環境ホルモンとは何か?
今、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)について関心が高まっています。環境ホルモン(内分泌かく乱物質)とは、
環境に放出された化学物質が生物内に入り、生体がもともと持っているホルモンと似た働きをして生体をかく乱したり、
生体のホルモン量を変化させたりし、その結果、生殖機能を阻害するなどにより、生殖を困難にしたり、生存にかかわるというものです。
現在のところ、その仕組みや、どの物質がどのような条件で引き起こすかなどの詳しいことは明確にはなっていません。しかし、
これまでの化学物質汚染とは異なり、
ごく微量でも生命が誕生し分化する大切な一時期に作用することで大きな影響を与えることなどが指摘されています。
人体に対しては、自己免疫疾患や神経系などの異常、精子の減少や不妊、ガンなどへの関わりが考えられ、また、野生生物のオスのメス化、
精子の減少、大量死、行動異常なども関連が指摘されています。
指摘されている物質としては、農薬や工業化学物質などが指摘され、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニール(PCB)、DDT、スチレン、
ビスフェノールAなど数多くの化学物質が挙げられています。
学校給食の食器では、ポリカーボネート製食器からビスフェノールAが溶出します。
また、缶詰の内側のコーティングからもビスフェノールAが溶出します。また、スチレンは発泡スチロールから溶出することが分かっています。
環境ホルモン(内分泌かく乱物質)については、すでに製造が中止されたものの食物連鎖などで生体内に蓄積されている物質や、
あらゆる生活の場面で使用されている様々な化学物質が対象となっており、すぐにすべてを排除することはできません。
食品保存に使われているものなど優先順位をつけて代替品に変えていくとともに、
社会全体が化学物質の無制限な放出をやめるようにしていく必要があります。
(学校給食ニュース3号 1998年6月)
[ 98/12/31 環境ホルモン ]