土居町で患者数904人(11月16日現在)の大規模な食中毒が起こった。2幼稚園、
5小学校、1中学校の児童、教職員ら904人が下痢や発熱などを訴える。県の調査では、
同町の学校給食センターがミキサーを十分滅菌せずに使用し、サルモネラ菌が調理した給食に広がったと発表した。
症状は11月8日夜からあらわれ、9、10、11日に大量の欠席者を出したにもかかわらず、
11日の朝に伊予三島保健所から食中毒の疑いを指摘されるまで給食は続行された。 同町学校給食センターは96年に新設、
約2200食を作っている。(99.11.21)
●川崎市内小学校で異物混入相次ぐ
神奈川新聞99年11月5日付によると、今年3月から11月1日までに神奈川県川崎市の市立小学校5校で計7件の異物混入があった。
うち5件が縫い針で2件が画びょう。パンやスープに入っているのを児童が見つけた。いずれもけがはない。とくに今年3件見つかり、
10月下旬に2件続いた南野川小学校では10月29日から給食を中止し、児童に弁当を持たせている。(99.11.21)
●佐賀県伊万里市、O157菌検出とセンター休業
毎日新聞99年11月18日付によると、佐賀県伊万里市の学校給食センターで調理員3名から病原性大腸菌O157が検出された。
3人とも症状はなく、児童生徒にも症状の訴えはない。3人は休職し、センターは同日から業務を自粛している。(99.11.21)
●炊飯業界でHACCP
日本農業新聞11月16日付けによると、炊飯業界では、
食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法にもとづく日本炊飯協会のハセップ設備認定がはじまっている。現在、7社が認定を受けた。●
color="#8080c0">(99.11.21)
●札幌市、洗い場と調理場を分離
北海道新聞99年9月29日付けによると、北海道札幌市教育委員会は、学校給食調理場を調理と食器洗浄で部屋を分離する方針を決めた。
校舎新設時や改築時に部屋を増設、調理場はドライシステムにする。現在は、今春開校した平岡緑中のみ。来年4月開校の星置中でも取り入れられる。
(99.11.21)
●広島県東広島で食中毒
中国新聞99年9月28日付によると、東広島市の市立西志和小学校で児童118人が9月23日から26日に下痢や腹痛などの食中毒症状を訴えた。
西志和小学校は自校式。(99.10.23)
●関西地区の生野菜使用進まず
東京新聞99年7月21日付は、病原性大腸菌O-157の集団感染から3年目としての特集を掲載。兵庫県、大阪府、
京都府の多くの学校給食で生野菜が出されていないことを報じた。また、果物も消毒可能なもののみという対応も多いという。(99.8.5)
●校庭のジャガイモ、食中毒に注意
西日本新聞99年7月17日付によると、福岡市東保健所、同市保健環境研究所は、ジャガイモの芽や皮などに含まれる有毒物質ソラニンについて、
子どもでは従来いわれてきた量よりも少量で中毒症状を起こす可能性があることを指摘する研究結果を発表した。また、
学校の校庭で理科の実験用などとして栽培されるジャガイモは未熟で小さなものがあり、注意が必要としている。福岡市では、
98年6月に6年生19人が食中毒を起こしたほか、99年7月にも同様の食中毒が発生している。(99.8.5)
●東大阪、大阪市の4私立幼稚園で食中毒
毎日新聞99年6月25日付によると、大阪市、東大阪市の4つの私立幼稚園で給食会社のお弁当を食べ、園児71人が食中毒を起こし、
男児2人が入院した。原因菌はサルモネラ菌。東大阪市の給食会社「村上給食」高井田工場が調理した6月7日の弁当が原因。
同工場は6月25日から5日間の営業停止。
●愛知県美和町、センターに金属探知器導入
中日新聞99年7月3日付によると、愛知県海部郡美和町では、小中学校の給食に金属片などの異物混入が相次ぐため、
5小中学校の給食をつくる町立学校給食センターに金属探知器を導入する。これまで、美和中学校で5月末にミシン針、6月はじめにプラスチック片、
6月中旬に美和小と正則小で針金状金属片とプラスチック片、6月28日に正則小で鉄製クリップが見つかっている。
町教委は2度給食を休止しているが、警察の調べで一部についてはセンターで混入したことが分かったため、金属探知器を導入することになった。
●茨城県土塔中央保育所、給食で食中毒
読売新聞99年7月4日付によると、6月24日頃から7月3日までに、茨城県守谷町の町立土塔中央保育所で、
乳幼児28人と職員7人が食中毒症状を訴えた。乳幼児らの便からサルモネラ菌が検出。症状は軽いという。県保健福祉部では、
保育所の給食が原因とみて調べている。
●製造元の衛生管理調査
北海道新聞99年7月8日付によると、札幌市教委は、市保健所、
学校給食会などと合同で市内の学校給食用加工食品メーカー10社を立ち入り調査した。食中毒防止が目的。市の食品衛生監視員、
学校栄養職員らが立ち入る。
●秋田・大潟中で食中毒
河北新報99年7月11日付によると、7月6日から8日にかけ、秋田県大潟村の大潟中学校で全校生徒100人中40人と教員2名が腹痛、下痢、
吐き気などの症状を訴えた。8人が病院で手当を受けた。2人からは病原性大腸菌を検出。大潟中では、7月5日、
6日に全校生徒参加の自然教室を田沢湖畔で行っている。県環境衛生課では、生徒らが田沢湖畔の沢水を飲んでいることからその分析をすすめる。
研修施設の食事が原因ではないとしている。
●塩釜市、独自の衛生管理マニュアル
河北新報99年7月12日付によると、塩釜市教委は、市独自の「学校給食従事者のための衛生管理マニュアル」を作成、
市内の給食関係者に配布した。塩釜市は13小中学校がすべて自校式で文部省の衛生基準では実態にそぐわないとして作成。
市の学校給食栄養士会が栄養士と調理員の検討で作成。老朽化している施設の実状にあった対応をしているという。
●和歌山で牛乳からO-157
東京新聞99年4月2日付、朝日新聞4月10日付他によると、和歌山市内で学校給食の牛乳を感染源とする病原性大腸菌O-
157による食中毒が発生した。和歌山市保健所が4月1日に発表。それによれば、市内小学校低学年の男児1名が3月24日頃からO-
157が原因とみられる下痢などの食中毒症状となった。男児は快方に向かっている。調査の結果、3月16日、18日の牛乳からO-
157を検出した。この牛乳業者の処理施設では、食品衛生法で義務づけられている殺菌時間と温度を自動的に記録する温度計の設置がなく、
記録もないなどの問題があった。
●異物混入事件まとめ3月20日現在
読売新聞99年3月20日では、文部省のまとめとして、針や画びょうなどの混入について報じている。
2月18日に岩手県内の小学校で起きて以来、全国20都府県で104件が発生、小学校95校、中学校9校。鹿児島27件、青森12件、愛媛9件、
岩手8件、兵庫7件となっている。うち1件のみ、児童が混入を認めたが、他は原因が特定されていない。(99.4.1)
●針混入、愛媛県
愛媛新聞99年3月11日付では、学校給食やスーパーなどで、ぬい針の混入事件があいついで起こっていることを報じている。松山市では、
小中学校48校に1日2万個のパンを納入している業者が、金属探知器を購入し3月8日より検査をはじめたが、
初日に1中学校で混入事件が発生している。その後、松山市内の小中学校では一時的にパンをやめ、米飯に切り替わっている。市教委では、
他のふたつある給食用パン納入業者にも金属探知器の導入を要請。しかし、業者側は、製造、納入過程での混入は考えられないとして困惑している。
(99.4.1)
●針混入、岩手県
読売新聞99年2月26日付では、県内の給食用パンなどに針が混入されたことを報じている。24日、二戸市の小学校でパンにまち針が混入。
25日、大迫町の小学校でパンにぬい針が混入。25日、岩手町の小学校でパンケーキにぬい針が混入。岩手県では、2月末より同種の事件が発生、
すでに14本の針が見つかっている。(99.4.1)
●針混入、栃木県
読売新聞99年2月26日付によると、足利市の小学校で、パンの中にぬい針が混入していた。(99.4.1)
●針混入、神奈川県
産経新聞99年3月5日付によると、4日、相模原市の小学校でパンの中にぬい針が混入していた。同市では、1日にもぬい針の混入があった。
4日、熊谷市の小学校でパンに木綿針が混入していた。4日、伯方町の小学校で、パンにぬい針が混入していた。(99.4.1)
●堺市、第三者機関による給食チェック
朝日新聞99年2月17日付によると、大阪府堺市教委が99年度より「堺市学校給食・衛生管理委員会」を設置し、
第三者機関として主に学校給食の衛生管理について立ち入り調査などを行い、市教委に報告する体制をとることを決めた。(99.4.1)
●堺市、給食ミスで101人を処分
朝日新聞99年2月20日付によると、堺市教委は、うどんにラーメン麺が混入するなどの給食関連ミスが多発していることを受け、
教育長をふくむ101人に厳重注意などを行った。市教委幹部、小学校長、教頭、栄養職員、調理員、市学校給食協会職員を対象としている。
(99.4.1)
[ 99/12/31 衛生管理 ]