時事情報 1998年 環境関係ほか
●日量100kgを堆肥化
99年1月18日付の静岡新聞によると、静岡県田方郡韮山町の学校給食センターでは、
これまで生ごみとして焼却処分してきた給食の残さいを隣接する残飯処理施設で堆肥化する取り組みをはじめた。3小学校、
4幼稚園分の1,500食を作っているセンターでは、毎日70kg~100kgの残食と野菜くずが出るという。処理システムでは、
12時間の乾燥と3週間の発酵をへて堆肥化される。学校の花壇などの他、活用方法については課題としている。
(学校給食ニュース9号 1999年2月)
●堆肥化から野菜生産まで
98年11月20日付の産経新聞によると、東京都府中市では、99年4月から、生ごみを堆肥化し、地元農協が購入して野菜生産を行ない、
地域に野菜を供給する事業を開始する。給食センター、自校方式調理場4校、保育所15カ所の生ごみを、山梨県の業者が収集し、堆肥化、
府中市の農協などが堆肥を買い取り、野菜生産し、地元産野菜として学校給食などに活用するという。年間の総排出量が369トン(97年度実績)
あり、コスト削減にもなるため、今後拡大の方針。(学校給食ニュース9号 1999年2月)
●日野市が水田を守る政策
9月17日付け朝日新聞によると、東京都日野市は、
2000年度より市内の農家が生産する米の約半量にあたる20トンを毎年買い入れることにした。災害時の備蓄や学校給食用として利用する予定。
市内の稲作がこれ以上減少すると、水田と農業用水が荒廃し、市の緑が失われるために実施を決めた。なお、日野市は、
自然環境を保全するなどの目的で農業基本条例を定めている。(学校給食ニュース7号 1998年11月)
●残食利用の養豚
10月6日付け山形新聞によると、山形県鶴岡市では、学校給食の残食・魚市場のあらなどを利用して養豚飼料とし、
豚を肥育して市の学校給食センターで豚肉として使用するリサイクルシステムの実証試験を開始した。リサイクル事業の一環として、市が「エコ・
ピッグシステム計画」を構築、山形大学農学部に研究委託していたが、さる10月15日、16日に学校給食に初登場。市では、
来年以降の具体的な商品化などについて今後検討する。(学校給食ニュース7号 1998年11月)
●学校の生ゴミを堆肥販売
10月13日付け東京新聞によると、東京都豊島区では、
区内小中学校や区庁舎などから出る大量の生ゴミを肥料会社で成分調整した上で有機肥料として区内での販売を開始した。
区のオリジナル商品として区内循環をめざす。(学校給食ニュース7号 1998年11月)
●学校での塩ビ不使用努力要請採択
6月18日付け読売新聞などによると、東京都北区議会は、
6月17日の本議会で学校など公共施設が塩化ビニール製品を使わないようにするよう区に対し努力を求めた陳情を採択した。
政府に対して塩ビ製品の生産や使用抑制に関する意見書の採択は、多くの自治体で行われているが、自治体に対しての陳情採択は全国ではじめて。
このような動きが全国に広がるよう、環境ホルモンと合わせて運動を作っていきましょう。(学校給食ニュース5号 1998年9月)
●鹿児島県のゴミ焼却対策
6月6日付け南日本新聞によると、鹿児島県内96市町村のうち、61市町村の公立学校で学校でのゴミ焼却を中止しており、
対策をはじめているのが11市町村、24市町村が学校でのゴミ焼却を継続するということが県教委の調査で分かった。県教委では、
97年9月に公立学校での原則焼却中止を通知しており、県立学校90校は98年4月で焼却を中止している。
(学校給食ニュース5号 1998年9月)
●配送車に天然ガス車導入
大阪府泉佐野市の泉南陸運事業協同組合は市内の小学校・幼稚園への給食配送用に天然ガス車7台を導入し、新学期より運行をはじめた。
環境保護の視点から。(流通サービス新聞4月24日)(学校給食ニュース3号 1998年6月)
●学校焼却炉の使用取りやめ
福岡県北九州市では4月1日に市教委が焼却炉の廃止を打ち出した。これに先立ち、西小倉小学校では昨年夏に自主的に焼却炉を廃止し、
紙のリサイクルに取り組んでいる。(西日本新聞4月14日)(学校給食ニュース3号 1998年6月)
●生ごみ発酵処理機普及拡大へ
世界遺産に指定されている屋久島でも、焼却炉の代替として学校給食調理場に生ごみ発酵処理機が導入された。また、メーカーのひとつでは、
自治体と連動して住宅地に処理機を設置し、各家庭から設置場所(ごみ集合場所)に持参し、直接処分する実験もはじまった。
(日刊工業新聞 3月24日)(学校給食ニュース2号 1998年5月)
●東京都羽村市で、紙パックから瓶牛乳に
「羽村の学校給食を考える会」では、牛乳の紙パックを瓶にかえるよう一昨年に運動を開始、12月に市議会で誓願が採択され、
この新年度より瓶牛乳となった。(朝日新聞 4月2日)(学校給食ニュース2号 1998年5月)
●たい肥を野菜にして給食利用
東京都北区では、96年度までに全小中学校に生ゴミ処理機を導入、できたたい肥を群馬県甘楽町の有機農業研究会が使用し、
さらにその野菜を一部北区の学校給食に取り入れている。ゴミの分別や食べ残しの減少、理科の授業への応用などの効果を上げている。なお、
甘楽町と北区は姉妹都市として、交流を深めている。(読売新聞 2月23日、日本農業新聞 3月1日)(学校給食ニュース1号 1998年4月)
●使い切れずに有料回収
東京都台東区では、小中学校4校に導入しているが、たい肥を利用しきれずに業者に有料で引き取ってもらっている。そのため、
微生物により分解して下水に流す消滅型の導入を検討。文京区でも同様に98年度から消滅型を導入するという。(東京新聞 2月28日)
(学校給食ニュース1号 1998年4月)
[ 98/12/31 環境関係 ]