« 1999年12月 | 2000年12月 | 2001年02月 »
遺伝子組み換え表示制度(少しふるい)
初出記事が古いため、情報が現状と合わなくなっていることがあります。
最新の情報を別途入手してください。
農水省や厚生省は遺伝子組み換え食品がふつうの食品と内容成分は変わらない(実質的同等)として、 1996年に遺伝子組み換え食品が日本に輸入されるようになっても表示の必要性を認めませんでした。これに対して、 遺伝子組み換え食品の表示を求める市民の運動が全国に広がり、自治体の議会で表示を求める請願が数多く可決され、署名も全国から寄せられました。 その結果、まず農水省が安全性に問題はないが消費者が選択するために表示を行うとしてJAS法を改正して表示制度をはじめました。そして、 厚生省は遺伝子組み換え食品の表示を食品衛生法で行う方向で動いています。
農水省の改正JAS法による表示制度
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)が1999年7月22日に改正され、 遺伝子組み換え食品について表示することが決まりました。2000年3月31日に「遺伝子組み換えに関する表示の基準」が告示され、 表示制度がスタートしました。この表示制度は2001年4月1日以降に製造、加工、輸入、販売されるものから適用されることになっていますが、 すでに移行期間として多くの食品が対応しています。
●表示されるもの
「従来のものと組成、栄養素、用途等は同等である遺伝子組換え農産物が存在する作目(大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、
綿実)に係る農産物及びこれを原材料とする加工食品であって、
加工工程後も組み換えられたDNA又はこれによって生じたタンパク質が存在するもの 」については遺伝子組み換え品や不分別品を使用した場合、
表示が義務づけられます。
加工食品として対象となるのは以下の食品およびそれを主原料とした加工食品です。
豆腐・油揚げ類、凍豆腐、おから、ゆば、納豆、豆乳類、みそ、大豆煮豆、大豆缶詰・瓶詰、きな粉、大豆いり豆、大豆(調理用)、大豆粉、
大豆たん白、枝豆、大豆もやし、コーンスナック菓子、コーンスターチ、ポップコーン、冷凍・缶詰・瓶詰とうもろこし、コーンフラワー、
コーングリッツ、とうもろこし(調理用)
表示方法としては、
大豆(遺伝子組み換え不分別)
大豆(遺伝子組換えのものを分別)
大豆(遺伝子組換え)
などとなります。
●表示されないもの
「従来のものと組成、栄養素、
用途等が同等である遺伝子組換え農産物が存在する作目(大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、綿実)
に係る農産物を原材料とする加工食品であって、組み換えられたDNA及びこれによって生じたタンパク質が加工工程で除去・
分解等されることにより、食品中に存在していないもの」
つまり、遺伝子組み換えでできたタンパク質が分解しているから表示する必要はないとされるものは以下の通りです。これらの場合、
遺伝子組み換え品や不分別品を使用していても表示されません。また、これらを主な原材料とする食品についても同様です。
醤油、大豆油、コーンフレーク、水飴、異性化液糖、デキストリン、コーン油、ナタネ油、綿実油、マッシュポテト、ジャガイモでんぷん、
ポテトフレーク、冷凍・缶詰・レトルトのジャガイモ製品
●組み換えではないものの表示方法
遺伝子組み換え農産物を原料とした食品で遺伝子組み換え農産物ではない原料を使用した場合、
以下の表示ができます。表示をしなくてもかまいません。なお、遺伝子組み換え品であることを表示しなくてもよいものであっても、
遺伝子組み換えでないことを表示することはできます。
表示例
大豆(遺伝子組換えでないものを分別)
大豆(遺伝子組換えでない)
●表示制度の問題点
次のような問題点があります。
(表示しなくてもいいものがある)
まず、遺伝子組み換え農産物の原料を使っていても表示しなくていい品目がたくさんあります。
遺伝子組み換え技術によりできたタンパク質が分解されているから区別がつかないという理由で表示されませんが、
消費者が遺伝子組み換え食品を選ぶ、選ばないの選択には必ずしもタンパク質が分解されているかどうか、
つまり安全性への不安だけではないと思います。社会的に、自然環境への影響を考えて、遺伝子組み換え食品を認めない消費者にとっては、
表示が必要なはずです。現状では、任意表示で遺伝子組み換えではないことが表示できますので、組み換え品ではないものを選ぶしかありません。
(分別の限界)
遺伝子組み換え農産物と組み換えでない農産物が分別されていても、途中で混入したり、
とうもろこしのように遺伝子組み換えとうもろこしの花粉によって組み換えでないとうもろこしに遺伝子汚染が起こることがあります。そのため、
大豆では混入率5%と規定され、とうもろこしでは混入率が指定されていません。つまり、遺伝子組み換えでないものを分別してあるという表示でも、
100%ではない可能性があります。
(主な原材料)
表示義務がある加工食品でも、主な原材料として重量の5%以上で、原材料の上位3品目になるものだけが義務表示になります。つまり、重量が5%
以上あっても原材料の上位3品目に入らなければ、義務表示外になってしまいます。
このJAS法による表示制度は、遺伝子組み換え品が増えるなどの変化に対応するため1年ごとに見直すとされています。 より厳しい表示制度を求めていくことが必要です。
厚生省の食品衛生法によるもの
厚生省は、これまでガイドラインとして法的な拘束力がなかった遺伝子組み換え食品の食品としての安全審査について、 2000年5月1日付で関係省令、告示を改正することで義務化しました。2001年4月1日より施行されます。これにともなって、 2000年7月13日に出された食品衛生調査会表示特別部会は、食品衛生法による遺伝子組み換え食品の表示が必要であるとの報告をまとめました。 農水省のJAS法とほぼ同じ内容になりますが、こちらは、 安全審査を受けていない遺伝子組み換え食品が食品に入らないようにするという目的が加えられています。今後、この報告に従って法案がつくられ、 改正される見通しです。この表示制度も、JAS法の表示制度と同様の問題点があります。
(学校給食ニュース2000年10月号)
[ 00/12/31 遺伝子組み換え ]
遺伝子組み換えイネの研究開発
初出記事が古いため、
情報が現状と合わなくなっていることがあります。
最新の情報を別途入手してください。
(はじめに)
水田での稲作は雨が多く傾斜地が多い日本でもっとも作りやすく、また自然環境を守る土地の利用方法です。また、コメは、
主食として食文化のみならず、日本の伝統文化の中心にもなっています。コメは、近年輸入自由化によって自給率が少し下がりましたが、
減反政策で強制的にコメ作りをやめさせなければならないほど、自給しやすい作物でもあります。
そのためか、日本の政府・企業には、コメの分野だけは日本が世界をリードしたいという意欲があり、日本国内で海外の農薬メーカー、
バイオメーカーなどに協力して、遺伝子組み換えイネの研究開発をすすめています。すでに、
いくつかの品種が農水省によって作付を認められています。まだ、厚生省の食品としての安全審査を受けたコメはありませんが、今後、
安全審査に申請が出される日は近いと考えられます。
イネの遺伝子組み換えは、日本にとって大きな意味を持ちます。
ひとつには、日本で遺伝子組み換え作物が栽培される可能性があります。これまでのところ、
遺伝子組み換え作物は日本で商業栽培されていないと考えられます。それが、イネの場合には省力化などの理由で栽培されるかも知れません。
国内の自然環境への影響が考えれます。そして、コメを主食にする日本人は、遺伝子組み換えの長期的な人体実験を行うことになります。
ふたつめは、海外で日本向けの遺伝子組み換えイネが栽培され、それが安い価格で日本に輸出され、その結果、日本の農業が壊滅する可能性です。
すでに、日本の農業は輸入農産物やコメの価格下落によってとても厳しくなっています。このままいけば日本の農業がだめになり、
農地が荒れ果ててしまい、水害の多発など自然環境への影響も考えられます。また、不安のある輸入食品を食べさせられてしまうようになります。
さらに、コメはまだまだ国際的な農産物ではなく、貿易量も少ない農産物です。そのため、自給的作物と言われています。
遺伝子組み換えイネによって大規模作付が行われるようになると、コメも貿易品になり、
東南アジアなどの食料を日本などの経済大国がうばってしまうことにもつながりかねません。
(どこまで開発がすすんでいるのか)
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンが2000年8月現在でまとめたリストによると、すでに多くのイネが開発されています。
(同キャンペーン資料より)

●参考資料と市民の動き
(参考資料)

「いらない! 遺伝子組み換えイネ」パンフレット
遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン発行
1冊350円送料120円大部数の場合割引あり
問い合わせ 03-3711-7766
(日本消費者連盟内、同キャンペーン事務局)
|
|
「FOR BIGINNERS SCIENCE 遺伝子組み換えイネ編」
(天笠啓祐著 現代書館発行 1500円)
(学校給食ニュース2000年10月号)
[ 00/12/31 遺伝子組み換え ]
[ 00/12/31 BSE ]
海外の未承認とうもろこし混入事件
各種報道によると、アメリカのメキシカンファストフード「タコベル」ブランドのタコス用シェルに、
アメリカ政府が家畜飼料用のみ承認している遺伝子組み換え殺虫性トウモロコシが原料として混入していました。これは、
アメリカの環境保護団体が民間の研究所に調査を依頼し、その結果分かったもので、米環境保護局(EPA)と食品医薬品局(FDA)
も調査にのりだしました。
その結果、フィリップ・モリス社の傘下にあるクラフト・フーズがタコベルブランドで小売店販売しているものに混入していることを、
同社も独自に調査して確認しました。そして、全面回収を行っています。同商品はペプシコ社の子会社、サブリタス・メキシカリ社が製造したもので、
原料はトウモロコシ粉大手のアズテカ・ミル社が製造していたことがわかっています。
また、ファストフードチェーン「タコベル」は、小売り用のクラフト・
フーズ社商品とタコベル社の商品は製造方法が異なるとして回収はしないことにしています。ただ、今後仕入先を変えることも表明しました。
この殺虫性トウモロコシは、人間が消化分解しにくいタンパク質があり、
アメリカでは人間への安全性が確保できていないとして人間の食用に認められていません。1988年にアメリカで飼料用に承認されて、
「スターリンク」の商標でアベンティスSAが開発、販売しています。
クラフト・フーズ社は、回収にあたり、EPAに対し、食用が認められない作物の栽培を承認すべきではないなどの提言を提出しました。また、
アベンティスSA社も、種子の販売を食用として認められるまで中止する措置を発表しています。
なお、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンニュース39号によると、この遺伝子組み換えとうもろこしは、
同キャンペーンが国内で入手し検査を行った畜産飼料のなかにも存在していたとのことです。さらに、同キャンペーンと政府当局の担当者との懇談で、
「日本では食品としての確認も近い」という発言があったと報じています。
(学校給食ニュース2000年10月号)
追記:
さらに、国内でも一部この未承認とうもろこしが食品として流通していることが判明しています。(00年11月1日)
[ 00/12/31 遺伝子組み換え ]
時事情報2000年
●仙台市、遺伝子組み換え食品不使用方針
河北新報01年2月20日付によると、
仙台市教育委員会は、市立学校の給食食材に遺伝子組み換え食品を原則として使用しない方針を決めた。表示義務の24品は非組み換え品を使用し、
表示義務外の品目も可能な限り非組み換え品にするとしている。(01.03.05)
●上田市、非遺伝子組み換えの規格策定
信濃毎日新聞00年8月31日付によると、
長野県上田市教育委員会は、全国の異物混入多発や遺伝子組み換えを排除し、国産品を原則とするなどの方針で、学校給食向け食材納入規格をまとめ、
公表した。穀類や野菜など176品目に納入基準を明文化。安全性を重視したとして、豆腐類の大豆は国産、肉類加工品は保存料、合成着色料、
化学調味料を使わない、果実類は農薬散布の少ないものなどと明記。また、地場産食材指定もキノコ類などで行っている。(00.10.05)
●学校給食用油、コメ・ヒマワリ増加
食品新聞00年6月30日付によると、遺伝子組み換え食品を避ける動きから、学校給食の調理用油にコメ油やヒマワリ油を採用する例が増えている。
神奈川県川崎市は、4月から従来の大豆油をコメ油に切り替えた。遺伝子組み換え大豆を避ける安全性を重視するため。メーカー側も対応をはじめ、
コメ油大手のボーソーが積極的に学校給食への導入を進めている。また、日清製油がヒマワリ油を学校給食用に発売し、
ホーネンが学校給食用コメ油を発売するなどの動きもある。(00.7.10)
●名古屋で遺伝子組み換え食品を使用せず
中日新聞00年5月27日付によると、名古屋市教育委員会は食材調達機関に対し、学校給食用食材に遺伝子組み換え食品を使用しないよう指示し、
実施されている。対象は、農水省の表示義務対象となった食品であり、表示義務のない大豆油などは対象外となっている。(00.6.16)
●札幌市、非組み換え大豆へ
北海道新聞00年3月2日付けによると、札幌市は、新学期より遺伝子組み換え大豆を豆腐類から排除する。また、油、醤油なども将来変更する方針。
これにあわせ、給食費の保護者負担は年間170円値上げされる。(00.3.29)
●新潟県上越市、遺伝子組み換え使用せず
新潟日報00年3月15日付によると、
上越市は市内の小中学校食材に遺伝子組み換え食品を使用しない方針を決めた。油を米ぬか油に、醤油、豆腐などは原料を変更する。この結果、
2000年度より、年間700万円ほど費用がかかるが、予算を計上し、増額分を全額市で負担する。(00.3.29)
●長崎県、遺伝子組み換え食品の使用なし
長崎新聞00年1月19日付によると、長崎県学校給食会は、同会購入の大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、
トマト主原料の食品には遺伝子組み換え食品が使われていないことを確認したという。ただし、カナダ産フレンチポテトは調査中。なお、九州・
沖縄の各県学校給食会では遺伝子組み換え食品の使用禁止を申し合わせている。(00.3.29)
●岡山、広島、香川の遺伝子組み換え食材対応
山陽新聞00年2月21日付けは、岡山、広島、香川3県の学校給食における遺伝子組み換え食材への対応についてまとめている。
高松市学校給食会は、97年度より輸入大豆の味噌、
大豆とトウモロコシの加工品について輸入業者による非組み換え作物証明付きのものに切り替えた。
観音寺市給食センターも、99年より同様の対応をしている。
岡山県学校給食会は、実態調査中で、その後方針を決めるとしている。
広島県では、遺伝子組み換え作物の表示を求め、市町村に情報を公開するとしている。広島県学校給食会からは、
納入業者に使用中止を強くは言えないとの声もある。(00.3.29)
●山梨県上野原町、非組み換えの給食
山梨日々新聞99年12月17日付によると、山梨県上野原町は、2000年度より6小学校を対象にセンター方式での学校給食が実施される。
このセンター給食で、遺伝子組み換えでない食材をできるだけ使う方針を示した。同町では自校方式の3校で、
主に地元農産物を使った学校給食を行っている。。(00.2.26)
●松本市、非組み換えの給食
信濃毎日新聞99年12月15日付によると、松本市教育委員会は12月定例市議会で、小中学校、
保育園の給食に安全性が確認されるまで遺伝子組み換え表示のある食材は購入しないとの方針を示した。。(00.2.26)
●新潟県の遺伝子組み換え食材利用状況
新潟日報99年12月8日付けは、
県議会での報告として新潟県内の学校給食における遺伝子組み換え食品使用について報じた。教育委員会の99年10月調査によると、
県内112市町村中84市町村が「購入しない」「できるだけ購入しない」と回答している。「購入する」が6、検討中が17、無回答が5。
(00.1.27)
●北海道の遺伝子組み換え食材利用状況
北海道新聞00年1月14日付は、
北海道内の学校給食で遺伝子組み換え食材の取り扱いについてまとめた。それによると、使わない方針が人口10万人を超える道内10市中6市
(帯広、小樽、苫小牧、江別、北見、室蘭)、使う方針が4市(札幌、旭川、函館、釧路)となる。なお、
使用する4市は国の安全確認を根拠にしているが、札幌市などでは方針を見直す動きもある。(00.1.27)
[ 00/12/31 遺伝子組み換え ]
牛乳について考える1
学校給食に関する出来事で2000年にもっとも新聞などをにぎわせたのは、「牛乳」 についてでした。雪印乳業の食中毒事件以降、注目を集めた牛乳。静岡県の函南町にある函南東部農協の牛乳処理工場に協力していただき、 牛乳の基本的な知識を整理しました。
【牛乳と牛乳のようなもの】
白い飲みもの、牛乳。学校給食で出されているのは「牛乳」です。雪印乳業の食中毒事件で最初に問題になったのは「低脂肪乳」でした。 これは「牛乳」ではありません。牛乳と牛乳・乳製品を使った飲みもののについては、 厚生省の乳等省令や公正競争規約で種類の定義が決められています。
牛乳(成分無調整牛乳)…牛からしぼった生乳を加熱殺菌しただけのものです。なお、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8% 以上というきまりがあります。
部分脱脂乳…生乳の乳脂肪分を遠心分離器で一部分とりのぞきます。脂肪分が牛乳より少ないですが、カルシウム、 タンパク質などの成分はほとんど牛乳と同じになります。
加工乳…濃厚牛乳や低脂肪乳などの商品名で売られています。生乳、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、バターなどの乳製品が原料で、 牛乳に比べて乳脂肪分をふやしたり、乳脂肪分を減らすなどの加工処理が行われます。無脂乳固形分8%以上というきまりがあります。
乳飲料…コーヒー牛乳やフルーツ牛乳などの商品があります。生乳や牛乳、乳製品を主原料にして、乳製品以外のものを加えたものです。 なかには、カルシウムやビタミン、鉄分などを加え、見た目に白い牛乳のような乳飲料もあります。乳固形分3%以上というきまりがあります。
では、「牛乳」という商品名(表現)は定義上の「牛乳」だけに認められているのでしょうか。不思議なことに、乳脂肪分3%以上、
無脂乳固形分8%以上で、生乳が50%以上含まれていれば加工乳や乳飲料でも商品名に「牛乳」とつけるることができます。また、
コーヒー牛乳などの「色物」乳飲料については、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上であれば、生乳が50%入っていなくても商品名に「牛乳」
の文字が使えます。
また、「ミルク」「乳」の文字については、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上で使えることになっています。(公正競争規約)
なお、これらの表示は、製品に必ず記載されています。「種類」のところにあたりますので、スーパーなどでいろんな製品を見比べてみてください。
![]() |
![]() |
![]() |
●脱脂粉乳+バター+水=牛乳?
生乳から水分を抜き取ったものが「全粉乳」、生乳から脂肪分を取りわけ、水分を抜き取ったものが「脱脂粉乳」です。じゃあ、
全粉乳を水に溶いたり、脱脂粉乳と乳脂肪の固まりであるバター、それに水を加えたら牛乳になるのでしょうか。
牛乳は、牛の乳を搾ったものを加熱殺菌しただけのもので、水や添加物を加えると、牛乳ではなくなります。
このように脱脂粉乳+バター+水でできたものは「還元乳」と呼ばれます。
果汁の飲み物には、搾っただけの「ストレート」と、一度濃縮させたものを水で戻した「濃縮果汁還元」の2種類があります。しかし、牛乳の場合、
この「還元乳」を「牛乳」や「成分無調整乳」として販売すれば、処罰の対象になります。かつて全酪連のいわゆる「水増し牛乳」事件は、
まさしく生乳に粉乳と水を加えて調整していたもので大きな事件になりました。
その一方で、加工乳や乳飲料の中には、「牛乳」「ミルク」などの表示はないものの、あたかも牛乳のように販売されているものがあります。
学校給食に使用される「牛乳」は、加工乳や乳飲料でないため、基本的には本物の「牛乳」として安心できますが、
家庭などでこれらの牛乳のような飲みものを飲むことはあろうかと思います。牛乳と牛乳のようなものの違いについて知っておくことは大切です。
【牛乳の殺菌方法】
●殺菌方法
牛乳は牛の乳です。もともとは、母牛が子牛に直接飲ませるもの。
搾りだしてしばらくしてから飲むことは本来の自然状態ではありえません。だから、搾りだしてから時間とともに少しずつ品質は劣化します。
牛乳は栄養たっぷりの液体です。それは細菌にとっても栄養がたっぷりということです。乳酸菌のようないい菌も、
食中毒を起こすような菌も繁殖しやすい液体です。そこで、牛乳については、
まず原料の生乳について総菌数1ミリリットルあたり400万以下の基準があり、また、殺菌後は5万以下になるように食品衛生法にもとづいた
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」で定められています。また、殺菌方法についても「62~65度で30分間加熱殺菌するか、
またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌すること」と定められています。そして、
殺菌後は1ミリリットル中に5万以下の菌になることが求められます。
牛乳の殺菌方法は、大きく4つの方法があります。その中で、日本でもっとも多く採用されているのは超高温短時間殺菌法(UHT)です。
低温保持殺菌法(LTLT)…いわゆる低温殺菌で、62~65度・30分の殺菌を行います。
高温保持殺菌法(HTLT)…75度以上・15分以上で殺菌を行います。
高温短時間法(HTST)…72度以上・15秒以上の殺菌。世界的に一般的な方法です。72度15秒が主流ですが、80~85度・
10~15秒の殺菌方法もあります。
超高温短時間殺菌法(UHT)…日本で一般的な方法です。120~130度・2秒の殺菌をします。150度・1秒の殺菌もみられます。
●ホモジナイズ
この殺菌の前処理として、均一化(ホモジナイズ)を行うことがあります。
生乳には脂肪の粒が入っています。これを脂肪球といいます。生乳を静かに容器に入れて置いておくと、やがて上の方にクリームの層ができます。
ホモジナイズとは、この脂肪球をこわして小さくする工程で、これによってできた牛乳は置いていてもクリームが浮き上がったりしない、
均一なものになります。
超高温短時間殺菌の牛乳の場合には、必ず、この処理をしてあります。これは、均一化することで、牛乳の殺菌処理がやりやすくなるからです。
一方、低温殺菌の場合、ホモジナイズをしてあるものとしていないものがあります。ホモジナイズをしない理由に、
できる限り生乳に近い状態でパック詰め(瓶詰め)して届けるという目的があります。また、ホモジナイズをしない牛乳は、殺菌してあっても、
静かに容器に置いておけば、クリームが浮き上がり、上の方は濃い牛乳、下の方はあっさりした牛乳になるため、
使い分けなどもできるというメリットがあります。そのかわり、飲むためだけならば、
よく振ってから飲まなければ場所によって味が違うことになります。
●殺菌方法による栄養の違い
日本で一般的なUHTと近年増えつつあるLTLTについて比べてみると成分的な差はありません。
しかし、高温をかけるUHTの方は、カルシウムやタンパク質が熱変成を起こすことが知られています。また、ビタミン類は、
UHTの方が10~20%ほど少なくなります。
●殺菌方法による味の違い
日本で一般的な超高温殺菌の味に慣れていると、はじめて低温殺菌牛乳を飲んだとき「あっさりしている」「コクがない」
という感想を持つ人が多いようです。これは、高温殺菌の牛乳には色が変わるほどではなくても高温のためにいわゆる「コゲ」臭が牛乳につき、
これがコクとして感じられるのではないかと言われています。低温殺菌の方が、もとの生乳により近く、本来の風味があります。
●なぜ日本でUHTが主流なのか
もともと牛乳を飲む習慣がなかったところに牛乳の文化が導入され、また、栄養改善の目的で牛乳の飲用が進められた経緯があります。そのため、
かつては衛生管理上、生乳の品質に不安があり、より滅菌に近いUHTを殺菌方法として採用したようです。また、UHTの方が、
短時間に連続して大量に処理できるため乳業メーカーの経済性からもUHTが選ばれてきたと考えられます。
一方、世界的には低温殺菌が主流ですが、これは、背景に牛乳の文化があると考えられます。よく刺身にたとえられますが、
刺身を熱で殺菌して食べることはありません。それと同様に、牛乳はより搾りたてに近い状態で飲んだ方がおいしく、
最低限の加熱にとどめて風味を損なわないようにしたいという考えに根ざしているようです。
【牛乳の衛生問題】
牛乳の安全性、衛生面については、大きくふたつに分けて考えられます。ひとつは、酪農家が牛を育て、乳を搾り、牛乳工場に運ばれるまで。
もうひとつは、牛乳工場で殺菌などの処理をして容器に詰め、販売し、消費者が飲むまでです。
まず、搾って牛乳工場に運ばれるまでですが、生乳の受け入れにあたっては、乳等省令をもとに、細菌数の確認、乳脂肪分など成分の確認、そして、
抗生物質反応の確認をします。抗生物質の反応を検査するのは、牛の体調が悪く投薬をしたときなど、
投薬終了後3日間は乳を出荷しないことになっていますが、牛の乳は毎日朝晩搾りますので、万が一混入することのないようにするためです。
これは酪農家ごと、搾るたびに調べています。
次に、殺菌後の検査ですが、脂肪分、無脂固形分や細菌数、大腸菌群の有無について確認します。また、官能検査として風味を確かめます。
なお、この細菌数の検査には約18時間ほどかかるため、製造後早くても翌日にしか店頭に並ぶことはありません。学校給食の牛乳でも同様で、
パック詰めした翌日、細菌数検査が終わってから配送されます。
牛乳そのもので衛生上問題になるケースとしては、保管や配送などの際に温度管理が適切ではなく、温度が高くなって菌が繁殖し、
乳酸発酵で酸味がしたり、そのほかの菌で異臭がする場合が考えられます。また、瓶などの場合で、洗浄時の塩素が残留し、
牛乳ににおいが移って異臭が起こるなどの事例がありました。
なお、牛乳についての衛生基準は他の食品よりもはるかに厳しく、生乳段階、殺菌後の段階で菌数、抗生物質などの検査が毎日行われています。
牛乳・乳製品の事故が起こるたびに、酪農家が「自分たちは衛生面をきちんとしているのに、どうして工場などでこのようなことが起こるのか」
と怒りを見せますが、これは、生乳段階で抗生物質反応などが発見されると、単に買い取りを拒否されるだけでなく、損害賠償を要求されるなど、
厳しい衛生管理を求められており、それに対応している自信があるからです。ですから、牛乳は、牛乳工場での「ごまかし」
や配送時の温度管理ミスなどがない限り、基本的には安全性が高い食品です。
【牛乳加工場見学】
●丹那牛乳~函南東部農協
函南東部農協は静岡県函南町丹那にあります。この周辺は丹那盆地として標高が高く、土地がやせているため野菜や米、
果物などの生産に適していません。そのため古くから酪農が盛んで100年を超える歴史を持っています。函南東部農協の生産物は、牛乳・
乳製品が中心になっています。
今回、「丹那牛乳」を生産する函南東部農協に取材をお願いしたのは、
牛乳処理工場が低温殺菌と日本で一般的な超高温殺菌の両方を取り扱っていることと、生産者と近く、消費者団体との古くからの付き合いがあり、
取材の目的をお話しして快諾していただけたためです。お話しは、製造部長の橋本正雄さんにうかがいました。
まず、はじめに取材先の函南東部農協牛乳処理工場(以下、丹那牛乳)について紹介しましょう。
丹那牛乳の工場は、函南町の丹那盆地の中心部に位置します。丹那盆地は、温暖な静岡県の中では標高が高く、土地がやせているため、
古くから野菜や果物などの農作物よりも酪農がさかんでした。酪農の歴史は古く100年を超えるといいます。現在、
丹那盆地には45軒ほどの酪農家がいます。丹那牛乳は、1955年(昭和30年)に創業しました。
それまで酪農家は大手の乳業メーカーなどに生乳を販売していましたが、買ってくれるときと買ってくれないときがあったため、
生産者団体である農協で生産者が中心となって自分たちの生乳を自分たちで加工して安定的に販売するためにできたといいます。また、
1981年に消費者団体から低温殺菌牛乳を作って欲しいとの要望があり、取り組みをはじめました。
学校給食については、現在県内東部を中心に133校に直接配送しています。給食センター方式の学校でも、
牛乳だけは直接学校に配送しているとのこと。そのため、給食センター方式の方が配送先が多くなり、
実際には学校給食関連だけで140カ所以上に配送しています。この学校給食用牛乳は、いずれも紙パックの製品で、低温殺菌ではありません。
丹那牛乳は、消費者との交流もあり、見学会が行われます。その回数は、小学校の社会科見学を含め年間約150回!
「2~3日に1度は誰かを案内しています。なかには、牛乳をおさめていない学校からも社会科見学したいと言われて案内することもあります」
と橋本さん。丹那牛乳には牛乳工場の各工程を2階からガラス越しに見学できるコースがつくられていて、作業中でも、衛生面に影響なく、
いつでも見学できるようにしつらえてありました。
●牛乳の距離
橋本さんに丹那牛乳の一番の特徴は何かと聞いたところ「酪農家と牛乳工場の距離がとても近いことです」との答えが返ってきました。
たしかに一番近い酪農家は牛乳工場から100メートルも離れていません。牛乳工場が盆地の中心部にあるため、
どの丹那盆地周辺のどの酪農家からも近くになるのです。
また、函南東部農協以外でも御殿場や三島、伊豆といった酪農家から生乳が届けられますが、いずれも函南町の周辺です。
先日、ある首都圏の牛乳処理工場を取材したときには、その処理工場の周辺酪農家だけではなく、
北海道をはじめ関東のいくつかの県から生乳が定期的に届けられているとのお話しでした。
それに比べれば、たしかに丹那牛乳はとても酪農家と牛乳工場の距離は本当に近いのですが、それが一番の特徴になるようなものなのでしょうか。
「牛乳は生鮮品です。新鮮な搾りたての生乳は、新鮮なうちに工場に運び入れて、新鮮なうちに製品にした方がいいのです」と橋本さん。
現在は、冷蔵技術や配送便の技術が進んだため、北海道の生乳を首都圏で殺菌し、パック詰めして出荷するなど、乳を搾ってから殺菌、
パック詰めするまでに長い距離を旅することが多くなっています。資料などを読んでいても「品質にはほとんど変化がありません」とあります。
しかし、実際には、丹那牛乳のような地域密着の場合、搾乳から殺菌までに1日か2日しか時間がかかりません。丹那牛乳の場合、
最大で1.5日ぐらいだといいます。それに対して、遠距離の場合3日以上かかることもあります。
「1ミリリットルに3万以下の一般生菌数というのが丹那牛乳の生乳受け入れの目標値です。たとえば、今日搾乳して3万だった生乳と、
3日前に搾乳して冷蔵保存し3万のままだった生乳があるとします。検査しても菌数は同じ3万です。ところが、
その菌がいる牛乳には変化が起こっています。3日間の間に、菌は分裂し、死に、老廃物を出します。毒素を出していなくても、変化は起きています。
だから、生乳が新鮮であり、殺菌までの時間が短ければ短いほどよいのです。安全性だけでなく、新しい方が風味もよいです」
と橋本さんが説明します。
さらに、「搾りたての生乳には、自己殺菌作用があります。いわゆる免疫的な効果です。免疫力の弱い生まれたばかりの子に授乳するため、
ある程度の免疫的効果があるのだとされています。ただ、生乳の場合だいたい24時間ぐらいしか効果は持続しないため、
できるだけ早くその後の殺菌をしたほうがいいのです」と、新鮮は安全につながることを強く訴えます。
余談になりますが、子牛を産んだばかりの母牛が最初に出す「初乳」は生乳として出荷せず、子牛に飲ませるそうです。というのも、
子牛に免疫力をつける意味もありますが、初乳は熱に対する抵抗性がないため、加熱すると凝固してしまうからだとか。
一口に牛の乳と言ってもいろんな性質があります。
●酪農家と牛乳工場
先に述べたとおり、丹那牛乳は酪農家が生乳の買い入れを安定させるために自らつくった加工場です。牛は毎日朝夕搾乳します。
夏には乳脂肪が少なく、冬には乳脂肪が多くなり、乳量も季節によって変化しますが、年間を通して乳は毎日出ます。
品種改良によって乳をたくさん出すようになっている乳牛は搾らなければ乳房炎などの病気にかかってしまいます。そこで、
毎日生産した量を安定的に引き取って加工することは酪農家にとって重要なことになります。
その意味で、丹那の酪農家は恵まれている方です。それでも、この25年で100戸あった酪農家は半分以下になりました。ただ、
牛の数は以前よりやや多くなっています。つまり、大規模化が進んでいるのです。大規模にならなければ経営が成り立たないようになりました。
その理由はいくつかあります。ひとつは、副収入として子牛や乳を搾らなくなった牛を肉として販売していましたが、
その価格が輸入などによって急落したことです。それにより経済的に苦しくなりました。もうひとつは、牛乳の価格です。牛乳は卵と並んで
「物価の優等生」と言われています。今では、ミネラルウォーターより安い価格で販売されることもめずらしくなくなりました。さらに、
大手乳業メーカーなどが、牛乳では利益が出せないため、加工乳や乳飲料といった原価が低い製品を積極的に販売するため、
本当の牛乳がつられて安くなっている側面もあります。牛乳の価格低下は、生乳の価格低下につながります。
ただでさえ、休みのとれない畜産業は、次第に追いつめられています。
●低温殺菌部会
丹那牛乳では、低温殺菌と一般的な超高温殺菌の牛乳を製造しています。丹那牛乳の生乳目標は生菌数1ミリリットル中3万以下ですが、
超高温殺菌の牛乳の場合、現状では5万ぐらいの生乳もあります。それでも公的な基準の総菌数400万以下よりははるかに少ない「きれいな」
生乳です。さらに、低温殺菌の場合にはより厳しい基準が決められています。ひとつには、牧草栽培のときに、農薬の除草剤をまかないこと、そして、
乳脂肪分3.6%以上、無脂乳固形分8.4%以上あり、生菌数3万以下でなければいけないことになっています。現在、
この条件を満たして低温殺菌部会に参加している生産者は12戸あります。
低温殺菌部会の使っている飼料のうち一番量が多い輸入トウモロコシについては、遺伝子組み換えでないこととポストハーベスト(収穫後)
農薬が使用されていないことが確認されたものを使っています。
もちろん、低温殺菌部会以外の生産者にも遺伝子組み換えでないもので、ポストハーベスト農薬不使用のトウモロコシを使用をすすめ、
少しずつ切り替えが進んでいます。
低温殺菌牛乳の方が、より生乳の品質に近いのは、低温殺菌牛乳そのものが消費者との話し合いの中で作られはじめたことと、酪農家が、
自然に近い、安全性のより高い状態の牛乳が欲しいという消費者の要望に積極的に応えようとしているからです。
なお、丹那牛乳では、低温殺菌の場合、殺菌後の一般生菌数は0~1ケタがふつうで時に2ケタになるそうです。一方、
超高温殺菌の場合も0~1ケタのオーダーがふつうで、3ケタが出るようなときには原因を調べるそうです。
乳等省令では5万以下であればよいとされています。一般の牛乳でも同様で、製造直後はほとんど菌が検出されることはありません。
●学校給食の牛乳
丹那牛乳の場合、133校に牛乳を配送しています。これを量に換算すると1日あたり1万2千キログラム(12トン)になります。つまり、
学校給食がある日と、給食がない日には1万2千キログラムの差が生まれます。そこで、丹那牛乳では、
牛乳などとして出荷できなかった牛乳を全粉乳にします。つまり、牛乳を乾燥させて粉にします。
もちろん、学校給食のある日、ない日の差でうまれる余り分(余乳)だけでなく、季節や日によって注文の多い少ないがあります。
年間にすると4万5千キログラム分の全粉乳となるそうです。この一部やヨーグルトなど工場でつくられる乳製品に利用されますが、多くは、
販売して、冷凍食品のグラタンやパン、お菓子、ホワイトチョコレートなどの原料になります。
大きな乳業メーカーの工場などでは、全粉乳だけでなく脂肪分を抜いた脱脂粉乳が余乳対策につくられます。脱脂粉乳の方が、
脂肪分を抜いてあるために品質の劣化が遅く、長く保存できます。
丹那牛乳では学校給食以外に返品は受け付けず、学校給食の返品分については、配送ドライバーに協力してもらい、マジックなどで分別して、
そのまま工場内の排水設備に廃棄処分しています。「安全性を考えたら、返品分は使えません。というのも、
10度以下という温度管理が徹底している保証はなく、万一病原菌などが繁殖し、毒素が生成されていたら大変なことになりますから」と、
橋本さんは語ります。
学校給食で牛乳を必要とする日と、しない日があること、消費者が季節によってたくさん牛乳を利用したり、利用しないなど消費に変動がある以上、
全粉乳や脱脂粉乳の生産は不可欠です。そして、これらを使った乳製品を作らなければ酪農家や乳業メーカーが困ることになります。つまり、
脱脂粉乳や全粉乳を使った乳製品=まがいものとするわけにはいかないのです。これは牛乳問題を考えるとき忘れてはならない視点です。
さて、丹那牛乳が学校に配送している牛乳は紙パックを使用しています。数年前までいくつかの学校では瓶を利用していたそうですが、学校側から
「瓶では重たいので」との理由で、紙パックに切り替えが要請され、今ではすべて紙パックになっています。
また、丹那牛乳の学校給食用牛乳は一般的な超高温殺菌で、低温殺菌ではありません。そこで、低温殺菌にはできないかどうか聞いてみたところ、
「今のところそのような要望はありません。量的には今の低温殺菌部会だけでなく高い品質の生乳を搾る酪農家がいるので、問題ありません。しかし、
低温殺菌用の第2工場には小さなパックを充填する機械がありません。もし、本当に要望があっても、
この追加設備にかかる費用を考えるとすぐには対応できないと思います」とのことでした。
【牛乳には個性がある】
「牛乳」と一口で言っても、牛乳と牛乳のような飲み物の違い、生産地、酪農家の違い、季節の違い、処理方法の違い、
パッケージの違いなどもあります。
酪農地帯が近くにある地域では、地場産の牛乳を飲むことができる可能性があります。
東北のある酪農地帯で、かつて、学校給食にその地域以外から来た牛乳が出されていました。そこで酪農家たちが働きかけて、
地元の牛乳工場でつくった地場の牛乳を学校給食にとりいれることができた例があります。
子ども達が学校で飲んでいる牛乳の牛はどこで育てられ、どこで処理されている牛乳でしょうか。そして、
住んでいるところから一番近い牛乳工場と一番近い酪農家はどこにあるでしょうか。
2000年の夏から秋にかけて、牛乳への不信の目が注がれました。しかし、不信の目だけでは、解決は生まれません。また、
HACCPのマークがついているから、公正のマークがついているから、では安全の根拠にならないことを、私たちは学びました。
「牛乳はどれも同じではない」「牛乳には個性がある」
さらに、「牛乳には牛乳だけでなく、牛乳のようなものまである」このことをふまえて、まず、学校給食の牛乳について調べて見ませんか。きっと、
そこから、牛乳への信頼と対話が生まれるはずです。
補足説明:
公正競争規約…景品表示法に基づき、公正取引委員会の認定を受けて、業界において設定している自主ルール。飲用乳については、
全国飲用牛乳公正取引協議会(牛乳公取協)による、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」(飲用乳表示規約)があります。
この規約などにもとづいて表示された牛乳の容器には「公正マーク」がつけられています。
品質保持期限・消費期限…かつては製造日表示でしたが、現在は品質保持期限や消費期限表示になりました。
品質保持期限は、期限が切れても急速に品質劣化が進まない品に用いられ、消費期限は、
期限が切れたら急速に品質劣化が進む品に用いられることになっています。一般的に低温殺菌牛乳の消費期限が製造後5日、
超高温殺菌牛乳の品質保持期限が製造後8日ぐらいです。丹那牛乳の場合、低温殺菌牛乳で消費期限7日(製造日を含む)、
超高温殺菌牛乳で品質保持期限8日としています。
近年、強い殺菌や容器の滅菌によって品質保持期限を12~14日ほど長くした牛乳も一部で売られています。
これとは別に常温保持可能なLL(ロングライフ)牛乳というのもあり、こちらは、製造後4カ月は品質が保たれるとされています。しかし、
殺菌方法などで牛乳の風味や栄養に問題があるため、このLL牛乳導入時には大きな反対運動が起きました。
[ 00/12/31 牛乳 ]
牛乳について考える2
2000年の6月末~7月に起きた戦後最大の食中毒事件である雪印乳業乳製品食中毒の経緯と学校給食にもたらした影響について特集します。 この事件は、雪印乳業大阪工場の低脂肪乳など乳飲料、乳製品が黄色ブドウ球菌の毒素エンテロトキシンに汚染されていて、 それ飲んだ15000人近い人が食中毒症状になったというものです。幸い、学校給食で使われているのは低脂肪乳などの乳飲料ではなく牛乳であり、 これによる食中毒はありませんでした。しかし、その後の雪印に対する不信や工場操業停止などで学校給食現場にも混乱が生じ、影響を受けました。 また、牛乳、乳製品に対しての不安感がうまれました。そこで、牛乳、乳製品についての基本的なまとめを行い、その上で、 事件についてまとめることとしました。
●雪印乳業食中毒事件事件の経緯
2000年6月27日午前、大阪市の保健所に雪印の低脂肪乳を飲んだ5歳の男児が食中毒症状を起こしたと連絡が入りました。同じ頃に、
雪印にも和歌山市で子ども3人が食中毒症状を起こしたとの連絡が入りました。その後、大阪市、兵庫県西宮市などで同様の報告が相次ぎます。
6月28日午後、大阪市が雪印大阪工場に立ち入り検査し、原因不明のまま低脂肪乳の製造販売自粛と原因の追及、
品質保持期限が7月2日までの製品の回収を指示します。
6月29日朝、雪印は、7月5日付までの製品の回収を決定します。
6月29日午前に、大阪市は自主回収だけでなく社告、店頭表示を求めます。これに対する雪印の回答が遅れた上、
雪印が午後2時に公表したいと大阪市の保健所に伝えたところ、今度は保健所側が発表のタイミングを揃えて欲しいと要請。結局午後4時頃に大阪市、
雪印から食中毒の発生が公表されました。
その後、食中毒の被害報告が相次ぎ、最終的に厚生省と大阪市の原因究明合同専門家会議の最終報告書では、13420人
(厚生省9月21日発表時14894名)の被害者が食中毒症状に苦しみました。
雪印大阪工場は7月2日に営業禁止処分を受けます。その後、4日に、同工場の他製品にも食中毒の可能性があるとして自主回収を指導し、
5日より同工場の全製品が回収対象になります。
7月5日、金沢市で学校給食用の雪印製生クリームで雪印大阪工場の包装に雪印多摩工場のシールが貼られていたことが分かり、
多摩工場の製品で中身に問題はありませんでしたが、対応の遅れが指摘されました。また、
雪印日野工場では貯乳タンク設置の届け出が東京都に出されておらず、洗浄記録が残っていないことを都が指摘、同タンクの使用を禁じます。
事件後近畿圏のスーパーなどではじまっていた雪印製乳製品の店頭撤去が、この出来事をきっかけに全国に波及します。
7月10日、大阪工場で返品された乳製品の再利用を行っていたり、
乳製品の成分調整を屋外で行っていたことが大阪市の調査として発表されました。
7月11日夜、雪印は全国で乳飲料などを製造する工場を一時停止し、全工場で点検作業を行った上、再開すると発表し、
12日より順次工場は操業を停止しました。
7月25日に厚生省が10工場の安全宣言を出し、その後、他工場も安全宣言が出され、操業再開、スーパーなどでの販売再開となりました。
●事件の原因
ところが、
8月18日になって北海道の雪印乳製品製造工場である大樹工場の脱脂粉乳から黄色ブドウ球菌によるとみられる毒素エンテロトキシンが見つかり、
これが大阪工場で使用されて食中毒事件につながった可能性が大阪府警より出されます。
その後の調査で、大樹工場では、2000年3月31日に停電事故があり、
その際に脱脂粉乳の製造ラインで黄色ブドウ球菌が繁殖していたことが判明しました。一般生菌数が基準を超えていたにもかかわらず、
一部は脱脂粉乳として製品化されます。また、残りは再溶解されて再使用、再生品にされます。
菌は殺菌されていたものの毒素は脱脂粉乳に残っていました。そのことを工場では認識せずに、脱脂粉乳は出荷されていました。さらに、
その脱脂粉乳の一部は製造日が改ざんされ、品質保持期限が先延ばしになっていました。また、大樹工場、大阪工場ともに脱脂粉乳の入荷、
出荷の記録があいまいだったり、記入されていない、間違ってつけられているなどずさんなものになっていました。
担当者の証言もあいまいなものだったと報じられています。
その結果、大阪工場を捜査した大阪府警も当初、低脂肪乳の原料がどこから来たのか、いつのものなのかなどが分からず、
配送業者の伝票などを頼りに大樹工場に行き着き、毒素を検出するまでに約1カ月が過ぎていました。また、雪印、北海道の調査でも、
3月31日の停電による製品の調査は行われておらず、大樹工場は問題ないとして操業を続けていました。
これにより大阪府警は、業務上過失傷害容疑で雪印本社などの強制捜査に乗り出します。そして、前社長を含め関係者を、
対応の遅れによる被害の拡大と、毒素生成原因となった大樹工場の責任により業務上過失致傷容疑で書類送検する方針です。
12月20日、厚生省と大阪市の原因究明合同専門家会議は最終報告を発表、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌の発生・
増殖は北海道の大樹工場で起こり、毒素エンテロトキシンが脱脂粉乳に残っていたことが大阪工場製乳製品での食中毒につながったとしました。また、
大阪工場については、衛生管理、運営の問題を指摘しつつも、食中毒原因からははずしました。
12月22日、厚生省・大阪市の最終報告を受けて雪印は社内調査報告を発表します。ここでは、
7月3日までには大樹工場製脱脂粉乳の入荷を確認していたこと、
社内の分析センターでエンテロトキシンの調査をしたが4月10日付大樹工場製脱脂粉乳からの検出ができなかったこと、
この時点で停電事故と再溶解により製品使用を分析センターが把握していなかったために詳細な調査を行わなかったことが、
原因判明を遅らせる結果につながったとしました。また、「事故直後の対応において、社内の情報伝達・確認に手間取ったこと、
原因が不明であることにとらわれ、既に販売されお客様の手元にある製品にまで考えが至らなかったこと、保健所の要請の履行のみを考え、
社告掲載以外の告知手段に思い至らなかったことなどにより、結果として、製品の回収とお客様への告知の間にずれが生じてしまい、
多くのお客様に非常な苦痛を生じさせてしまった」として社内体制の不備を指摘しました。
●食品事故には情報公開を
今回の食中毒事件でもっとも問題とされたのは事故発生後の責任者らの対応のまずさでした。初期にもっとも必要な告知・
回収の遅れが食中毒の規模拡大につながりました。さらに、原因究明への熱意が見られませんでした。
経営などへの影響を最小限におさえようとする意識が先に働き、さらに、
HACCPなど衛生管理には自信があるという過信が正しい原因究明までに無用な混乱をまねきました。
学校給食関係でいえば、1998年3月に学校給食で出された冷凍ケーキによるサルモネラ菌の食中毒がありました。このときは、
1159人が被害にあっています。3月12日、13日に東京都昭島市で発生、その後、16日、17日に神奈川県秦野市、相模原市、岩手県宮守村、
さらには、18日に福井県武生市で発生するという事故がありました。これはいずれも1社が3月頭に製造したもので、
情報の伝達が早ければ食べさせないなどの対応ができ、後半の事故は防げたはずです。
食中毒などの食品事故は、決して起こしてはならないものですが、絶対起こらないものではありません。
起こさないための万全の対策は常に必要ですが、合わせて、万が一起こったときにどのような対応をとるべきか、事前に準備しておくことも必要です。
事故が起こってから対応方法を検討していては被害は拡大します。食品事故が起こったときの対応を話し合ったからといって、
衛生管理がきちんとしていないことにはなりません。むしろ、衛生管理をきちんとすればするほど、万が一の対応についてもきちんとすべきです。
もし、食品事故への対応方法を定期的に確認していない調理場、学校、教育委員会がありましたら、
定期的な確認に取り組んでいただきたいものです。
●学校給食への影響
2000年夏、雪印食中毒事件は学校給食にも大きな影響を与えました。1学期の終わり、雪印大阪工場製牛乳からの変更、
雪印製牛乳からの変更を余儀なくされたり、また、雪印製乳製品を使わないために献立の変更を行ったりしました。他社の牛乳に変えたところ、
異臭さわぎが起きたというところもありました。
特に、大阪市都島区内9小学校、1定時制高校では次々に牛乳メーカーが変わる事態になりました。6月までは雪印乳業大阪工場の牛乳を使用し、
雪印大阪工場の食中毒事件を受けて、7月1日より、森永乳業近畿工場(兵庫県西宮市)の牛乳に切りかえました。7月12日、
その牛乳で異味異臭が発生します。洗浄時の次亜塩素ナトリウムが残っていた可能性がありました。13日は、急きょミカンジュースで対応します。
13日午後1時頃、大阪市教委は京阪牛乳(大阪府寝屋川市)への変更を決定しますが、
京阪牛乳で製造された1リットル入りパック牛乳から酸味などの異味苦情が発生し、13日に自主回収をはじめました。その結果、午後3時頃、
大阪府から大阪市教委に京阪牛乳の配送ができなくなったと連絡が入ります。同日中に、大阪市のいかるが牛乳への切り替えが決まり、
14日よりいかるが牛乳になりましたが、3日目の配送となる18日、いかるが牛乳製造の乳酸菌飲料について異味異臭がするとの苦情があり、
大阪市教委は学校給食への牛乳納入自粛を要請。その結果、18日は市販のお茶などが出され、1学期の給食を終えました。
このケースをはじめ、様々な対応が全国で行われ、雪印以外の食品事故などもあって、総じて牛乳への不信が広がりました。
学校給食と牛乳に関わる事例を新聞等から拾い出しました。
--------------------------------------------------------------------------------
6月
6月30日、大阪府、奈良県は、3日より雪印乳業大阪工場製学校給食用牛乳を森永乳業近畿工場に変更した。合計で1日約39000本。なお、
30日の給食は、雪印側の申し入れで雪印乳業神戸工場分が納入されていた。兵庫県は、3日より雪印乳業神戸工場の供給分を共新乳業、
森永乳業近畿工場に変更する。1日約66000本。(日本食糧新聞)
--------------------------------------------------------------------------------
7月
7月1日、大阪府は、雪印乳業大阪工場の牛乳を使用していた大阪市、吹田市など58校で他社製に変更した。(毎日新聞)
7月4日、愛媛県松山市、雪印製乳製品の使用を見合わせ。(愛媛新聞)
7月5日、京都市は給食用牛乳を雪印製から他社製に切りかえた。(京都新聞)
7月5日、石川県金沢市で雪印乳業製生クリームのパックに、製造工場多摩工場のシールが貼られ、下から大阪工場の文字が出てきた。 小学校の栄養士から報告を受けた市教委は、中央給食センターと6小学校で生クリームを使ったカレースパゲッティを中止、急きょ献立を変更。 調理が終わっていたところでは、献立が減った。中身は多摩工場製で、発注が増えたためパッケージが間に合わずシール対応した。 金沢市教委は不信を示し、雪印製品の使用を見合わせるという。(朝日新聞)
7月5日、石川県学校給食会は、雪印乳業北陸工場の牛乳を使用している県内30校について、使用継続する。各校には、 大阪工場製の乳製品が使用されていないか注意を呼びかけた。(北國新聞)
7月5日、神戸市教委は6日より市内177校の給食で雪印の乳製品使用を取りやめることを決定。牛乳は他社製品を使用していた。 (産経新聞)
7月5日、大阪府は、雪印乳業の全製品を対象に、大阪市が雪印乳業大阪工場に対する営業禁止処分を解除するまで使用中止を決定した。 学校給食や売店などでの納入をしないよう各業者に指示。(朝日新聞)
7月5日、大阪府池田市は3日にさかのぼり1年間、豊中市は3カ月、雪印乳業を指名停止にした。(日経新聞)
7月5日、京都府教委は、府立学校の給食、売店などで雪印乳業製品の販売中止を決めた。奈良県は、 雪印乳業大阪工場に出していた学校給食用牛乳の供給事業者資格を取り消した。(朝日新聞)
7月5日、京都市教委は、新たにチーズ、ヨーグルトなど8品目について雪印製品の使用中止を決めた。(産経新聞)
7月6日、東京都教委は、日野工場製の牛乳を使用していた調布市、町田市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市、
国立市と都立学校の6校の合計175校に当日より牛乳を使用しないよう通知。対象は約68000人分。(日経新聞)
町田市第一小学校では、当日牛乳抜きとなり、週内は水筒持参させることを決めた。多摩市では、
7日から紙パック入りウーロン茶を出すことを決めた。(朝日新聞)
多摩市では、13日、リンゴジュースが配られた。(日本農業新聞)
補助金の関係で対応が難しいとの声があり、後日、他社製牛乳でも補助金がつけられることとなった。
7月6日、千葉県学校給食会は同日夜、1200の公立校、80の給食センターに当面雪印製品を使わないよう連絡した。(読売新聞)
7月6日、宮城県教委は県立の25校に対して、雪印乳業大阪工場の製品混入可能性があるチーズ、ヨーグルトを使用しないよう通達。 宮城県石巻市は30校での雪印製乳製品の使用中止を決めた。(河北新報)
7月6日、愛知県教委、名古屋市教委は、雪印乳業名古屋工場の牛乳をこれまで通り使用することを決定した。 名古屋市の立ち入り調査結果を受けて。(中日新聞)
7月7日、大阪府は、府と関連施設すべてで雪印製品を使わないことを決めた。京都市は、市の競争入札から3カ月排除。(読売新聞)
7月7日、宮城県仙台市、学校給食で雪印の乳製品使用を中止するよう指示。神奈川県では川崎市など17市町村が使用を中止した。 (産経新聞)
7月7日、秋田市は週明けの10日から雪印の乳製品使用を中止する。チーズ、バター、マーガリン。(日本農業新聞)
7月7日、千葉県野田市、松戸市は雪印乳業野田工場の牛乳を当面学校給食で使用しないことを決めた。 千葉県の立ち入り調査で安全性が確認されたが、不安感を重視。(東京新聞)
7月7日、神奈川県教委は、雪印乳業大阪工場、日野工場製の乳製品を給食に使用しないよう市町村教委に通知。(東京新聞)
県学校給食会によると、横浜市、川崎市に150校で雪印乳業厚木工場の牛乳を使用。県の立ち入り検査を待って対応を決めるとしている。
相模原市教委は、雪印製マーガリン、粉チーズを使用しないよう通知。逗子市は、多摩工場のバター、チーズを6日から他社製に切りかえ。
津久井町教委は4日から製品使用を中止している。(神奈川新聞)
7月7日、富山県では、富山市、高岡市、黒部市をはじめ17市町村で雪印乳業の乳製品使用を中止した。なお、 同県の学校給食用牛乳は県内業者が製造している。
7月7日、同日現在、北海道では、北海道内の2400校中、900校が雪印乳業製牛乳を使用しているが、 札幌市が4日に行った札幌工場の検査で異常がないことなどから、他業者への変更をしない方針。(北海道新聞)
7月7日、北九州市教委は、145の学校に雪印乳業の全製品を使用しないよう通知した。牛乳は別の業者のもの。
7月8日、雪印乳業大阪工場の乳製品による集団食中毒などを受け、学校給食の雪印離れが進んでいる。毎日新聞の調査で、 47都道府県中24都府県は学校給食などから雪印製品を排除する方向にある。(毎日新聞)
7月10日、山梨県甲府市では、同日より雪印乳業製学校給食牛乳を他社に切りかえた。12校が対象。(山梨日日新聞)
7月10日、東京都教育庁は、雪印乳業日野工場の製品を工場が供給体制を整え次第、学校給食に使用再開することを決定。 実質的には2学期からとなる。都衛生局の衛生確認を受けて。(毎日新聞)
7月11日、協同乳業あづみ野工場は長野県内の9小中学校から風味が違うとの苦情を受け、製造ラインを止めた。12日から自主回収も行う。
同社では、殺菌時のこげ臭が原因ではとしている。食中毒菌の検出はなく、体調の異常の訴えはなかった。(日本農業新聞)
長野県上田市、佐久市など2市3町の10校で協同乳業あづみ野工場の牛乳に紙パック製牛乳に異味異臭を訴える騒ぎがあった。
各学校では他社の牛乳に変更するなど対処。(読売新聞)
7月12日、愛媛県下で雪印乳業製乳製品を使用していた17市町村は同日までに使用の見合わせを決めた。(愛媛新聞)
7月12日、雪印乳業札幌工場の操業停止を受けて、北海道教委は、12日から1学期終了まで雪印製牛乳を使用しないと決定。 12日は牛乳抜きとなる。道内の学校給食用牛乳のうち雪印乳業のシェアは約35%、2376校中905校にのぼる。(北海道新聞)
7月12日、雪印乳業札幌工場の操業停止を受けて、札幌市内の小中学校中3分の1を超える119校で牛乳が出されなかった。 学校などでは冷やしうどんの汁を増やすなどの対応をした。のどに食事がつまる、物足りないなどの児童の声。 13日の代替もできないことを札幌市教委が各校に通知したのは午後5時過ぎのため、水筒での飲み物持参などの対応は遅れがちとなった。 (北海道新聞)
7月12日、香川県高松市教委は、雪印乳業高松工場の操業停止を受けて、市内17校に配送された牛乳約9000本を返品し、 お茶を出すことにした。13日から他社製(読売新聞)。
7月12日、山梨県畜産課は、学校給食に雪印製牛乳を使用していた県内28市町村111校中、 22市町村97校が12日までに他社製品に切りかえたことを確認。残りの6市町村14校も数日中に切りかえる計画。(山梨日日新聞)
7月12日、雪印乳業仙台工場操業停止について仙台市教委に代替品の仲介とそれまでの生産継続を申し出。(河北新報)
7月12日、名古屋市教委、雪印乳業名古屋工場操業停止を受けて12日用に納入された牛乳を約4万本を返品。小学校55校、中学校20校、 養護学校1校で、当日牛乳は出なかった。13日以降、他社製品を代替する予定。同日、雪印製アイスクリーム、 チーズ等が出る予定だった献立の学校は中止。雪印製バター、生クリームを使用したコーンクリームスープの献立は、非常用レトルト食品に。日進市、 豊川市、新城市、鳳来町、一宮町の計136校も12日より牛乳を中止。返品した。県教委の指示。新城市では、缶のお茶を出した。(中日新聞)
7月12日、岐阜県教委では、牛乳は県内に工場を持つ牛乳を使用しているが、乳製品については、食中毒発生以来、 雪印からの購入を控えている。三重県教委では、県内の業者の牛乳を使用。乳製品は、 使用していた3校に安全性が確認されるまで使用中止を指示した。(中日新聞)
7月12日、石川県教委は、雪印乳業北陸工場の操業停止を受けて、12日から牛乳使用を見合わせ、ジュースや他社製品の手配をした。 同工場は、小松市、加賀市、松任市など県内30校に納入していた。(北國新聞)
7月12日、広島県教委は、雪印乳業広島工場の操業停止を受けて、広島市、尾道市、 廿日市市および7町65校の給食で13日分から他社の牛乳とすることを決めた。12日分はそのまま使用。廿日市市のみ12日分を返品し、 各校でお茶を購入するなどの対応をした。(中国新聞)
7月12日、鹿児島県教委は、雪印乳業都城工場の操業停止を受けて、末吉町、大隅町の11校の牛乳について、13日分まで使用し、 14日より他社に切りかえることを検討している。(南日本新聞)
7月12日、福岡県教委は、雪印乳業福岡工場の操業停止を受けて、福岡市、前原市、二丈町、
志摩町など県内113校で同工場の牛乳を使用しているため、12日からの対応に追われた。(西日本新聞)
前原市前原小学校では、地元産オレンジジュースを給食にだし、13日は水筒持参、14日から代替牛乳となる。(西日本新聞)
7月12日、熊本県学校給食納入協同組合によると、県内の学校給食では、雪印製品の扱いはないとしている(熊本日日新聞)
7月12日、神奈川県教委は、雪印乳業厚木工場の操業停止を受けて、横浜市、川崎市など県内157校での同工場製牛乳使用中止を決めた。 約8万本分を代替する。(神奈川新聞)
7月12日、東京都教育庁は、雪印乳業東京工場の操業停止を受けて、文京区、足立区、中央区、 北区および都立学校の251校での同工場製牛乳使用中止を決めた。対象は82000人。(読売新聞)
7月12日、森永乳業近畿工場が学校給食用に製造したビン牛乳について、兵庫県川西市、大阪府吹田市、 奈良県内小中学校5校から味がおかしいなどの苦情があった。(日本食糧新聞)
7月13日、森永乳業近畿工場製学校給食用牛乳の異味異臭で午前中までに大阪府吹田市の2小学校で計35人が下痢や腹痛を訴え、
2人が欠席した。(日本経済新聞)
腹痛などを訴えた児童生徒は134人にのぼった。川西市教委が緑台中学校の被害を調べたところ、異常を感じたのは94人、
うち64人が腹痛や吐き気を訴え、5人が13日に欠席した。吹田市吹田東小学校では、51人が腹痛や下痢などを訴え、2人が欠席。
吹田第六小学校では19人が腹痛などを訴えた。(朝日新聞)
川西市の緑台中学校は家庭から弁当などを持参し、牛乳だけを給食に出すミルク給食。(読売新聞)
この他、高槻市清水小学校、奈良県黒滝村黒滝中学校で薬のような臭いがするとの訴えがあった(読売新聞)
奈良県山添村西豊小では、教員10人、児童35人のうち教員ひとりが異臭に気づき、牛乳を飲ませずに回収した。(朝日新聞)
7月13日、森永乳業近畿工場は、12日製造の一般家庭用ビン牛乳も13日朝から自主回収をはじめた。
13日の出荷見送りと製造休止を行った。前日の学校給食用ビン牛乳異味苦情について、西宮保健所と原因調査をしている。
今のところ異常は見つかっていない。(日本食糧新聞)
学校給食用、宅配用を合わせビン牛乳計約20万本が出荷中止、ライン停止となる。(日本経済新聞)
西宮市保健所は、原因物質は殺菌用の次亜塩素酸ナトリウムの可能性が高いと発表。(日本農業新聞)
同社は、ビンの殺菌工程で次亜塩素酸ナトリウムが内部に残った、殺菌済みのビンを入れるプラスチックケースの表面に次亜塩素酸ナトリウムが残り、
ビンやフタに付着したなどの可能性を示唆した。(朝日新聞)
同社は、学校給食用として兵庫県、奈良県、大阪府の約148000本を供給している。
雪印乳業の食中毒事件以降は1日約40000本近く増えていた。(読売新聞)
対象となる学校は465校、そのうち81校が雪印乳業からの振替分。(朝日新聞)
7月13日、兵庫県芦屋市では、森永乳業近畿工場製牛乳の異臭事故を受け、13日より、1学期中の牛乳を取りやめ、 13日からお茶を湧かして配った。(読売新聞)
7月13日、大阪府は森永乳業近畿工場に、1学期中の学校給食への牛乳供給を自粛するよう指示した。 府教委は市町村教委に同様の指示を出した。(朝日新聞)
7月13日、兵庫県川西市では、森永乳業近畿工場製牛乳の異臭事故を受け、13日より市内24校の給食で1学期中の牛乳使用を取りやめた。 小学校ではお茶を水筒で持たせるなどの対応をした。(朝日新聞)
7月13日、森永乳業近畿工場の牛乳を学校給食に使用していた大阪府東大阪市は、他社製の乳酸菌飲料に急きょ切りかえ、 5校分4400本を用意した。児童からは牛乳の方が甘くなくてのどが乾かないなどの声が聞かれた。(朝日新聞)
7月13日、森永乳業近畿工場の牛乳を学校給食に使用していた大阪府高槻市では、市教委が愛媛県のメーカーと交渉し、14日以降、 オレンジジュースの供給を決めた。(読売新聞)
7月13日、大阪府寝屋川市の京阪牛乳製造の牛乳(6日製造、13日本質保持期限)を飲んだ消費者から酸味などの異味苦情を受けた同社は、 学校給食用牛乳約20000本の出荷を14日から自粛する。また、自主回収も行った。なお、食中毒症状などはなかった(毎日新聞)
7月13日、雪印乳業東京工場から牛乳の供給を受けていた文京区、足立区、中央区、北区はそれぞれ他社製品に切りかえて給食を実施した。 文京区は独自に11日に中止を決め、13日は、31校中13校へ他社製牛乳が供給された。学校によっては、 麦茶などを入れた水筒持参を決めたところもある。足立区は、12日から牛乳供給を中止。14日に全校が他社製となった。中央区は、 森永牛乳に切りかえたが近畿工場の異臭さわぎもあり、水筒でのお茶などの持参をさせた上で牛乳給食を実施した。(東京新聞)
7月13日、名古屋市内の給食では、76校が12日に続き13日も牛乳なしの給食となった。14日から他社製となる。(中日新聞)
7月14日、宮城県は名取市の宮酪乳業の立ち入り調査で、一部の出荷前加工乳を再利用して製品化していたことが分かり、 再利用しないよう厳重注意した。宮酪乳業は、14日より雪印乳業仙台工場の代替メーカーとして、 宮城県内2市5町108校に牛乳を供給しはじめたばかり。県教委は、牛乳のラインとは異なるとして使用継続を決めた。 学校現場では不安と不信の声がある。(河北新報)
7月14日、森永乳業近畿工場の学校給食用牛乳異臭問題で、西宮保健所は大腸菌、一般細菌の検査の結果、いずれも問題なしと発表した。 (産経新聞)
7月18日、兵庫県神戸工場の辞退を受け、兵庫県では、 県内で使用していた学校給食用牛乳を2学期も引き続き他社製で代替していくことを確認した。(神戸新聞)
7月18日、大阪市のいかるが牛乳の乳酸菌飲料について異味異臭がすると苦情があったことに関連し、
大阪市教委などの要請を受け入れて同社は学校給食への牛乳納入を自粛した。大阪市83校、
堺市のほぼ半数が1学期最後の給食で別業者の牛乳などに切りかえられた。約61000本。市教委などは「自粛要請は保護者らの感情に配慮」
したとしている。(朝日新聞)
大阪市都島区内9小学校などでは、7月に入り雪印乳業→森永乳業近畿工場→京阪牛乳(配送は結局なし)
→いかるが牛乳と異味異臭さわぎなどで3度も納入先が変わり、いかるが牛乳は2日間でストップ。最終日は市販のお茶などとなった。(読売新聞)
--------------------------------------------------------------------------------
8月
8月7日、宮城県は、2、3学期の牛乳供給業者に雪印乳業仙台工場も選定した。雪印は、仙台市の一部、多賀城市、柴田郡4町、利府町、
松島町の113校に牛乳を供給することになる。仙台市教委は、学校給食のチーズやバターなど乳製品について、雪印製品の使用中止を解除した。
(河北新報)
8月25日、神奈川県は横浜市、川崎市の157校で使用していた雪印乳業の牛乳を学校給食に使用しないことを決めた。 雪印側から供給辞退の申し入れがあったため。なお、夏休み前も操業停止を受けて他社製品を使用した。(産経新聞)
8月25日、山梨県では28市町村111校が雪印乳業茅野工場製牛乳を使用していた。2学期より雪印乳業に戻すことを申し合わせていたが、 甲府市教委、勝沼町教委などは使用中止の継続を検討している。(山梨日日新聞)
--------------------------------------------------------------------------------
9月
9月4日、東京都は、雪印製牛乳を使用していた都内174校について、2学期も他社製を使用する。大阪市でも他社製品を継続。
乳製品についても排除の動き。北海道では、雪印製牛乳を学校給食に使用。地元の要望などを受け。(日本農業新聞)
9月4日、雪印乳業静岡工場は学校給食用に県内124校分1日5万本の牛乳生産が再開した。再開の前に工場幹部が全校をまわった。 (静岡新聞)
9月4日、岡山県は、県下147校の学校給食で雪印乳業岡山工場製の牛乳使用を再開した。 香川県は県下22校の学校給食で雪印乳業高松工場製の牛乳使用を再開した。広島県は3市7町で雪印乳業の牛乳を使用していたが、 そのうち2町13校のみが、雪印製牛乳を再開した。大阪府、奈良県、京都府、兵庫県、滋賀県、徳島県は雪印製から他社製に切りかえたまま。 (中国新聞)
9月28日、雪印乳業高松工場製造の学校給食用ビン入り牛乳を飲んだ児童生徒らかがいつもより味が濃いなどの風味の異常を訴えた。
中学生数人が胃腸の異常を訴えたが、因果関係は不明。同工場の牛乳は、高松市15校のほか、香川県三木町の学校給食、
四国内の宅配牛乳として使われている。同工場では自主回収し、28日分の出荷を見合わせ、29日は製造を中止した。
高松市保健所の同日の検査では問題がなかった。香川県衛生研究所に食中毒菌、乳酸菌の検査を依頼した。(毎日新聞)
高松市教委調べで、小学校4校、中学校2校の計22人が腹痛や吐き気を訴えた。因果関係は不明としている。高松市保健所は、
農薬などの毒物が検出されなかったと発表。(山陽新聞)
9月29日、雪印乳業高松工場は、学校給食用ビン入り牛乳の異常風味について、原料乳の循環冷却過程が通常より長く、 また泡が発生したために脂肪の酸化がすすんだためと発表した。(産経新聞)
9月29日、高松市と香川県三木町の小中学校22校は、牛乳の代替として紙パック入りのお茶などを使用した。(山陽新聞)
--------------------------------------------------------------------------------
12月
12月12日、大阪府吹田市、富田林市、太子町の12校で協同乳業大阪工場(吹田市)
の学校給食用ビン入り牛乳を飲んだ児童らから塩素臭などの異臭の訴えがあった。
吹田保健所は次亜塩素酸ナトリウムがビンに残っていた可能性があるとみている。同工場は、大阪府内2市2町1村、
京都市内の学校に約37000本を納入しているが原因判明まで出荷を停止する。工場では、
運搬用木製荷台の一部が新品でこの臭いかもしれないと話している。(毎日新聞)
腹痛などの症状はなかった。吹田市教委では、19学級597人が牛乳を飲む、または口をつけた。180人は教員の指示で残した。
富田林市学校給食センターによると、ふたの上のプラスチック周辺からかすかな消毒臭がしたという。茨城保健所が立ち入り調査している。
(読売新聞)
●牛乳と学校での飲みもの
学校給食の牛乳は、ごはん給食、パン給食を問わず、学校給食献立の中心をなしています。
牛乳の栄養バランスから学校給食では必ずと言っていいほど牛乳が出されています。献立によって牛乳を出したり出さなかったりするという学校、
地域はほとんどありません。
栄養バランスの良さ、カルシウムの豊富さとして牛乳は高い評価を受けています。
その一方で、ごはん給食が増える中、牛乳が合わないのではという声もあります。また、アレルギー・
アトピーなどで牛乳が飲めない子どももいます。
牛乳については、もうひとつ、学校生活の中で水道水以外の飲みものという特徴もあります。給食の味噌汁やスープのような汁物を除けば、
学校生活で子どもが飲める水分は牛乳、水道水しかありません。水道水の水質や安全性の問題を指摘する市民団体もあります。
朝日新聞2000年3月29日付の連載記事「モノわかりのいい話」では、「米飯給食に牛乳どうして?」と題し、
米飯給食と牛乳の組み合わせについて問題提起しています。記事の中で、米飯給食の和食献立を紹介した上で、
そこに牛乳が組み合わせる不自然さを指摘しながら、文部省学校健康教育課の金田調査官は「カルシウムの必要から牛乳ははずせない」
「日本には古来、飛鳥なべなど牛乳の乳を利用した献立もあり、米と牛乳の取り合わせがそんなにおかしいとも思えない」との見解を紹介しています。
そして、牛乳以外の飲みものの事例としてお茶どころ静岡市で学校給食に温かいお茶を出しているところがあり、子ども達に喜ばれている反面、
牛乳が大量に残るなどの問題があること、
学校給食実施基準で牛乳を他の時間に配るなどの対処ができないため対応に苦慮していることを紹介しています。
今回の雪印食中毒事件に関わる学校給食現場の中には、念のためお茶を入れた水筒を持参させたり、
お茶を出すなどの緊急的な対応をとったところもあります。
牛乳には牛乳のすばらしさがあり、学校給食での牛乳の価値は大切にしながらも、学校給食と牛乳、あるいは、学校の中での飲みもの、
水分摂取についても考えていくことが大切ではないかと思います。
皆様のご意見や学校、調理場での対応についてのご報告をお待ちしております。
[ 00/12/31 牛乳 ]
時事情報2000年 地場型を中心に
●千葉県君津市で、試食会
日本農業新聞00年12月16日付によると、千葉県君津市の南子安調理場で12月11日、農家、パン会社、農業委員会、JA、栄養士、
市議らが参加した試食会が行われた。生産者からは、地場野菜の拡大などについて意見が出された。(00.12.24)
●愛媛県今治市で、無農薬野菜を給食に
日本農業新聞00年12月4日付によると、昨年から米飯をすべて地場産減農薬米に切りかえた愛媛県今治市で新たな取り組みがはじまった。
定年退職者らによる「今治市学校給食無農薬野菜生産研究会」が発足し、このほどタマネギの定植を行った。給食センターなどの理解を得ながら、
地場産の無農薬野菜を学校給食に導入するための取り組みをすすめる予定。ジャガイモ、ニンジン、サトイモ、ネギ、
ほうれん草などを栽培するという。(00.12.24)
●秋田市、地場産野菜中心の実験
秋田魁新聞00年11月14日付によると、秋田市では、市内61の小中学校で、メニューのほとんどに地場産野菜を使った給食を実験的に行った。
白神酵母のパン、地場産の米から作ったきりたんぽ、野菜やイカなども地場産とした。
給食では食材の由来や栽培などについて校内放送などで児童に紹介したという。来年度も実施するかどうかは今後検討。(00.12.24)
●新潟県高柳町の地場型給食
日本農業新聞00年11月23日付は、特集「食の遺産」の中で、新潟県高柳町立高柳小学校の地場型給食をまとめている。全児童71名、
12年前に完全米飯給食に切りかえ、地場産コシヒカリを使用している。政府米との差額は町が負担。野菜は、
地元JAを窓口に6戸の農家が伝統品種などの野菜を無農薬で栽培。伝統品種には長ニンジン、糸ウリなどがある。毎週金曜日は郷土食として、
のっぺい、ぜんまい煮、きりざい、すいとん、きのこ汁なども提供している。(00.12.08)
●佐賀県で4種類のコメ給食
日本農業新聞00年11月16日付によると、佐賀県米消費拡大推進協議会が県内全小中学校を対象に、佐賀県産コシヒカリ、あこがれ、ぴかいち、
ヒノヒカリを味わってもらうための助成を行った。コシヒカリ、ぴかいちについては購入費を助成、また、
パンフレットを使って県産米をPRしている。(00.12.08)
●高知県梼原町、棚田米使用
高知新聞00年10月28日付によると、高知県高岡郡梼原町では、地元の棚田で栽培したコシヒカリを給食に使用している。また、
一部の学校では地元有機栽培グループによるジャガイモやニンジン、タマネギを使用している。(00.12.08)
●高知県「地産地消」協議会設置
日本農業新聞00年11月9日付によると、高知県農林水産部流通園芸課、南国市教育委員会事務局、栄養士、小学校教諭、県農村女性地域リーダー、
農家、JA高知中央会の関係者が集まり「高知県地産地消推進協議会」を設置した。米をはじめとする学校給食の地場産取り扱いの拡大をめざすほか、
情報の提供などを行う。また、学校給食の自校炊飯をめざすという。(00.11.20)
●北海道瀬棚町、地場産米を使用
日本農業新聞00年11月4日付によると、
北海道瀬棚町は00年12月より町内の小中学校4校の給食に地場産無農薬アイガモ栽培米のほしのゆめを使用する。(00.11.20)
●埼玉県、学校給食使用の味噌を県産に
日本農業新聞00年11月2日付によると、埼玉県学校給食会は、
11月より県内の公立小中学校給食に県内産大豆と米でつくった味噌の供給をはじめた。みそは、原料の大豆と米をJA埼玉県経済連を通して購入し、
地元業者が加工したものを学校給食会が買い上げて各市町村に販売する。今回は、大豆が県産「白光」米が「朝の光」を使用。大豆は今後
「タチナガハ」にかわるという。埼玉県では、地場産に力を入れ、これまでに、米、うどん、納豆、パン、ソーセージなどを県内産にしている。
(00.11.20)
●宮城県、地場産使用を拡大へ
日本農業新聞00年11月1日付によると、宮城県は地場産食材の利用拡大を目指した本格的な検討を開始した。
県産業経済部と教育庁が連携して学校をはじめ家庭、地域での地場産品消費を拡大するための方策をとるとしている。(00.11.20)
●墨田区、高畠町と交流で給食米使用
日本農業新聞00年10月30日付によると、山形県高畠町と東京都墨田区は町ぐるみでの交流を20年ほど前から行っている。
夏休みや冬休みのホームステイなど子ども達の交流もさかん。この交流により、00年6月より、墨田区の42校中29校が高畠産「はえぬき」
を学校給食に使用しはじめた。(00.11.20)
●岐阜県中津川市で地場食材
日本農業新聞00年10月14日付によると、JAひがしみのの女性グループ・
アグリウーマン中津川給食部会の18人が中津川市学校給食栄養士会の要望に応え、地場野菜の供給をはじめた。
今年はサツマイモとサトイモを市内4センターと5校に納入する。(00.10.27)
●長野県北御牧村で村内大豆をすべて豆腐に
日本農業新聞00年10月17日付によると、JA女性部などが中心となっている北御牧村味の会は、村内産の約20トンの大豆をすべて買い取り、
豆腐加工場をつくって毎日豆腐を製造、販売している。学校給食にも利用されている。(00.10.27)
●岩手のオール地場産品の日
日本農業新聞00年9月27日付によると、岩手県のオール地場産品学校給食の日は、花巻地方振興局管内4市町の全小中学校で、9月28日、
10月24日に行う。9月28日は、市町ごとに地域の食材を利用し、花巻市は花巻そばひっつみ、大迫町は神楽の里ご飯(雑穀入り)、
石鳥谷町は杜氏の里ご飯(麦入り)、東和町はまほろばの里ご飯(雑穀入り)など。
10月24日は和食料理人として知られる中村孝明氏のメニューによる統一献立。(00.10.05)
●六甲地区で学校給食への食材生産
神戸新聞00年9月14日付によると、JA兵庫六甲と関係機関の協議の結果、学校給食向けの食材生産に取り組む。
手始めは年間を通して利用するタマネギを管内全体で栽培する。同農協は、2000年4月に神戸阪神間の9農協が合併して誕生した。
組合員を対象に行った合併前のアンケートで、学校給食への地元農産物供給への希望が高く、重点的に取り組みを開始。
栽培を希望するのは女性や高齢者。取り組む市町村では、三田市が2001年6月~12月にタマネギを利用、さらに、
市内ですでに供給がはじまっているジャガイモ、ニンジン、大根などの栽培面積を拡大する。(00.10.05)
●地場型給食の特集
『現代農業』00年9月号(農文協発行月刊誌)では、「学校給食に地元野菜を届ける」と題して約30ページの特集記事を掲載した。内容は、
栄養士の視点から東京都日野市の自校方式での地場型給食についての報告、
山形県南陽市の地場型給食に納入する3つのグループの納入方法や取り組みの詳細、価格の決め方などについてのレポート、
富山県砺波市の学校給食センターに野菜を供給するとなみ野農産物生産グループ協議会の報告である。いずれも、
地場野菜を学校給食に取り入れるために、生産者、栄養士、調理員、学校、行政、地域が行うべき問題点や具体的な方法をくわしく説明しており、
これから、地場型給食に取り組もうと考える地域、生産者、栄養士、調理員にとって、非常に役に立つ内容となっている。
現代農業のホームページは以下のアドレス。なお、このアドレスから、バックナンバー2000/9号を開くと、レポートのひとつが読めます。
http://www.ruralnet.or.jp/gn/index.html
(00.9.19)
●宮崎県、全県で県産米使用
日本農業新聞00年9月2日付によると、宮崎県では県内のすべての小中学校で県産米コシヒカリを供給した。9月1日の2学期初日から新米を導入。
早場米地域であることを子ども達に説明したという。この米は、JA宮崎経済連から宮崎県学校給食会に卸されている。(00.9.19)
●JAグループ99年のまとめ
日本農業新聞00年9月10日付によると、学校給食への地場農産物の供給について99年度は前年より16多い314JAが取り組んだ。
JA全中のまとめ。(00.9.19)
●千葉県白子町、町内産新米を使用
日本農業新聞00年9月7日付によると、千葉県白子町では92年から地場産のコシヒカリやトマト、キュウリ、
タマネギなどの地場産野菜を使用している。同町はセンター給食で、小学校3校、中学校1校、1300食を調理。新米は従来10月以降の供給だが、
給食初日の9月4日には、収穫したばかりの新米を特別に供給した。(00.9.19)
●高知県安芸市、地場産米拡大
高知新聞00年8月18日付によると、安芸市内の給食実施校では、地場産米コシヒカリを2学期から導入する。また、
2001年からは地元産米を使った手作り味噌も導入する。取り組みをするのは、安芸市の小学校11校、中学校4校中、
学校給食実施校の4小学校1中学校。いずれも自校式で、先行した学校で田植えや収穫の体験などを通し好評のため、
給食実施全校で実施することになった。さらに、米飯給食回数も週3回を4回に増やす。また、農業改良普及センターと栄養士、
調理員らが9月に味噌を仕込み、来年2月から学校給食に使用する。(00.9.19)
●兵庫県、県産米100%に
神戸新聞00年7月13日付によると、兵庫県内で米飯給食をしている84市町はすべて県産自主流通米を使用している。また、
県が指定する県内産自主流通米を導入すれば政府米との差額を助成する「ひょうごのおいしいごはん給食推進事業」を57の市町が実施している。
地場産米の導入もすすみ、神戸市や篠山市をはじめ、30の市町が域内の米を学校給食に利用している。(00.8.5)
●三重県で食材の予約共同購入
日本農業新聞00年7月12日付によると、JA三重中央新予約共同購入委員会の呼びかけにより、4小学校が、小麦、でんぷん、パン粉、
砂糖の4品目を年間予約して調達するというもの。小麦粉などは国産品。(00.8.5)
●島根県木次町の地場型給食
日本農業新聞00年7月27日付によると、島根県木次町では、木次町学校給食野菜生産グループがあり、
町の学校給食センター1330食の半分の野菜を供給している。このグループは、1993年に発足し、53人、平均年齢71歳。
農薬をできるだけ使わず、給食センターの要望を受けて栽培品目を選んである。また、メンバーは学校を訪ねて子ども達とともに給食を食べ、
地域と子ども達の交流を進めている。(00.8.5)
●ホクレン、冷凍野菜の供給伸びる
日本農業新聞00年7月25日付によると、北海道内に12の冷凍野菜工場を持つホクレンでは、学校給食向けや外食向けの取り扱いが拡大している。
国産や減農薬への対応、半加工などが指示されているという。減農薬品は、ポテト、枝豆、ニンジン、タマネギ、カボチャ。また、
タマネギをみじん切りにして炒めたものも需要が多いという。(00.8.5)
●花巻地方で食材すべて地元産の日
河北新報00年6月20日付けによると、岩手県花巻地方振興局は、地場産品学校給食利用拡大事業として、管区内にある花巻、石鳥谷、東和、
大迫の1市3町の全小中学校を対象に、オール地場産品給食の日への助成を行う。年度内に、数回行い、
食材費が割高になった部分を県が一定額補助する。主食はコメ以外でも、ひっつみ、雑穀献立で可。野菜、豆腐、
味噌なども地場産品とするよう求めている。なお、東和町では、すでに平成10年度より、地場産米を使用しており、
割高部分を町と農協が3分の1ずつ助成している。(00.7.10)
●九州県下の地場型給食を特集
西日本新聞00年6月19日付は、九州各県の地場型給食特集記事を掲載。
福岡県宗像市は小学校給食を1998年から段階的に自校方式に切り替えている。この98年から地場型給食がはじまり、
現在では小学校11校中4校で使う3割を地元の農産物直売所「かのこの里」が供給している。年間の納入額は約200万円だが、
学校給食で使われていることが生産者の励みになり、生産者は前日収穫ではなく当日の朝に収穫し、午前8時半までには調理場に届けるなど、
積極的に協力している。栽培は無農薬野菜中心。さらに、今年2学期より生産者を先生にした食農授業が企画されている。
大分県臼杵市は、センターで9月から地場型野菜を導入。給食用野菜畑1.6ヘクタールを減農薬栽培してもらうため、市が生産者を募集、
16人の生産者が計画作付けをはじめた。給食の約5割をまかないたいとしている。「給食畑の野菜・生産者名」の看板が畑には立てられる。
なお、失敗例もあり、福岡県那珂川町では96年から7校3500食分の野菜の3割を地場産野菜で供給したが、
献立に合わせた食材を揃えるのが難しいことや、規格の問題、7校への早朝配達など物流の問題で挫折、2年で中止された。
このほかの事例
福岡県前原市(自校式)では、5~7割の野菜を地場産で供給。
福岡県志摩町(自校式)では、野菜40品目の7割を地場産で供給。
福岡県夜須町(センター)では、地場の女性グループが野菜を3~5割供給。
佐賀県千代田町(センター)では、コメ、菱の実、アスパラガスなどを地場で利用。
長崎県大村市(センター)では、牛乳が地場産のもの。
熊本県矢部町(自校)では、地場の減農薬米を使用。
宮崎県綾町(自校)では、有機生産グループの野菜を5割ほど利用。
鹿児島県溝辺町(センター)では、野菜の5割が地場産。(00.7.10)
●新潟県黒川村、学校給食に米粉パン
日経流通新聞00年5月25日付によると、新潟県黒川村は学校給食に米粉パン、麺を導入した。村内4校に継続的に導入する。
米粉パンや麺も米加工食品として政府備蓄米の無償交付対象になることから、導入。また、米の粉末化は、県食品研究センターが開発し、黒川村が県、
国の補助事業として98年に設備を稼働させている。(00.6.16)
●国産大豆の普及拡大
日本農業新聞00年6月4日付によれば、国産大豆は遺伝子組み換えされていないため徐々に関連商品が増えるなどの人気が高まっている。
学校給食では、JA茨城県経済連が県産のタチナガハを冷凍水煮し、同県の学校給食会が月2トンを使用。JA埼玉県経済連も、
県産のタチナガハを使い、学校給食会やメーカーとともに納豆を開発している。(00.6.16)
●千葉県の4市町に地場産米
日本農業新聞00年5月18日付によると、千葉県のJA山武郡市は、管内の東金市、大網白里町、成東町、
山武町の小中学校31校に地場産米ふさおとめを供給する指定を受けた。低温保管し、注文ごとに精米するという。予定出荷量は年間144トン。
(00.5.27)
●千葉県成田市の地場給食
日本農業新聞00年4月26日付によると、千葉県成田市では、学校給食センターと農家グループが地域循環型農業を行っている。
市の学校給食センターから出る残さや量販店がコンポストにした残さを農家グループ「かんらん車」が引き取り、
たい肥にして無農薬栽培で野菜を栽培。年間40種類を栽培し、JA成田市を通して学校給食用に出荷している。一部は量販店に販売している。
市はたい肥センターの建設を計画、また、JAも支援すると表明している。(00.5.09)
●群馬県高崎市の地場型給食
日本農業新聞00年4月20日付では、群馬県の学校給食での県産品使用促進について、高崎市の事例を紹介している。高崎市では、市立小中学校、
幼稚園、養護学校がすべて自校式で、栄養士も各校に配置されている。53校中41校が県産の農産物を使用している。
中居小学校では近くの農家2軒から野菜を直接仕入れしている。直接なので価格も安く、また、子ども達の関心も高い。
親からも反応が返ってくるようになったと、効果を紹介している。(00.5.09)
●東京府中市で地場産米
日本農業新聞00年5月2日付によると、東京都府中市では、98年から学校給食に地元産米を使用している。年間使用量は全体の2割弱。
98年度は3トン、99年度は5.3トン。給食センター方式の29校を対処に、JAと学校給食会が生産者の意向をまとめて契約している。
値段が安く、味もよいとの評価が高まっている。(00.5.09)
●ニセコ、地場型への取り組み
北海道新聞4月22日付によると、北海道ニセコ町学校給食センターは、4月以降、米をニセコ産減農薬ほしのゆめに切り替えた。また、
地場産品を増やす取り組みを続けている。低農薬のジャガイモ、トマト、放し飼いの鶏卵、ハチミツなどを使用。また、
宗谷産のカスベやタコなども利用している。遺伝子組み換え食品は排除しているという。同センターは、
幼稚園から高校まで630食余分をつくっている。(00.4.30)
●高知県南国市、農協と米を直接売買
高知新聞00年3月8日付によると、中山間地の地場産米で自校炊飯を行っている南国市では、2000年度より、
政府補助がなくなったことをきっかけに、農協から学校給食会を経由して購入する形式から、農協から直接購入する形式に改めた。これにより、
中間マージンを生産者に還元できるという。農協は、これに合わせ学校給食米生産部会を設立し、給食米の安定供給を図るという。(00.4.30)
●大分県臼杵市、給食畑計画
大分合同新聞00年2月8日付によると、臼杵市は、建設中の小中学校給食センターの2000年9月稼働に合わせ、「給食畑」計画を実行する。
学校給食有機農産物供給支援事業として、JA大分のぞみ除せ威武の農家直売出荷者協議会のメンバーの働きかけて実現した。
最大約1.6ヘクタールの畑で17品目の野菜を生産し、センターの年間必要野菜の半分をまかなうとしている。畑には「給食畑の野菜」
の看板を立て、収穫体験や見学、生産者との交流を行うことにしている。(00.04.08)
●秋田県、県産食材の給食普及事業
日本農業新聞00年3月19日付によると、秋田県は、2000年度より「子供たちの給食に秋田の食材を」推進対策事業を行い、
当初予算案に286万円を計上した。秋田県では97年度より学校給食の県産品割合を野菜、果物、肉類など36品目について調査してきたが、
98年度の調査で野菜12品目の県産品割合が平均16%となっているため、野菜12品目について2010年度に2倍の32%
まで県産割合を引き上げる目標を立てた。関係団体らと推進会議を発足し、3市町村をモデルに事業を行う。また、
農家や食材業者が授業を行うなどの試みにも取り組むとしている。(00.04.08)
●群馬県、学校給食県産品使用運動
上毛新聞00年3月15日付によると、群馬県は、学校給食に県産品を積極的に使用することや農業体験学習のモデル校を選ぶなどの
「食と農と県民運動」を展開する。県内35の市町村に、農業生産者団体、流通団体、学校給食関係、行政関係者らで構成する競技会の設置を求め、
設置の補助を行う。ここでは、具体的な学校給食向け県産品の生産流通の検討・調整を行う。また、県内5小学校を食農教育モデル校に選定し、
生産者、改良普及センターOBなどを派遣し、農作業や農産加工などの体験学習を支援する。(00.3.29)
●酒田市亀城小、各国料理を給食で
山形新聞00年1月25日付によると、山形県酒田市亀城小学校では、学校給食週間にちなみ、ポルトガル、メキシコ、ベルギー、ロシア、
日本の各国料理を日替わりで学校給食に供した。世界の食文化を知り、日本食の良さを認識させるのが目的という。(00.3.29)
●和光市の地場給食
日経流通新聞00年3月7日付は、地産地消への挑戦という特集の中で、和光市の地場型給食を紹介している。埼玉県和光市では、
90年より地元農家の求めに応じ、市教委と栄養士会が地場農産物の取り扱いをはじめた。当初は、ニンジン、タマネギの2種類であったが、
2000年度では16種類に増加している。毎年1月に市、栄養士、生産者の三者が話し合い、利用品目や量を決め、栄養士が献立をたて、
それに合わせて生産者が指定された農産物を毎日学校に運んでいる。(00.3.29)
●岐阜県富加町の地場給食
日本農業新聞00年2月10日付によると、給食週間にあわせ富加小学校ではふるさと給食会を毎年行っている。
児童とともに農家などが地場産品をつかった和食献立を食べて交流するというもの。献立は、黒米おこわ、黒米せんべい、
地場豚を使用したトンカツなど。 (00.2.26)
●岡山県下の地場給食
山陽新聞00年2月13日付によると、岡山県下で地場産の米や野菜を取り入れる学校給食が増えている。
保護者の要望や地元農業振興などの狙いから各自治体とも積極的な導入を試みている。具体的には、米が灘崎町、玉野市、船穂町、哲西町、倉敷市、
総社市など4市13町で地場産を指定。船穂町では農業公社の有機栽培ヒノヒカリを使用。哲西町ではほうれん草や大根などを有機栽培し、
野菜全体の7割程度を地場産にしている。倉敷市は、有機栽培キウイを導入。岡山市でも利用促進の提言がされている。(00.2.26)
●鹿児島郡吉田町で学校田栽培
南日本新聞99年12月5日付によると、鹿児島県吉田町の吉田小学校では毎年学校田でもち米を栽培。今年は赤米にも挑戦した。全児童で田植え、
稲刈り、脱穀を行った。12月3日、給食センターで赤米入りご飯として調理され、町内の7小中学校を含めてこのご飯を味わった。
(00.1.27)
●群馬県館林市で、学校田米を使ったふれあい給食
上毛新聞99年12月1日付によると、館林第九小学校では児童が学校田で栽培した米を使って自分たちで調理し、
お年寄りらとふれあい給食を楽しんだ。(00.1.27)
●兵庫県青垣町の父母による味噌汁給食
神戸新聞99年12月2日付は、
兵庫県氷上郡青垣町の芦田小学校で30年以上前から続く味噌汁給食が今年も12月1日よりはじまったことを伝えた。
学校給食がない芦田小学校で12月から2月末まで保護者が交代で調理をする。豚汁、カレー、シチューが出されるという。
児童数の減少で調理者当番が厳しいため現在は週に3回。同町のほかの3小学校でも3学期に行われる。食材は、
町内産の野菜や学校農園の野菜が使われている。(00.1.27)
●長野県本城村の地場型給食
信濃毎日新聞99年11月26日付は、
長野県東筑摩郡本城村の本城小学校の給食が99年度から自校方式に切り替わり食材に地域のお年寄りがピーマンを届けたり、
児童が採った栽培きのこや栽培した大根を利用している事例を紹介している。(00.1.27)
●熊本県の地場型給食
熊本日日新聞00年1月1日付けは、熊本県内の地場型給食についてまとめている。県内で地場産のコメを学校給食に使用している自治体は12町村
(昨年末現在)。上益城郡清和村の清和小では、昭和62年に村内産里芋を導入し、週に1度利用している。
平成10年からはコメも週に3回地場産を取り入れている。村内の生産者からの要望と、新鮮さ、安心、
子どもが地域の農業を知るきっかけにもなっている。八代郡竜北町では生産者が不定期にレンコン、イチゴ、ナシなどを贈ったり、
格安で提供している。宇土市でも給食センターに無農薬栽培の生産者からジャガイモ60kgが届けられた。熊本市でも、ナス、ピーマン、
春キャベツなどを取り入れるべく生産者団体らと協議を続けている。(00.1.27)
[ 00/12/31 地場産・産直 ]
千葉県市川市の学校給食の実状 調理員の取り組み報告
1.
はじめに
本校は、市川市の北部中央に位置し、東京のベッドタウンとして栄え、人口も増えている。しかし、農家もわずかだが残っており、
そのわずかな畑に囲まれた、のどかな環境に置かれている学校である。調理形態は小学校550食、中学校550食を調理する親子方式で、
栄養士1名、調理師1名、調理員6名、パート職員2名で、市川市内の給食調理規模としては、大きい学校である。
私たち調理員は、常に子供達の命を預かっているという意識を持って、安全でおいしい給食を提供できるよう調理している。
おふくろの味ではないが、子供達が将来、大人になって「この味、懐かしい給食の味、もう一度食べてみたい」というくらい、
心に残る給食をと心がけて、日々努力を重ねている。でも、食べてもらうだけでは、子供達の心に通じないのではないかと考え、
まず開かれた給食室をめざして、行動してみることにした。
給食室というと、同じ学校にありながら、大きな鉄の扉の向こう側といった別枠という感じではないだろうか。調理員の顔も子供達は
「どこかでみたことのある顔」という印象でしかない。しかし、本校に異動して5年、子供達とふれあえる給食室をめざして、学校教育の中で、
私たち調理員も、子供達の成長に関われると実感しながら働いている喜びを1年間を振り返りながら、個々に綴ってみた。
2.給食調理員と学校給食指導との関わり(開かれた給食室)
(1) 子供たちとのふれあい
(イ) 1年の始まりは、入学式である。新1年生が「学校は楽しい所」と感じてくれるよう、
その1つのイベントとして、私たち調理員の登場である。給食室で使う道具と、家庭で使う道具を比べて見せる(おたま、木ジャクシ、
泡立て機など)、「こんなに大きい道具を


