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時事情報2003 地場型を中心に
●山口県岩国市、伝統野菜の日
日本農業新聞03年12月4日付によると、山口県岩国市では月1回学校給食で地元食材の日を行い、その中で伝統野菜の日を組み入れ、
伝統的な品種の野菜を取り入れた学校給食を行っている。笹川錦帯白菜、岩国蓮根、岩国赤大根などを使用し、
歴史や地元でしか食べられないことなどを学んでいる。 (03.12.21)
●北海道、水産品の地場産消費推進運動
北海道新聞03年12月5日付によると、北海道は04年度、北の海の恵み愛食総合推進事業を行い、学校給食向けの製品開発や地産地消の推進、
北海道の水産業などを小学校向けに副読本にするなどの活動を行う。 (03.12.21)
●山梨県の農協、学校給食向けに炊飯器を贈る
日本農業新聞03年12月13日付によると、JA山梨中央会は3年前から米飯給食用炊飯器釜、
保温食缶などを学校給食施設に贈る活動を行っている。今年は小淵沢町学校給食センターに贈呈され、同町では週2.5回を3回に増やすとしている。
(03.12.21)
●福島県学校給食会、米高騰分を補填
福島民友03年11月16日付によると、福島県では学校給食用米をすべて県内産(郡域内産)でまかなっている。
冷害による不作を受けて米が高騰したため、福島県学校給食会は、価格調整積立金を取り崩し、市町村教委に高騰分を助成する方針を決め、
県産米飯給食の維持を行う。 (03.12.21)
●JAグループ福島、給食用米飯に追加助成
日本農業新聞03年11月27日付によると、JAグループ福島は、米の不作による高騰に対し、
現在米飯給食用に行っている玄米1俵1000円の助成を来年10月までさらに1000円加え2000円にすると決定した。
福島県学校給食会の価格調整積立金取り崩し措置を受けての決定。同JAグループは、米飯給食週5回の運動を行っている。 (03.12.21)
●宮城県、米高騰で助成金危機に
河北新報03年11月21日付によると、2000年より宮城県では県産米給食を行っているが、自主流通米ひとめぼれを使用。実行主体の宮城県、
農協グループ、学校給食会が政府米との差額を、県2分の1、農協と市町村が4分の1を負担するとしている。
県は負担の上限を1千万円としているが、冷害による高騰で負担総額が5500万円となり、農協と市町村の負担が大きくなっている。等級引き下げ、
給食費の値上げなども想定されている。 (03.12.21)
●茨城県友部町、地場産小麦パン導入に向けて
日本農業新聞03年10月2日付によると、茨城県友部町は、地場産小麦のニシノカオリを使用した学校給食用パンの試作品をつくった。今後、
生産量を増やし、導入するとしている。ニシノカオリは、菓子用小麦として開発された新品種。友部町では、
米パンの開発や野菜を学校給食使用など3年前から地産地消に取り組んでいる。 (03.11.02)
●宮崎県田野町の地場産給食
日本農業新聞03年10月23日付によると、宮崎県田野町では1学期に1回、地場産野菜100%の「食材の日」を設けている。
県産農産物学校給食理解促進事業の一環で、学校給食センターと町、生産者が計画し、実現した。田野町は、
2小学校1中学校の1300食を栄養士1名、調理員7名で調理している。 (03.11.02)
●宮城県、米のブランド化と冷害で地場産米給食に影響
河北新報03年9月15日付によると、宮城県は、2000年より宮城県を11のエリアに分け、
それぞれの地域で栽培された県産自主流通米ひとめぼれを全農宮城県本部から学校給食会に納入し、各地の学校給食に使用している。
この納入価格について、自主流通米価格が政府米価格を上回った場合、その差額を、宮城県が2分の1、
市町村とJAグループが各4分の1ずつ負担するという取り決めがある。従来は、差額負担が発生しなかったが、2003年5月以降、
宮城県産ひとめぼれが高騰したことで、8月から11月までですでに県と市町村を合わせると500万円ほどの負担が発生している。これに加え、
2003年産米の冷害による不作でさらなる米の高騰が予想され、負担額が増加する見通し。 (03.10.06)
●岩手県盛岡市、県産豆腐の日
日本農業新聞03年9月18日付によると、岩手県盛岡市は、毎月12日を盛岡豆腐の日とし、県産豆腐の豆腐料理を学校給食に出している。
2001年に、市農政課、教育委員会、JA盛岡市、JAいわて中央、県学校給食会で学校給食地場産品活用推進協議会をつくっており、
その取り組みの一環。 (03.10.06)
●北海道砂川市、地場産手作りみそを導入
日本農業新聞03年9月18日付によると、北海道砂川市では、米、玉葱を地場産としているが、このほど、地場産の米と大豆を使用し、
生産者グループで加工した味噌が通年学校給食に活用されることとなった。砂川市では、学校給食センターが、
市内7小中学校1700食をつくっている。 (03.10.06)
●岩手県矢巾町、JAが一括して給食食材納入
日本農業新聞03年9月25日付によると、岩手県矢巾町とJAいわて中央は2004年度より、
町内の小中学校5校の学校給食食材をすべてJAが供給する契約を結んだ。矢巾町では、2004年度より学校給食の自校方式を、
小学校増設に合わせセンター方式に転換する。その学校給食センターに納入する食材を、JAが一括して納入。農畜産物だけでなく、魚介類、
調味料なども含まれる。契約では、町内産を優先し、ない場合、JA管内産、県内産、国産と調達範囲を広げるとなっている。
従来1割以下だった町内産を3割に、県内産を7割に引き上げる計画。教育委員会は、価格よりも地産地消や食の安心を選んだ結果としている。
1日3000食、年間の食材費は1億4千万円。 (03.10.06)
●岐阜県の地産地消動向
日本農業新聞03年8月25日付は、岐阜県の学校給食地産地消についてまとめている。それによると、
岐阜県は健康で豊かな学校給食支援事業を2001年度に導入し、県産の米、小麦、大豆の購入費用を県、市町村、
JA岐阜中央会が直接補填している。年間予算は9千万円規模。県内全小中学校620校が同事業を採用。米は、県産銘柄ハツシモ、
コシヒカリを年間2200トン(玄米)供給。小麦粉は03年度550トンの予定。パンで30から50%の配合。県内の米、小麦、
大豆の生産量の1割が学校給食使用となっている。今後、きのこ、茶も支援対象となる。 (03.09.18)
●栃木県、地産地消指針を決定
下野新聞03年9月11日付によると、栃木県はとちぎ地産地消推進方針を策定した。学校給食での利用促進なども盛り込む。
今後地産地消県民運動実行委員会(仮称)が設立される見通し。 (03.09.18)
●山形県南陽市の地産地消給食
日本農業新聞03年9月4日付によると、山形県南陽市梨郷小学校は児童数104人で、地場産給食が充実している。梨郷学校給食・
野菜納入者の会が毎朝野菜を届け食材の60%をまかなっている。同会には10農家が参加。献立は市の統一献立だが、食材は独自に購入。
調理員が同会に発注する。食材が揃わないときには献立の変更も行う。給食室に届けた人と野菜名が掲示されている。年2回、
学校と会で品目と納入時期を協議、年間約40品目を納入。取り組みは11年目。 (03.09.18)
●鳥取県、地場産豆腐製品拡大
食品新聞03年9月8日付けによると、鳥取県豆腐組合は県内21店舗で鳥取県産100%マークの豆腐を発売、米子市では学校給食用豆腐、
油揚げなどの大豆約8トンを県産にきりかえた。 (03.09.18)
●秋田県東成瀬村、地場産導入
秋田魁新報03年7月23日付によると、秋田県東成瀬村学校給食センターは03年度より地場産農産物の導入を積極化した。
同センターは村内の小中学校各1校をまかなう。米飯は週3回、村内産あきたこまち。このほか、トマト、いんげん、かぶ、ほうれん草、山菜、
きのこ、卵、イワナなどを使用することが決まっている。 (03.09.18)
●鹿児島県の地場産給食
西日本新聞03年8月14日付では、「食の向こう側 九州農業白書から」を連載している。そこで、鹿児島県の地場産・
郷土料理給食を紹介している。鹿児島県では、学校給食での地場産食材利用にむけ、33の地域グループをつくり、
毎月栄養職員と献立作りについて検討している。また、学校職員や生産者がパネルや写真を使って地場産食材・
郷土料理の献立や食材説明を行っている。 (03.09.01)
●栃木県の地場産給食
日本農業新聞03年8月13日付けによると、栃木県農業会議が学校給食に関する打合会を開き、農政事務所、県、教育委員会、JA、
とちぎ農産物マーケッティング協会が出席し、給食での地場産利用について意見交換した。 (03.09.01)
●埼玉県白岡町、転作大豆豆腐を給食に
日本農業新聞03年8月9日付によると、埼玉県白岡町では転作大豆を豆腐として町内の小中学校10校に、豆腐、油揚げ、
がんもどきなどを供給している。 (03.09.01)
●広島県庄原市、地場産野菜の取り組み
日本農業新聞03年7月29日付によると、広島県庄原市の農産物直売所運営協議会が市内6小学校に地場野菜を供給しはじめた。
通常は週1回の納入、野菜や卵など。今後毎日の供給をめざす。 (03.09.01)
●千葉県、千産千消カレンダー
日本農業新聞03年7月26日付によると、千葉県は地域別食材カレンダーを作成し、どの食材が、いつ、どこから、
どのように出荷されるかをまとめ、学校給食関係者が県産食材を調達しやすくする目的。 (03.09.01)
●香川県財田町、地場産米使用
日本農業新聞03年6月5日付によると、香川県財田町のたからだ米推進協議会は、03年より地場産米を町内の保育園、幼稚園、
小中学校米飯給食に供給する。4月から保育園、幼稚園、6月から小中学校向けがはじめられる。対象は約600人で年間約4.5トン。
生産量は約100トン。従来購入していた米との差額を同協議会が負担する。協議会は、JAなどで構成。 (03.07.25)
●福岡県浮羽町、地場産の取り組み
日本農業新聞03年7月22日付によると、福岡県浮羽町ではJAを窓口に、各小学校から注文を受け、野菜、果物、
味噌など地場産食材を給食に供給している。 (03.07.25)
●宮城県矢本町、学期ごとに地場食材の日
日本農業新聞03年7月20日付によると、宮城県矢本町では、学期ごとにヤッくん給食の日として、地場産野菜の給食を小中学校8校、
3500食に出す。2001年度からの取り組みで、学区内の生産者が給食に参加して交流するなどの取り組みもある。 (03.07.25)
●鹿児島県伊仙町、農業高校から食材仕入れ
日本農業新聞03年7月16日付によると、鹿児島県伊仙町では、町内の県立徳之島農業高校が町立学校給食センターに食材を供給している。
本年度からの取り組みで、学校給食センターの働きかけで実現。当日までにピーマン、なすを供給した。
高校生の写真やメッセージを添えて給食で紹介している。同センターは小中学校11校、約960食。現在は、全量をまかなっていないため、
来年から農業高校で計画的に生産するという。 (03.07.25)
●埼玉県鴻巣市、地場産農産物の取り組み
日本農業新聞03年7月8日付によると、埼玉県鴻巣市では、地場産のジャガイモを学校給食で使用しはじめた。
鴻巣市の学校給食は小学校12校約600人で、自校方式で統一献立。月2~3回、地元産ジャガイモを使用するという。同市では、
2年前より市内産米「朝の光」と県産コシヒカリを混ぜて利用しており、今後も地元食材を拡大するとしている。 (03.07.25)
●神奈川県、米粉パンの試験導入
日本農業新聞03年7月2日付によると、神奈川県は米粉パンの導入に向けて県内5小学校をモデル校に選定、将来の導入を考えている。
横須賀市のモデル校では、米粉85%、グルテン15%のものを試食した。神奈川県は、米飯給食が週平均1.9回で、
米粉パンでの米比率向上を目指す。 (03.07.25)
●栃木県小山市、月1回、地場産の日
日本農業新聞03年5月23日付によると、栃木県小山市は、市内産の食材のみで学校給食をつくる「オール小山食材利用の日」
を2003年度より月1回(年10回)実施する。小山市は、2001年10月より市内小中学校38校(約16000人)
すべてで市内産コシヒカリを導入。02年に小山和牛、03年には地場産米使用の米パン導入など地場産農産物の学校給食導入に力を入れている。
さらに、地場産の農産物などを利用することで「地域農業のことや郷土愛をはぐくんで」もらうため、市が400万円の予算を計上し、
月1回の地場産の日を実施することとなった。 (03.06.25)
●北海道岩見沢市、地場産大豆で納豆を
日本農業新聞03年5月27日付によると、北海道岩見沢市は、地元産大豆スズマル約2トンの納入契約をJAと結び、さらに、
同大豆を使用することを条件に、納豆業者を入札選考、年9回、地場産大豆の納豆を学校給食に取り入れる。岩見沢市は19の小中学校約7200食。
(03.06.25)
●愛媛県松山市、県産裸麦粉パン導入
日本農業新聞03年5月28日付によると、愛媛県松山市は県産裸麦を使用したパンを学校給食に取り入れた。松山市学校栄養士協議会の提案で、
小麦粉8割、裸麦粉2割の比率。裸麦は県産のイチバンボシだが、小麦粉は輸入もの。今後2カ月に1度導入するとしている。
松山市は小中学校80校。 (03.06.25)
●群馬県の県産小麦パン導入経緯
上毛新聞03年5月18日付は、口福論ぐんまの食15回で、
2001年より群馬県の学校給食として導入されている県産小麦パンの導入経緯について触れている。県産小麦農林61号はふくらみが少なかったが、
食品添加物や砂糖、卵などを極力使いたくないとして検討した結果、地場の伝統的な「おやき」をイメージに、
ふくらまない点を特性として生かす方向で再検討し、丸形の薄焼きパンを完成させた。現在は、年間約60万食がつくられている。名前は公募で
「ぐんまるくん」となり、現在、「しろまる」「あままる」がある。 (03.06.25)
●富山県、米粉パン導入に向けて
日本農業新聞03年4月29日付によると、富山県米消費拡大推進協議会は、県食品研究所が開発した、小麦粉と小麦グルテン、
米粉での米粉含有パンの試食会を行い、学校給食への導入検討を行った。米粉50%程度を検討。 (03.05.18)
●熊本県宮原町の地場産給食
熊本日日新聞03年5月12日付によると、熊本県宮原町は、地場産使用に力を入れている。宮原小学校は、
02年度の熊本県の地域産品利活用促進モデル事業校であり、03年度も町の助成を受けて地場産品活用を継続している。現在は、
野菜果物の5割が町内産。下処理の手間や仕入れの煩雑さ、品質や大きさのばらつきなどはあるが、新鮮さが利点という。また、
生産者が身近にいることで、児童の食べ残しが減るなどの変化があるという。 (03.05.18)
●島根県柿木村の地場産給食
産経新聞03年5月9日付は、「食大全・第5部日本のスローフード」の特集で島根県柿木村の地場産学校給食を紹介している。柿木村は、
人口約1800人、小中1校ずつ。毎日、生産者の顔と名前が貼り出され放送で伝えられている。米は棚田の有機米。
体験学習で棚田での稲作体験や交流給食などもある。給食残食率もほとんどゼロだという。 (03.05.18)
●新潟県上越市の「飢餓体験」と地場産給食
日本農業新聞03年5月8日付によると、新潟県上越市大手町小学校は25年前から毎年小学校5年生に1泊2日の飢餓体験「食糧その日」がある。
生産のできない冬場を自分たちが学校のそばで借りた田畑で栽培収穫したものだけで過ごすと仮定し、1食分を割り出し、自分たちで調理、
1泊2日をその3食で過ごす体験。昨年はご飯2口、トウモロコシ1粒、かぼちゃ少々。この体験後は、給食の残食が減り、
食や農への関心が高まるという。また、同小では給食参観日があるなど食への取り組みを続けている。上越市では、市内29校が統一献立・
一括購入だが、地場産給食への取り組みもはじまっている。 (03.05.18)
●静岡県大須賀町の特別給食と地場産給食
日本農業新聞03年5月1日付によると、
静岡県大須賀町では同町横須賀小学校が00年の文部科学省食生活に関する教育実践事業モデル校に指定され、地場野菜の利用がはじまった。
01年度より地場産利用がはじまり、02年度には3割が地場産となっている。現在は、農家リストをもとにしており、
今後生産者を組織化する見通し。同町では、年4回の特別給食があり、フランス料理、中華料理の料理長らを呼んで献立開発を行なっている。
(03.05.18)
●山口県、県産穀物使用に補助制度
中国新聞03年4月9日付によると、山口県は、県産農産物消費拡大に向け学校給食用の新たな補助制度を設けた。
県産米を週3回以上もしくは前年より多く使用し、県産100%の豆腐、パン、麺類をそれぞれ年1回以上導入するというすべての条件を満たせば、
県外産との差額を県と県農協中央会が負担する。助成金は加工業者に渡され、学校は従来の価格で購入する。3年間の事業。 (03.05.05)
●鳥取県河原町、地場産使用急増
日本農業新聞03年4月10日付によると、鳥取県河原町の学校給食センターでは地場産野菜の利用が急増している。センターでは幼稚園、小、
中学校の5校分で約1000食を配食する。地元の納入業者が廃業し、地場の生産者女性グループがあとを引き継ぎ、
地場比率は02年度に5割を超え、73種類にのぼった。 (03.05.05)
●秋田県、JA秋田やまもとが地場産牛乳検討
日本農業新聞03年4月15日付によると、JA秋田やまもとは、地域の町村教育委員会や酪農家、県関係者と食農実践会議を持ち、
地場産牛乳の学校給食への供給について検討をはじめた。酪農家の生産量は確保できるが、全量を大手に出荷しており、
殺菌などの加工施設が問題となる。 (03.05.05)
●富山県、県産コシヒカリ米粉パンの導入状況
日本農業新聞03年4月22日付によると、県産コシヒカリ米粉パンの導入が各地で広がりつつある。高山市は試験導入後03年度から実施。
富山市も実施の方向で米粉30~50%のものを導入する方針。高岡市は年に7回の導入を予定。 (03.05.05)
●給食パンの輸入小麦離れ
週刊朝日03年3月21日号は、「給食パン 輸入小麦離れ 始まった 残留農薬を敬遠!?」との記事を掲載している。国産小麦100%のパンは、
東京都立川市が1999年度から、2001年度からは東京都府中市、佐賀県佐賀市、2002年度は東京都稲城市、山口県新南陽市、
小野田市が導入している。また、国産小麦を10%~30%混合している府県があり、北海道、佐賀県では国産小麦100%と輸入小麦100%
を選択できる。国産小麦の使用について、地場産振興が目的で農薬問題とは関係ないとする県がある一方、安全性を向上するためとする県もある。
記事では、輸入小麦が流通過程の虫害を防ぐためにポストハーベスト(収穫後)農薬を使用しており、その中には残留基準のないものもあり、
安全性を不安視する専門家の声を紹介している。 (03.04.06)
●新潟県大潟町:地場給食のしくみ
日本農業新聞03年3月21日付によると、新潟県大潟町では2001年9月より地場産農産物を学校給食に取り入れている。現在は、
大潟わくわくアグリネットワーク学校給食小部会が生産・納品を担当している。給食センターでは1400食を調理ており、
タマネギなどは生産側で皮をむいて納品するなどしている。2002年度の品目は、ジャガイモ、ダイコン、キャベツなど26品目約5.7トン。
今後作付け面積、品目などを拡大する予定。生産者を招いての会食会なども行っている。 (03.04.06)
●山形県藤島町:地場型給食のしくみ
山形新聞03年3月17日~19日付は、「やまがた発 食と安全 地産地消編」を3回に分けて掲載し、
その中で山形県藤島町の学校給食について紹介している。藤島町のふれあい食センター「サンサン」は、小学校4校、中学校1校、児童館、
幼稚園5カ所の約1400食を調理。2002年4月に稼動。町内のサンサン畑の会が地場産野菜などを生産・納入する。畑の会は17個人、
4団体で大規模専業農家から小規模農家まで揃う。03年度からは地場産、地場加工の梅干しなども取り入れる。
4月から12月までの町内産割合は43.4%。野菜クズ、残飯などは卵を生産する養鶏集団がひきとり、鶏の餌となる。
畑の会の全員が年度当初に納入計画書を作成し、栄養士がこれをもとに献立を作成、栽培農家に確認して発注する。 (03.04.06)
●兵庫県、米粉パンの学校給食導入に助成
神戸新聞03年3月8日付によると、兵庫県は地産地消の一環として米粉パンを学校給食に導入する市町に対し、原材料増の半額を助成する。条件は、
米粉パン導入によって米飯回数を減らさないこと。篠山市では4月より、米3回、米粉パン2回の給食となる。米粉の原料は地場産コシヒカリ。
原料費は1個あたり20円増となり、市が10円、県が10円の補助を行う。 (03.03.30)
●長崎県郷ノ浦町の給食野菜生産者
日本農業新聞03年3月6日付によると、長崎県郷ノ浦町給食センターでは、町内のひとりの生産者が野菜を周年で供給し続けている。
1968年に郷ノ浦町給食センターが稼動し、16人の生産者が学校給食野菜を納品していたが、1975年以降は小島幸満さんひとりとなり、
28年間、野菜を納品し続けている。100アールに、タマネギ、ニンジン、キャベツ、ジャガイモ、ダイコン、ハクサイなどを作付けし、
減農薬で栽培する。 (03.03.30)
●富山市、秋冬野菜から地場産導入
北日本新聞03年2月27日付によると、富山市地場産農産物の学校給食への消費拡大連絡協議会が開かれ、
秋冬野菜から生産団地の近隣校で地場産農産物を使用する方針。 (03.03.30)
●広島県東広島市、4品目から地場産野菜導入
中国新聞03年3月7日付によると、広島県東広島市は、新年度より八本松学校給食センターにて地場産のキャベツ、タマネギ、ピーマン、
アスパラガスを導入する。4生産者が減農薬、減化学肥料で栽培。4小学校、2中学校、1幼稚園、5保育所の約3200食。 (03.03.30)
●広島県三次市、地場産給食導入
中国新聞03年2月6日付によると、広島県三次市では03年度より地場産給食を導入する。導入するのは、
4小学校の給食をつくる1給食センターと周辺の保育所。今後仕入れ方法などを調整するとしている。(03.03.17)
●北海道美唄市、米粉パン試験導入
北海道新聞03年1月29日付によると、北海道美唄市では地場産米きらら397を85%、小麦グルテン15%
のものを市内パン工場で市内全小中学校約2800食を製パン。試験採用。(03.03.17)
●冷食会社、地場野菜・無添加加工品供給
日本経済新聞03年2月27日付によると、神奈川県の冷凍食品メーカー・ニッコーは、化学調味料を使わず、地場産の野菜を使った冷凍食品を開発、
学校給食に納入する計画。すでに、試験的に横浜市の小学校の一部に導入され、今後、大和市、海老名市、茅ヶ崎市の給食センターに納入される予定。
(03.03.17)
●長野県職員が給食の地場型売り込み
日本農業新聞03年2月8日付によると、長野県は、県農政部、教育委員会の職員が県内の小中学校等を直接訪問し、
地元農産物の学校給食利用を働きかける営業活動をはじめた。地域食材リストや旬のカレンダーなどの資料を作成し、県産食材100%
の実現をめざすとしている。 (03.02.21)
●岩手県大槌町、地産地消の日
日本農業新聞03年2月7日付によると、岩手県大槌町では地産地消運動の一環で地産地消の給食を行った。
大槌町と釜石地方地産地消推進機構が約1800食分の米、野菜を提供。2回目となる。 (03.02.21)
●兵庫県篠山市、地場産米粉パンに切り替え
日本農業新聞03年2月6日付によると、兵庫県篠山市は03年度より学校給食用パンをすべて地元産米粉パンに切り替える。市内幼稚園、小中学校、
養護学校で年約38トンの米消費が増えるという。週3回の米飯給食はすでに地元産コシヒカリを使用している。米粉パンは、
市内産新米を学校給食総合センターが仕入れて製粉、市内のパン工場で生産。従来パンとの価格差は市が補助金を計上して対応する。
(03.02.21)
●広島県三次市、地場産給食導入
中国新聞03年2月6日付によると、広島県三次市は、地場の野菜を学校給食に導入する。まず4小学校の給食をつくるセンターからはじめる。
市のふるさと農林業創造プランの柱として、野菜の安定供給先の確保と総合学習などへの活用を期待する。 (03.02.21)
●長崎県大村市の地場型給食アンケート
日本農業新聞03年2月3日付によると、長崎県大村市の委託を受け、
長崎大学環境科学部の中村修助助教授が行った同市全児童の保護者を対象としたアンケート結果がまとまった。それによると、
地場産使用のために給食費を値上げすることに対し保護者の73%が理解を示した。また、
地場産給食は新鮮で安心であるとのイメージが浮き彫りになった。 (03.02.21)
●栃木県小山市、地場産米粉パンに切り替え
日本農業新聞03年2月1日付によると、栃木県小山市は03年度より学校給食用パンの一部を地場産米粉パンに切り替える。
小中学校38校15400食が対象。週2回がパン、週3回が米飯で、米粉パンは月2回程度。年間11.7トンの地場産米消費増となる。
(03.02.21)
●兵庫県小野市、酒米パンの導入
日本農業新聞03年2月1日付によると、兵庫県小野市は酒米山田錦を利用した米粉パンを学校給食に導入する予定。JA兵庫みらいが、
地場産の酒米山田錦を利用した米粉パンを試作、酒米の栽培面積維持や地産地消の拡大を目指す。 (03.02.21)
●秋田県、県産小麦・酵母で地産地消パン
河北新報03年1月28日付によれば、
秋田県は秋田県大潟村産小麦のハルイブキと白神こだま天然酵母を利用したバターロールを2月~3月にかけて3回学校給食に出す。
県内公立小中学生は約440校約10万人。03年度は5回程度を出す方針。1個あたり10円のコスト高は、半分を県が補助し、
今後コストや技術改善に努めるという。 (03.02.13)
●北海道美唄市、地場産米粉パン試験導入
日本農業新聞03年1月29日付によれば、北海道美唄市は地場産米きらら397を85%、小麦グルテン15%使用の米粉パンを試験導入し、
市内8小、6中、5保育所の約2780食が供給された。今後も試験導入し、本格導入を検討する。北海道内での米粉パン給食は初。
コスト増分は市農政課が負担した。 (03.02.13)
●茨城県友部町、独自の米粉パン開発
日本農業新聞03年1月23日付によれば、茨城県友部町は、県産米粉50%、小麦粉50%、白神こだま酵母使用のパンを開発、
町立小学校保育所などで3千人が試食した。町では、今後、地場産米ゆめひたち、地場産小麦の新品種ニシノカオリを町内栽培し、
コストを下げて学校給食に取り入れたいとしている。また、米飯、パン、野菜、麦茶などで地場産給食を拡大したいとしている。
(03.02.13)
●鹿児島県南種子町、給食用野菜施設完成
日本農業新聞03年1月28日付によれば、鹿児島県南種子町では給食等地場野菜供給安定対策事業としてハウス施設を建設、完成した。
すでに3人が、トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、レイシ、ネギ、メロンを栽培している。学校給食の地場産野菜として活用される予定。
(03.02.13)
●千葉県、月1回、全食材県産の給食を
日本農業新聞03年1月23日付によれば、千葉県は4月より月1回、献立をすべて県産食材でつくる千産千消デーを学校給食に設置する方針。
県学校給食栄養士会、JA、市場、小売、消費者団体らと県産農産物販売促進の会議を開き、栄養士らからは、趣旨に賛同するものの、
価格面や入手性をよくするなどの要望が相次いだ。 (03.02.13)
●滋賀県水口町、地場産献立
日本農業新聞03年1月31日付によると、滋賀県水口町学校給食センターは、小中学校、幼稚園の約5260食を調理している。
日常的に地場産野菜などを使用しているが、給食週間中に滋賀県認証環境こだわり農産物を使用。農薬・化学肥料5割以下のもの。
栄養士らが栽培ほ場を回り、生産者や収穫風景をビデオ化、各学校に配布、生産状況も紹介した。 (03.02.13)
●栃木県、県産かんぴょう献立
日本農業新聞03年1月24日付によると、学校給食週間に栃木県の各地では県産のかんぴょうを使った給食を出すところが多い。
県干瓢商業協同組合調べて、小山市、宇都宮市をはじめ、県内42市町村など、376校分、573kgが取り扱われた。 (03.02.13)
●鹿児島県、地場産給食実施
日本農業新聞03年1月17日付・南日本新聞1月24日付によれば、鹿児島県は、学校給食週間に合わせ、
県内885小中学校で県産食材をつかった「鹿児島県をまるごと味わう学校給食」を行った。献立は市町村別に異なり、
南種子町のインギー鶏のすき焼き、与論町のそてつおじや、また、古代米赤飯、ヤキ汁、飛魚のすり身揚げなど工夫されたものとなった。
(03.02.13)
●岩手県東和町の地場型給食
日本経済新聞03年1月1日付によると、岩手県東和町では1999年より8小学校で地場産ひとめぼれを使用。米飯給食は週4回。また、
葉物野菜や芋類も地場産を使用。生産者から栽培状況や品種ごとの調理の提案も行っている。 (03.01.26)
●宮崎県えびの市、週5回、地場産米
日本農業新聞02年12月31日付によると、宮崎県えびの市では、地場産のヒノヒカリを使用し、週5回の米飯給食を行っている。
県給食会の米より割高だが、差額は、市とJAが負担。 (03.01.26)
●愛知県、学校給食に新品種を導入
中日新聞03年1月10日付によると、愛知県は、県農業総合試験場が開発した新品種「あいちのかおりSBL」を県内で栽培し、
それを県内の小中学校の給食に利用する方針を示した。減農薬での栽培がしやすい品種だという。 (03.01.26)
[ 03/12/31 地場産・産直 ]
千葉県市川市の民間委託差し止め訴訟 控訴審でも敗訴、しかし、民間委託に一定の歯止めの判決
千葉県市川市の民間委託差し止め訴訟
控訴審でも敗訴、しかし、民間委託に一定の歯止めの判決
千葉県市川市では、2000年4月に学校給食調理の民間委託を開始しました。これに対し、
市民有志が委託契約は不法な財政支出だとして住民監査請求を行い、差し止めを求めましたが、棄却されてしまいます。この棄却を受けて、
住民代表が住民訴訟を起こしました。千葉地方裁判所の一審は2002年に棄却の判決を出しましたが、
原告側が求めていた証人尋問などが行われないままの判決でした。そこで、東京高等裁判所に控訴していました。2003年9月24日、
判決が出され、ここでも差し止めは棄却されてしまいました。
判決文をほぼ全文掲載するとともに、この判決について全国学校給食を考える会・事務局長の野田克己さんに解説をお願いしました。また、
原告である植村秀樹さん(流通経済大学教授)からのメッセージもいただいています。
■判決は間違い。
しかし、民間委託への一定の歯止めに
この判決は、1985年に当時の文部省体育局長が出した学校給食のセンター化、調理員のパート化、民間委託化を推進させるいわゆる
「合理化通知」と2003年7月の文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長による「合理化通知を徹底せよ」との事務連絡をひきあいに、
調理の民間委託が学校給食法上違法でないことを前提とする判断となっています。
まず、この点で、そもそもの間違いがあります。学校給食の民間委託には法的な根拠がなく、法的根拠のないままに、文部省(当時)が
「合理化通知」を出しているわけで、そもそもこの「合理化通知」が間違っています。
学校給食の大切さ、教育としての位置づけ、安全性の確保などについては、判決でも再三述べられていますが、学校給食をコストにとらわれ、
センター化、パート化、民間委託させようという「合理化通知」は、学校給食の目的や安全性の確保に反するものです。現に、センター化については、
1997年の文部省(当時)の保健体育審議会答申で、教育面、安全性の確保から自校方式が望ましいと軌道修正しています。また、判決でも
「もっとも、民間委託においては、衛生・安全の確保、必要な運営改善措置等が図られることが特に求められるところであり、上記体育局長通知
(合理化通知のこと)においても、この点が留意事項として示されている」(()内は筆者追記)と、民間委託の問題点を特記しています。
コスト削減を目的とした民間委託が、求められる給食の質を落とすことは避けられず、
民間委託に法的根拠がない点を正しく判断して欲しかったところです。
「民間委託に違法性がない」との判断は、しかし、法的根拠がないことを、暗に示しています。文部科学省(行政)が通知を出している以上、
学校給食法(立法)でも禁止していない限り、裁判所(司法)
としては踏み込んで違法と言えないという今の司法全体にみられる消極的な立場をとったということでしょう。
この判決は、もちろん、市川市の子ども達、学校給食にとっては大きなマイナスです。しかし、よく読めば、
市川市ならびにすでに調理の民間委託を行っていたり、これから行う自治体に対して、一定の歯止めをかけていることがわかります。
まず、市川市の民間委託については、多発する異物混入などの事故に対し、「給食事故は、児童生徒の健康に直接影響をもたらすものであるから、
絶対にあってはならないものであり、原因の究明及び有効な改善策の実施が喫緊の課題であることもいうまでもない」と、注文をつけています。
市川市に限ったことではなく、「学校給食の民間委託に当たって、不特定多数の給食業者の参加者を求め、
競争によって受託業者を選定することは適当ではなく、価格の有利性をある程度犠牲にしても、資力、信用、経験、
理解等を備えた受託業者を選定し契約を締結する方法を採ることが、教育目的を究極的に達成する上でより妥当であると考えられる」と判断を示し、
コスト削減に陥りすぎてはならないこと示しています。また、「合理化通知」の留意点である、献立作成は委託対象としないことや、物資購入、衛生、
安全の確保に対して設置者が意向を十分に反映させるための管理体制などを、民間委託の条件にも示しています。
ここから読みとれるのは、学校給食の民間委託をコスト削減のみで行うことには、慎重であるべきという裁判所の判断です。この点は、
私たちが危惧する民間委託の問題点を採用したものとして評価しています。
たとえば、新潟県新津市がすすめているPFI方式の学校給食センター建設・運営などは、この判決から問題があると言えるでしょう。新津市では、
委託会社に、献立の作成、食材の購入など学校給食の実体のほとんどをまかせ、
献立の確認を行うことや食材の質の指定を契約書に入れることで違法性がないとうそぶいています。これなどは、本判決の趣旨からして違法です。
また、全国で民間委託を導入する際に住民や保護者に示される「いくら安くなります」についても、本判決をふまえて、その根拠を明確にし、
自治体の言うコスト削減が、その犠牲となるものにふさわしいかあらためて判断する必要があります。
裁判そのものは負けましたが、この判決を最大限に活かして、各地の民間委託に少しでも歯止めをかけていきたいと思います。
(全国学校給食を考える会事務局長・野田克己)
■民間委託については今後も検証を。
安全性と学校教育の一環との視点を裁判所が示したことは重要です。
学校給食の民間委託そのものの違法性を裁判所が認めなかったことは、誠に残念です。委託の実情、実態を多少なりとも知れば、
委託の持つ構造的な問題をわかってもらえるだろうと考えていましたが、裁判所の認識はそこまで及びませんでした。
しかしながら、判決文には、市川市で実際に起こっている数多くの事故が、委託と関係している可能性を示唆するような表現も見られます。つまり、
これまでの直営と遜色ない水準を維持できるのならば違法とはいえない、という認識に立っているのではないかと思われます。つまり、
経費削減を目的に委託を進めていくことには慎重さが必要だという点は、裁判所も認めているといえるでしょう。
民間委託については今後、経費、安全性、教育の一環としての給食の質など、さまざまな面から検証していかなければなりません。
民間委託の本質的な問題にまで裁判所の認識が至らなかったことは遺憾ですが、
あくまで安全性の確保と学校教育の一環という学校給食の最も重要な面をおろそかにしてはならないということを裁判所が明示したという点は、
今後の運動にとっても意義のあることだといえるのでないでしょうか。(原告 植村秀樹)
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■判決文
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り戻す。
2 被控訴人は、千葉県市川市に対し、1億1666万6068円を支払え。
3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。
第2 事実の概要等
1 控訴人は、千葉県市川市(市川市)の住民であるが、市川市が平成12年4月、協立給食株式会社との間で、学校給食調理業務委託契約
(本件契約)を締結したことにつき、同契約は、学校給食における責任体制を崩壊させるとともに、
極めて高度の安全性が要求される学校給食に係わる安全管理を受託業者任せにして児童の健康管理を危険にさらすものであり、学校給食法に違反し、
裁量権の範囲を逸脱、濫用するものであるなどして、地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下同じ)
242条の2第1項4号に基づき、市川市に代位して、当時市長の職にあった被控訴人に対し、
1億1666万6068円の損害賠償を求めたものである。
原審は、本契約に違法はないなどとして、控訴人の請求を棄却したので、控訴人が控訴した。
2 「争いの事実等」及び「争点」
次のとおり、当審における当事者双方の主張を不可するほか、原判決の「事実及び理由」第2の1及び2に摘示のとおりであるから、これを引用する。
(1)控訴人の当審における主張
ア 学校給食法は、昭和29年に制定された学校給食に関する基本法であって、義務教育諸学校における学校給食が児童、
生徒の心身の健全な発達に資し、国民の食生活の改善に寄与することから、学校給食の普及、充実を図ることを目的とし(1条)、
義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、同2条各号所定の目標の達成に努めるべきこと(2条)、学校設置者は、
学校給食が実施されるように努めるべきこと(4条)、国及び地方公共団体は、学校給食の普及、健全な発達に努めるべきこと(5条)を定めている。
平成9年の当時の文部省保険体育審議答申においても、学校給食が多面的かつ重要な機能を有することを明らかにしている。
学校給食法は、義務教育諸学校設置者に対し、学校給食の直営を義務付けており、例外的に業者への委託(民間委託)によって実施する場合には、
給食の質、教育的意義、危機対応等の全てにおいて直営と同一水準であることが保障されていることを要するとともに、民間委託するに当たっては、
法令上の根拠が必要であると解すべきである。
イ 学校給食は、献立の作成から始まって食事に至るまでの一連の過程全てが緊密に関連しており、教員、
栄養士及び調理員が一体となって教育的見地に立脚して行われるものであり、民間委託によってはそれを実現することは実質的に不可能である。
学校給食法は、学校栄養教員は、
栄養士の免許を有するもので学校給食の実施に必要な知識又は経験を有するものでなければならないと定めている(5条の3)。栄養士とは、
栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とするものをいう(栄養司法1条)。栄養士は、教員・児童生徒・
調理員の意見を反映した献立をし、材料を調達し、調理指導を行う能力が求められ、児童生徒の関心を高め、献立作りに参加する意義を引き出し、
健康と食物に関する関係を理解させるように指導する立場にあり、教員・児童生徒・調理員を有機的に連携させるものとして、
学校給食の要としての重要な役割を担っている。
ウ 学校給食の民間委託は、栄養士を排除し、調理場との連携を断ち切り、学校給食法で定められた義務教育諸学校の設置者、
地方公共団体の任務を放棄し、学校の責任を遂行しないものであって、学校給食の本質に反しており許されるものではない。
現に民間委託された事例によれば、次のような弊害が生じており、これでは学校給食の目的及び目標を到底達成する事は出来ない。
(1) 栄養士と教員・児童生徒・調理員(受託業者の従業員)との意思疎通の欠如等によって教育の場としての機能が失われた。
(2) 栄養士は、調理場に立ち入ることができず、指示書によってしか指示ができない。
(3) 栄養士が現場で経験をつむ事ができず、能力が養われない。
(4) 栄養士の指示書による指示と受託業者の指示が衝突する場合には、現場の従業員は後者の指示に従う
(5) 栄養士の指示には限界があるため、受託業者の調理についての責任体制が崩壊している。
(6) 受託業者が栄養士の指示に見合う受託料を受領していないとして義務を拒否し、学校給食が停止した事例もある。
(7) 調理員と児童生徒との触れあいの機会が失われている。
(8) 調理員の配置転換が、学校教育と関わりなしに受託業者のみの都合で行われる。
(9) 受託業者の経費削減、手抜きがされ、熟練の調理員が育たず、分業化・マニュアル化システムの進行、非常勤調理員が多数雇用され、調理・
衛生管理上の問題が生じており、充実した学校給食を実施することができない。
(10) 市川市における学校給食の民間委託は、平成12年度から始まり、その調理場は合計45箇所ある。
学校給食事故の発生について市川市教育委員会に報告(甲21の1以下)されたもののうち民間委託関係では、委託6校中、大柏小学校12件、
大野小学校10件、宮久保小学校14件、国分小学校5件となっており、その他報告漏れが数件ある。
事例としては、毛髪・調味料中栓・輪ゴム・ビニール断片・糸・虫の死骸・止め金・裁断機断片等の混入、トレー・スプーン等に前日の残りが付着、
アメリカンドックの半生等の事例が実際に起きている。これに対して、直営関係では、学校給食事故が発生したのは、39校中、
僅かに3件に過ぎない。また、平成15年5月31日付け報告書(甲25)によれば、重大な結果に繋がりかねない給食事故が多発しており、針金・
ホッチキス針・芋虫・ハエ・蟻の混入、回転釜の空焚き等が起きているが、有効な改善策は何ら講じられていないのが実情である。
このように民間委託における学校給食事故の多発は、民間委託が本質的な欠陥を有していることを集約的に表しているものである。
エ 控訴人は、第1次的に本件契約の締結が裁量権の逸脱、濫用に当たると主張しており、仮にその主張が認められないとすれば、
見積もり合わせによる契約方法が違法であることを主張しているのである。後者については、学校給食の目的・目標、栄養士の役割、
民間委託の弊害等に付きこれまで述べてきたこと及び見積もり合わせ方式の実質は、特定業者に利益を与えることを目的としていること、受託会社は、
2回目以降は見積もり合わせもなく、事実上再契約が出来る措置が採られていること等によれば、学校給食の民間委託には重大な危険性があるから、
本件契約において競争入札を採用せず、見積もり合わせ方式が採用されたことには合理性がなく違法であり、被控訴人には故意、
過失により指導監督を怠った義務違反の責任がある。
オ 損害の発生については、本件契約の締結そのものが違法である以上、それに基づく経費(委託料)の支出も当然に違法となるのであるから、
それが相当因果関係にある損害になることは明らかであって、直営と民間委託との各経費の比較はそもそも問題にならない。
(2)被控訴人らの当審における主張
ア 市川市教育委員会は、市川市教育委員会事務委任規則(委任規則、丙41)を定め、同教育委員会の職務権限に属する事務のうち、
委任規則1条各号に掲げる事項を除く事務を教育長に委任している。市川市学校給食調理業務委託の決定に係わる事務は、教育長に委任されており、
その決定に基づいて同教育委員会学校教育部長(教育部長)が、その専決により民間業者と業務委託契約を締結することとされているから、
教育部長による業務委託契約の締結は、同教育委員会から委任された教育長の決定が著しく合理性を欠き、
そのために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存在するときを除き、財務会計上の義務に違反する違法があるということはできない。
また、被控訴人は、専決権者たる教育部長が財務会計上の行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し、
故意又は過失により教育部長の財務会計上の違法行為を阻止しなかったときに限り、損害賠償責任を負う。控訴人の主張は、
この判断枠組みに従った主張になっていないし、本訴はもともと代位請求訴訟に乗らない訴訟である。
イ 控訴人は、学校給食の民間委託は許されないと主張する。しかし、学校給食法4条から直営の原則を導くことはできない上、 直営と民間委託の差違は、従事職員の身分上の差違に過ぎず、同法2条所定の目標の達成とは関係がない。 民間委託は昭和60年1月21日付け文部省(現、文部科学省。以下同じ)体育局長通知「学校給食業務の運営の合理化について」(丙4) によって推奨されており、学校給食の運営の合理化及び人権費等の経常経費の適正化を目的として実施されているものである。一方、 財務省も今後学校給食の民間委託を推進することにより、調理員1人あたりの人件費を削減すべきことを指摘している。そして、文部科学省は、 平成15年7月18日付けスポーツ・青少年局学校健康課長事務連絡(丙47)により、市町村教育委員会に対し、 上記昭和60年通知の趣旨を再確認し、学校給食の運営合理化を一層推進するよう示達した。これは、 民間委託が学校給食法2条の目標達成にとって何ら支障にならず、弊害が生ずるものではないことを前提とするものである。 元来教育方針により学校給食を実施しないことが学校給食法上許容されているにもかかわらず、民間委託だけが許されないと解することはできない。
ウ 控訴人は、民間委託が栄養士を排除することになる、民間委託によって栄養士が排除されるなどと主張する。
しかし、学校給食の運営に係る様々な問題は、民間委託と直営とで異なるところはなく、民間委託に固有な弊害等があるわけではない。
民間委託による業務は、調理、給食の配食・運搬、調理後の調理器具・食器等の洗浄、調理室の清掃・点検、
ごみ処理等の比較的機械的なものである上、委託に当たって学校給食に理解があり、実績があって協力的な業者を選定しており(丙6)、
日常的に栄養士と連絡調整している。受託会社は、調理員に対する安全、衛生等の各種研修が義務付けられている(丙28)。
栄養士の職務内容は、昭和61年3月13日付け文部省体育局長通知(丙3)に示されており、民間委託の場合でも支障はなく遂行することができる。
また、市川市の民間委託は新規のものであり、導入の段階で仮に支障が生じるとしても、改善策を講ずることで対応が可能である。学校給食の目標は、
児童生徒が作業の過程を見学し、調理器具に触れるなどの実体験を通じて達成される。教員や栄養士と調理員のコミュニケーションも、
円滑に行われているし、調理員が児童生徒に給食を直接手渡し、厨房器具、調理方法等の説明をしている。調理の手抜き等は現実に生じておらず、
受託会社が契約上の義務を履行する限り、問題は生じない。非常勤の調理員の増加、
熟練の調理員が育たないこと等の雇用関係の問題は市川市が関与すべき事項ではない。
食材の衛生管理は、文部科学省の学校給食衛生管理の基準(丙25)、市川市学校給食の手引き(丙26、27の1・2)に従って行われている。
事故の発生については、民間委託が直営に比較して特段に多いわけではなく、試行錯誤の段階で発生したものであり、
むしろ現在では民間委託の方が評価が高くなっている。直営よりも民間委託の場合に給食事故が多いのは、
一つには報告すべき基準とされている事故の範囲が広いことによるものであり、また、異物混入が調理中に発生したことを特定することはできない。
いずれにしても事故の報告を受けた受託会社は、すべて直接現場を確認して改善策を講じている。安全管理、
危機への対応が受託会社任せになっているということはなく、財政的効果によって学校給食の一層の充実、向上が図れている。
市川市の民間委託が保護者、児童生徒、教員、栄養士ら関係者に評価されていることは、アンケート(丙31、32の1、37の1ないし4、
38の1ないし4、53ないし57等)によって明らかである。
エ 市川市は、学校給食の安全性が強く要請されることにかんがみ、学校給食調理等業務委託業者選定基準(丙6)を定め、 14のすべての条件に適合した業者を選定し、競争性を発揮するため見積もり合わせを行ない、本件契約を締結したものであり、 3年後の新契約の締結に当たっても、上記と同じ手順を踏んで適正に選定を行っている。
第3 当裁判所の判断
当裁判所も、控訴人の請求は理由がないものと判断する。その理由は以下のとおりである。
1 学校給食に関する規定及び本件契約締結に至る経緯
上記争いの事実等、証拠(甲6ないし11、17、18、丙1の1ないし4、2、4、5ないし8、9の1ないし6、10ないし13、14の1・2、
15、24、41ないし44、45の1・2、46、47、証人五十嵐興子、控訴人)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)学給食法は、学校給食が児童生徒の心身の健全な発達に資し、国民の生活の改善に寄与するものであることにかんがみ、 学校給食の普及充実を図ることを目的とする(1条)、学校給食については、義務教育諸学校の教育の目的を実現するため、 (1) 日常生活の食事について、正しい理解と望ましい習慣を養い、(2) 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養い、 (3) 食生活の合理化等を図り、(4) 食糧生産、配分及び消費について、正しい理解に導くという目標の達成に努めなければならないこと (2条1号ないし4号)、義務教育諸学校の設置者は、学校給食が実施されるように努めなければならないこと(4条)、国及び地方公共団体は、 学校給食の普及と健全な発達を図るよう努めなければならないこと(5条)、学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員は、 栄養士法による栄養士の免許を有する者で学校給食の実施に必要な知識又は経験を有するものでなければならないこと(5条の3)を定めている。 栄養士とは、都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者である(栄養士法1条)。
(2)教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務のうち、学給食に関する事を管理し、及び執行し
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律23条11号)、教育委員会規則で定めるところにより、その権限に属する一部を教育長に委任し、
又は教育長をして臨時に代理させることができる(同法律26条1項)。
これを受けて市川市教育委員会は、市川市教育委員会事務委任規則(委任規則、丙41)を定め、
教育長に市川市教育委員会の職務権限に属する事務の一部を委任し、又は臨時代理させることとし(1条)、
委任規則1条各号に掲げる事項を除いた事務を教育長に委任している。本件学校給食調理業務を民間に委託するかどうかの決定は、
委任規則1条各号の事項に該当しないことから、教育長に委任されている事務であり、教育長がその権限に基づいて決定したものである。
(3)市川市は、従来市内の各小学校、中学校及び養護学校において、原則として自校調理方式を基本する学校給食を実施してきた。
昭和60年1月21日付けで文部省体育局長は、通知(文体給第57号各都道府県教育委員会教育長あて「学校給食業務の運営の合理化について」)
を発し、学校給食業務の運営については、臨時行政調査会等からの合理化の必要性が指摘されていることから、
今後地域の実情等に応じた適切な方法により運営の合理化を推進するよう指導、周知徹底を願いたい旨指示した。その中で、民間委託等の方法により、
人件費等の経常経費の適正化を図る必要があること、民間委託の実施については、次の点に留意すべき旨を指示した(丙4)。
ア 献立の作成は、設置者が直接責任をもって実施すべきものであるから、委託の対象としないこと。
イ 物資の購入、調理業務等における衛生、安全の確保については、設置者の意向を十分反映できるような管理体制を設けること。
ウ 設置者が必要と認めた場合、受託者に対して資料の提出を求めたり立入検査をする等、運営改善の措置がとれるよう契約書に明記すること。
エ 受託者の選定は、学校給食の趣旨を十分理解し、円滑な実施に協力する者であることの確認を得て行うこと。
(4)市川市は平成8年2月、市川市行政改革大綱(丙14の1・2)を策定し、その中で、民間活力に委ねることが適当な分野は、
活用を積極的に進めるものとし、維持管理等の定型的な業務、高度で専門的な知識、技能を必要とする業務及び弾力的な対応が求められる業務等、
民間委託が適当な事務業務については、行政責任の確保と市民サービスの向上等に留意し、積極的に民間委託を推進することとした。
具体的に取り組むべき事項として、学校給食業務の民間委託の検討を取り上げ、新設の小学校について、行政の適正な管理の下で、
一部民間委託の導入を検討することとした。さらに、
平成10年5月18日に施行された市川市行政改革懇話会要綱に基づいて市川市に設置された市川市行政改革懇話会は、
市川市の行政全般にわたる幅広い見地から調査審議し、その提言を行い、今後の行政改革に役立てる目的で設置されたもので、
市政について優れた識見を有する13人の委員で構成されたところ、平成10年
12月、「行政改革に関する提言」を公表した。その中で、民間にもできる仕事は民間委託するとし、市の仕事の中には、
民間委託したほうが遥かに効率的に行われ、コストもかからない業務がある、例えば、学校給食については、
なによりも安全性を担保した上で民間委託化に踏み切るべきであるとしている(丙15)。
市川市は、市の職員である給食調理員の高齢化が進み、学校給食予算に占める人件費の割合が高率となっていたことから、
民間委託を導入することによって、直営方式よりも安価な経費で給食業務を行うことができるものと期待していた。
(5)市川市教育委員会は、上記経緯を踏まえて、平成10年3月の定例教育委員会において、
市川市行政改革大綱の実施計画対象事業である学校給食業務の民間委託の検討を進めるため、教育委員会学校教育保健体育課に、
学校給食委託担当の組織を置くこととし(丙1の1)、同年7月、教育長は、「市川市立学校給食調理業務民間委託化推進要綱」を定め(丙42)、
同年8月、同要綱に基づいて「市川市立学校給食調理業務民間委託推進検討委員会」が教育委員会内部に設置された(丙43。平成11年2月から
「市川市立学校給食検討委員会」に名称変更。丙44)。同委員会は、学校関係者及び地域の代表から広く客観的な意見、提言を求め、
平成11年7月、「市川市学校給食ビジョン『生きる力を培う、楽しい学校給食』」を提案した(丙45の1・2)。平成11年10月、
教育総務部及び学校教育部によって上記ビジョンを基にした「給食事業の改善計画」が作成され、
学校給食の民間委託に向けた具体的な年次計画が立案された(丙24)。教育委員会は、民間委託化に当たっては、一般競争入札ではなく随意契約
(見積もり合わせ方式)の方法が相当であるとし、あらかじめ契約の相手方を絞り込むため、市川市立学校給食検討委員会に諮り、
平成11年10月27日、その意見を聴いた上で、以下の内容の委託業者選定基準を策定した(丙6)。
ア 基本要件
市川市の入札参加者適格者名簿に登録されていること。
イ 経営規模
(ア)資本金又は出資金が1000万円以上であること。
(イ)相当数の従業員を有し、かつ、常時営業していること。
ウ 信用状況
(ア)会社経歴及び経営状態が正常かつ良好なこと。
(イ)学校給食調理業務の実績を有し、現にその実績が豊富で良好なこと。
(ウ)食品及び衛生管理に関する関係諸法規が遵守されていること。
(エ)納税義務が履行されていること。
(オ)過去3年間の内、営業に関して行政処分を受けたことがないこと。また、公衆衛生上重大な事故を起こしたことがないこと。
エ 学校給食に対する取り組み
学校給食に深い理解を有し、学校給食の目標達成に協力的であること。
オ 安全衛生管理
(ア)学校給食に関する安全衛生管理について、十分な能力を有していること。
(イ)従業員に対し、食品の安全衛生管理に関する教育が徹底していること。
(ウ)従業員の健康管理が十分に行われていること。
カ 業務履行能力
(ア)市川市が定める「市川市学校給食調理業務等委託仕様書」による業務を継続して確実に履行する能力を有していること。
(イ)突発的な仕事に対し、十分に対応できる体制能力を有していること。
(6)平成11年11月から同年12月にかけて、学校給食調理業務の民間委託化の予定校として選定した6つの小学校において、
学校給食調理業務の民間委託に関する保護者説明会が開催され(丙9の1ないし6)、個々の学校ごとの調理室や調理機器の事情、
調理員の退職者数と配置転換等を総合的に勘案して民間委託を決定した旨報告された。教育委員会は、
平成12年2月3日に開催した定例委員会において、被控訴人から意見聴取をした上で、学校給食調理業務等委託料を含む
「平成12年度当初予算について」との議案を議決した(丙2)。
市川市は、市川市財務規則に基づいて作成した入札参加業者適格者名簿に登録されている給食業者35社のうち、
学校給食に関連する業務を行っている業者30社について、学校給食の調理等の業務の実績がある給食業者として更に19社に絞り込んだ。このうち、
上記委託業者選定基準に適合した事業者は13社であったが、学校給食調理等業務についての考え方等の調査を行ったところ、
このうち1社について学校給食調理等業務の経験、実績の不足が判明したため、結局残り12社が委託業者選定基準に適合することとなった。
そして、市川市は、委託予定校6校のうち、調理予定食数等に基づいてあらかじめ積算した委託料の予定価格が最も大きい学校について、
調理食数等の一定の条件を給食業者に示し、給食業者から当該条件を基に見積額を見積書に記載させ、
予定価格の範囲内で最低の見積もり額を提示した業者を当該学校の業務委託先として決定する方法(見積もり合わせ方式)により、
委託の相手先を決定した。
(7)平成12年3月17日の市川市議会における「平成12年度市川市一般会計予算」の議決を経て、同年4月1日、
原判決別表記載の相手方との間で本件契約が締結された。
本件契約書(甲6ほか)には、市川市は、受託者が給食の調理等を完了したときには、完了の検査をするものとし、市川市は、同検査について、
受託者に資料の提出を求め、又は受託者が調理する場に立ち入る事が出来る旨約定されているほか、市川市の定める
「市川市学校給食調理等
業務委託仕様書」には、概要以下のとおり記載されている。
ア 趣旨
この仕様書は、受託者が市川市学校給食調理等業務委託契約を履行するに当たり、給食調理業務等の方法等について、必要な事項を定めるものとする。
イ 調理する食数
1日の業務において調理する給食の食数は、学校の児童又は生徒及びその学校の関係職員の数を基準に、市川市教育委員会(委員会)
から受託者に提出された実施献立表に基づき定めるものとする。
ウ 業務内容
受託者は、(1)食材料の受取り及び検収(学校が購入した食材料は、委員会から提出された食品検収表に基づいて検収し、
その内容を委員会に報告する。)、(2)調理(委員会から受託者に提出された実施献立表に基づき、調理を行う。)、(3)配食及び運搬、
(4)食器具等の洗浄、消毒及び保管、(5)給食施設等の清掃及び点検、(6)残菜及び厨芥の処理、(7)調味料等の管理、
(8)その他業務を行うために必要な事項
エ 委員会への報告
委員会が学校給食に関し、県その他の行政機関等へ報告しなければならない事項について、受託者は、委員会に報告するものとする。
オ 衛生管理
調理業務を行うに当たっては、関係法令(それに基づく通達を含む。)を遵守し、常に衛生管理に留意しなければならない。
カ 報告書等の提出
受託者は、調理従事者報告書、調理従事者変更届、健康診断結果報告、細菌検査結果報告、請求書、事故報告書、業務完了報告書を指定の書式により、
委員会に提出する。
2 争点1について
(1)控訴人は、原審、当審において、学校給食法は、義務教育諸学校設置者に対して学校給食の直営を義務付けており、
例外的に民間委託することが許容されるのは、直営と同一水準であることが保障されている場合に限られる、民間委託するには、
法令上の根拠が必要である、民間委託は、その要である栄養士を排除し、
設置者等の任務を放棄するものであり民間委託契約は違法であるなどと主張する。
しかしながら、学校給食調理等の業務は、当該学校における所在の受領・検収、調理、配食、食器具等の洗浄、給食施設の清掃、
厨芥の処理等が中心になるところ、学校給食法には、民間委託を禁止ないし制限した規定は存在しないし、民間委託した場合には、
栄養士が廃除されたり、設置者等の任務が放棄されるということはできない。民間委託の場合は、
調理従事者は雇用主である受託業者の指揮監督の下で、就労先の学校で調理等の職務に従事するものであるが、直営と民間委託とは、
このように従事職員の身分上の差異及びそれに伴う労務関係等が異なるとしても、給食業務そのものの態様には、基本的に変わりはなく、
いずれの場合においても、学校給食法の掲げる目的が尊重され、同法所定の目標の達成に努めるべき事はいうまでもないし、
設置者等がその任務を果たすべく努力すべきことも何ら変わりはない。要は、具体的な業務遂行の過程において、
児童生徒の心身の健全な発達及び教育目的の実現等に資するよう適切な方策が立案され、それが着実に実行される事が重要なのである。
上記昭和60年1月の体育局長通知及び平成15年7月の文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長事務連絡(丙47)が、
こぞって民間委託の指針を求めているのは、民間委託が学校給食法上、違法ではないことを前提とするものである。もっとも、民間委託においては、
衛生・安全の確保、必要な運営改善措置等が図られることが特に求められるところであり、上記体育局長通知においても、
この点が留意事項として示されている。
このような観点から、本件契約においては、関係法規の遵守、業務実施要領の提出、実績の報告、違約金、連帯保証人、解除、損害賠償、
完了の検査等に関して約定がされているほか、仕様書には、委員会への報告、衛生管理全般について、詳細な定めがある。また、仕様説明書(丙28)
には、栄養士の指示等のほか業務全般について、詳細な定めがある。それによれば、業務は、食材料の受け取り、調理、配食・運搬、洗浄、
清掃等であって、いずれも比較的単純で複雑な作業ではなく、直営とその基本は同じである。食材料の衛生管理は、
文部科学省作成の学校給食衛生管理の基準(丙25)及び市川市学校給食の手引き(丙26、27の1・2)によることになっている。さらに、
受託業者の選定は、上記のとおり基準を策定して慎重かつ適正に行われている。
控訴人は、民間委託された事例に多くの弊害が生じていると主張し、栄養士等に関わる問題及び給食事故の具体例を摘記している。事故報告書
(甲20ないし22、枝番を含む。)
及び事故報告書概要(甲25)によれば、民間委託において控訴人指摘のとおり様々な異物混入等の事故が実際に発生している事が認められ、
証人五十嵐興子及び控訴人も、控訴人の主張に沿った供述を行っている。
確かに、学校給食を円滑に実施するためには、教員、栄養士および調理員等の関係者が学校給食の意義を理解し、
協力関係を十分に維持することが重要であり、設置者および受託業者がこのための努力をしなければならないことは明らかであって、
控訴人の指摘はこれをいうものと考えられる。また、給食事故は、児童生徒の健康に直接影響をもたらすものであるから、
絶対にあってはならないものであり、原因の究明及び有効な改善策の実施が喫緊の課題であることはいうまでもない。ただ、これらの問題は、
民間委託に特有なことであるとはいい難いし、事故の発生が直営よりも民間委託により多く見られること、
あるいはすべてが受託業者の責任の範囲内の事故であることを確定的に判断できる証拠はないといわざるを得ない。
以上の検討結果及び上記本件契約の締結に至る経緯等を併せ考慮すれば、本件契約の締結が財務会計上の法規に違反し、裁量権を逸脱、
濫用した違法なものであるとすることはできない。
(2)ところで、地方自治法242条の2第1項4号にいう「当該職員」とは、
当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するとされている者及びこれらのものから権限の委任を受けるなどして上記権限を有するにいたったものを広く含むと解されるから、
上記のとおり、本件契約の締結を補助職員に専決させた被控訴人についても、財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するとされている以上、
「当該職員」に該当するものである。
しかし、補助職員が専決をした場合には、財務会計上の行為を行う権限を本来的に有する者は、
補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し、
故意又は過失によりそのような違法行為を阻止しなかった場合に限り、
地方自治法242条の2第1項4号に基づく損害賠償義務を負うものというべきである(最高裁平成3年12月20日第二小法廷判決・
民集45巻9号1455頁参照)。したがって、本件においても、
本件契約の締結について被控訴人に指揮監督上の義務違反があるか否かが問題となる。
控訴人は、本件契約の締結及びそれに基づく支出行為は違法であり、被控訴人としては、本件契約等が違法であることを知っており、
又は知り得る立場にいながら、故意又は過失により上記違法行為を阻止しなかったと主張する。
しかしながら、上記のとおり、市川市においては、様々な検討を経て行政改革の一環として民間委託化を実施することとし、契約締結に当たっては、
一般競争入札方式ではなく随意契約(見積もり合わせ)の方法によることが相当であるとの判断の下に、委託業者選定基準を策定して、
それに適合した給食業者を選定し、被控訴人から意見聴取した上で、学校給食調理等業務委託料を含む予算案の議決を経て、
本件契約を締結したものである。以上によれば、被控訴人に指揮監督上の義務違反があるとする余地はなく、この点からも控訴人の主張は理由がない。
3 争点(2)について
(1)地方自治法234条1項は、「売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、
随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。」とし、同条2項は、「前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、
政令で定める場合に該当する場合に限り、これによることができる。」と規定しているが、これは、
同法が普通地方公共団体の締結する契約については、機会均等の理念に最も適合して公正であり、かつ、価格の有利性を確保し得うるという観点から、
一般競争入札の方法によるべきことを原則とし、それ以外の方法を例外的なものとして位置付けているものと解される。そして、
例外的な方法の一つである随意契約によるときは、手続きが簡略で経費の負担が少なくてすみ、契約の目的、内容に照らしこれに相応する資力、信用、
技術、経験を有する相手方を選定できるという長所がある反面、契約の相手方が固定化し、
契約の締結が情実に左右されるなど公正を妨げる事態を生じるおそれがあるという短所も指摘され得る。そこで、
地方自治法施行例167条の2第1項2号は、「不動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、
加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」
に随意契約によることができると規定している。この「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」とは、
競争入札の方法によること自体が不可能とはいえないが、不特定多数のものの参加を求め、
競争原理に基づいて契約の相手方を決定することが必ずしも適当でなはなく、当該契約の目的、内容に照らして資力、信用、技術、
経験等を有する相手方を選定し契約を締結する方法を採るのがより妥当であり、
当該地方公共団体の利益増進につながると判断される場合も該当すると解される。そして、このような場合に該当するか否かは、
契約の公正及び価格の有利性を図ることを目的として地方公共団体の契約締結の方法に制限を加えている法令の趣旨を勘案し、
個々具体的な契約ごとに、当該契約の種類、内容、性質、目的等諸般の事情を考慮して、
地方公共団体の契約者の合理的な裁量判断により決定されるべきものである(最高裁昭和62年3月20日第二小法廷判決・
民集41巻2号189頁参照)。
(2)以上の観点から本件について検討するに、学校給食は、児童生徒の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与することから、
学校給食の普及、充実を図るため、義務教育諸学校において児童生徒に対して実施されるものであり、食事についての正しい理解、
健康の増進等の目標の達成に努めることが要請され(学校給食法1条ないし3条)、国及び地方公共団体は、
学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならないとされている(5条)。
このように、学校給食は、学校教育の目的、目標を達成するためにきわめて重要な意義を有する制度であり、その実施に当たっては、
児童生徒の健康増進、安全管理等につき万全の配慮が講じられなければならないことを考慮すると、学校給食の民間委託に当たって、
不特定多数の給食業者の参加者を求め、競争によって受託業者を選定することは適当ではなく、価格の有利性をある程度犠牲にしても、資力、信用、
経験、理解等を備えた受託業者を選定し契約を締結する方法を採ることが、教育目的を究極的に達成する上でより妥当であると考えられる。もし、
競争原理を優先して受託業者を決定すれば、学校給食には十分には理解、協力しない業者、信用や経済力に乏しい業者、
健康衛生管理の意識に欠ける業者等が選定されるおそれがあり、その結果、教員・栄養士等との意思疎通・連携の欠如、倒産等に伴う業務の中断、
調理の遅延、食中毒の発生等の事態が生じかねず、教育現場に重大な影響を及ぼすおそれがある。このような学校給食に係る民間委託契約の目的、
性質、内容等を考慮すれば、学校給食の民間委託契約に当たっては、一般競争入札方式によって受託業者を決定する事は適当ではなく、
給食業者の資力、信用、技術、経験等を総合的に勘案して受託業者を選定し、その者との間で契約を締結することが相当であるというべきである。
上記のとおり、市川市は、このような学校給食にかかる民間委託契約の目的、性質、内容等を考慮して、信用、学校給食に対する取組み、
安全衛生管理等6項目からなる受託業者選定基準を策定し、それに適合した給食業者について、
委託予定校6校のうち調理予定食数に基づきあらかじめ積算した委託料の予定価格が最も大きい学校について、
調理食数等の一定の条件を給食業者に示し、給食業者から当該条件を基に見積額を見積書に記載させ、
予定価格の範囲内で最低の見積額を提示した給食業者を当該学校の業務委託先として決定する見積もり合わせの方式によって、
最終的に受託業者を決定したものである。したがって、随意契約の方法により本件契約を締結したことに違法性はないというべきである。
控訴人は、見積もり合わせ方式の実質は、特定業者に利益をもたらすことを目的としており、
見積もり合わせなしに事実上再契約ができる措置が採られているなどと主張し、確かに、この方式は、受託業者が事実上固定し、
情実に左右されるなどの公正を妨げる事態が生じるおそれがあるという短所が指摘されている。しかし、この点は受託業者の選定、契約内容、
日常の指導等に当たって公正な運用を図ることにより解決できる事柄であり、随意契約自体が有する本質的な問題とまではいえない。
4 控訴人は、その他るる主張するが、いずれも上記認定、判断を左右するものではない。
よっては、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決とする。
(学校給食ニュース 2003年11月)
[ 03/12/31 委託・合理化 ]
学校給食を丸投げ! 献立も食材も委託企業まかせに 新津市の学校給食センターPFI方式を考える
学校給食を丸投げ! 献立も食材も委託企業まかせに
新津市の学校給食センターPFI方式を考える
■PFIとはなにか?
PFIとは、Private Finance Initiativeの略称で、民間資金等活用事業と訳されています。
内閣府がPFIを導入推進するためのホームページをつくっています。
それによると、
「公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法」であり、「民間の資金、経営能力、
技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、
PFI手法で実施」
となっています。
PFIは、1999年に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が制定され、
2000年に基本方針が決まりました。その後、少しずつ、PFI方式の公共事業がはじまっています。
2003年6月23日現在、国の事業として23、地方公共団体の事業として81、
特殊法人等の事業として1の合計105の事業が行われつつあります。そのうち3つが学校給食関係です。
八雲村学校給食センター施設整備事業(島根県八雲村)
学校給食共同調理場整備事業(新潟県新津市)
千葉市大宮学校給食センター(仮称)整備事業(千葉県千葉市)
その他にも、学校の整備事業に給食室が含まれる例などもあります。
(参考)
内閣府PFIホームページ http://www8.cao.go.jp/pfi/
PFI推進委員会ホームページ http://www8.cao.go.jp/pfi/iinkai.html
■5つの計画のうち2つが取りやめに
学校給食ニュースで調べたところ、学校給食センターをPFI方式で整備・運用する計画はこれまでに5つあります。
そのうち2つが中止されています。
(中止された計画)
埼玉県川越市…寿町学校給食センターの改築事業にPFI方式を検討していましたが、通常方式で行うこととなりました。
同学校給食センターは1973年開設で、建て替えの計画です。2000年度にPFI事業の可能性を調査し、検討しましたが、
保護者が直営方式を望んでいることや他の事例が少ないことなどから通常方式となりました。
同学校給食センターは12000食規模で2004年度の工事を予定しています。(日刊建設工業新聞03年3月24日付)
福島県川俣町…2002年8月に学校給食センターの建設、維持管理、給食事業運営などをPFI方式で行うため、入札説明を開始、
給食事業は、04年より開始される予定で設備は2000食対応、HACCP対応施設とされていました(建設通信新聞02年8月8日付)。しかし、
同計画を批判していた新町長が当選し、2003年1月に同計画は正式に中止されました。
いずれも、PFI計画に対して保護者・市民が反対した結果、計画が中止されています。
■島根県八雲村は、センター整備のみ
もっとも早くPFI方式を取り入れたのは島根県八雲村です。ただし、この八雲村学校給食センター事業は、民間に対し、旧センターの解体、
新センターの設計、建設、維持管理、修繕などを行い、八雲村がセンターを所有し、学校給食の運営も村が直営で行っています。
計画は2001年に発表され、2002年秋には新センターとして稼働しています。1000食をつくる給食センターで、契約期間は30年です。
■千葉県千葉市は、整備と調理
新潟県新津市よりも後ですが、千葉県千葉市は、
2003年3月25日に、千葉市大宮学校給食センター整備事業の実施方針を発表しました。それによると、11000食の学校給食センターを建設、
施設の維持管理、給食調理、配送等の運営を事業者が行い、千葉市は献立作成、食材調達、検収、給食費の徴収、
調理数などの決定を行うとなっています。事業期間は2004年から2020年ですが、給食は2005年4月からはじめられる予定です。
入札は2003年8月末に行われる予定となっています。
千葉市大宮学校給食センター(仮称)事業
http://www.city.chiba.jp/kyoiku/gakkokyoiku/hokentaiiku/ex/oomiyalunchc.htm
■新潟県新津市は、
整備から給食運営すべてを丸投げ
2002年12月にPFI方式による学校給食共同調理場整備事業の実施方針を発表しました。
概要は、小学校7校、中学校3校、幼稚園5園で4200食を想定したセンターを、2005年4月より供用開始し、20年間で解体(予定)し、
事業終了というものです。
ここで驚かされるのは、施設の設計、建設、保守、解体だけでもなく、給食調理をはじめ、献立(案)作成、食材購入まですべて契約事業者が行い、
新津市は給食を購入するだけという事業方針です。
現在、学校給食の民間委託が各地ですすめられていますが、基本的に、献立は自治体の栄養士が作成し、食材も自治体が購入、調理業務や配送、
洗浄だけを委託するという方式です。「調理」などの部分だけを委託するのであり、給食の運営は自治体で責任をもち、教育として行うため、
献立のあり方や、食材の由来、質、生産者やその情報などは当然自治体側が責任を持って学校や地域と連動しながら行っています。
民間委託をすすめる自治体は、「調理は教育ではない」としていますが、学校給食全国集会実行委員会は「調理も含めて教育である」
という立場です。
ところが、新津市の給食センターPFI事業は、これらをすべて捨て去って、給食そのものを丸投げする内容になっています。
新津市がホームページ上で公開している「実施方針」「業務要求水準書」から、その「給食」の内容をうかがってみましょう。
なお、文書の中に「SPC」という略称が出てきますが、これは、Special Purpose company の略称で、
この事業のために設立される特別目的会社のことです。
●丸投げの中身
契約し、設立されたSPCはどんな仕事をするのでしょうか。
事業範囲は、
施設の建設…共同調理場の設計、建設工事及びその関連業務
施設の運営…
1:学校給食の献立計画(案)の協議資料の作成
2:学校給食用材料の調達
3:学校給食の調理
4:学校給食の運搬(食器等の食事に必要なものを
含む)
5:学校給食の回収(残滓及び使用済み食器等)
6:給食内容の広報(児童・生徒・職員及び保護
者)
7:共同調理場の広報(児童・生徒・職員・保護
者及び施設見学者(受入可能な人数))
施設の維持管理…
建築物保守管理業務ほか施設の維持管理のために必要な一切の業務
施設の解体撤去
(事業方針 2002年12月版より)
となっています。
●献立は、幼稚園から中学校まで同じ
気になる献立案ですが、SPCが配置する調理場常勤の栄養士が作成し、新津市が3カ月前に報告を受け、検査、承認することになります。
主体はあくまでもSPCです。
この献立は、幼稚園から中学校まですべて同一です。
栄養計画としては、幼稚園、小学校低学年、中学年、高学年、中学校と5区分に分けられますが、献立は、まったく同じで、
栄養量は配膳による給食量の調整で行うことになっています。「その上で、園児・児童・生徒の年齢差を十分考慮し、
それぞれに工夫した献立案を作成する」とありますが、ある日は幼稚園向きの献立で、ある日は中学生向きの献立となるのでしょうか?
●食材は、従来通りの基準
食材については、実施方針の中で、次のように書かれています。
基本方針…生産地、生産者、生産方法等を提供者に広報し、安全で安心して食べられるものであることが確認できることを原則とします。
外国産の食材について…基本方針に沿った食材の使用が原則ですが、少しでも安全性に疑問のある食材は使用しないこととします。
遺伝子組み換え食品について…使用しないこととします。
地産地消について…
米…原則として、全量新津市産米を使用することとします。
その他の食材…可能な限り地産地消の方法を導入することを要請します。
さらに、業務要求水準書では詳しく書かれています。
1:食品衛生法の基準があるものについては、その基準に適合すること。
2:甘味料、着色料、保存料、殺菌剤、漂白剤、防かび剤、防虫剤、酸化防止剤(既存添加物名簿(平成8年厚生省告示第120号)
にあるものは除く)は使用していないものとすること。また、それ以外でも不必要な食品添加物が使用されているものは、できる限り避けること。
3:JAS規格のあるものについては、規格品とすること。
4:安全性が確認されていない遺伝子組み換え食品は使用しないこと。
5:生鮮食品は新鮮・衛生的なもので、安全性の高いものを使用すること。
6:食材は、納品業者から産地、生産地の記録を提出させ、食事の安全性、品質を確認すること。問題があった場合は、
それ以後の納品を直ちに停止すること。記録は1年以上保管すること。
7:加工食品等については、配合割合、成分分析、食品添加物の有無や微生物検査について書類を提出し、安全性を確認できた食材を納品すること。
また、自主的に衛生検査を実施し、検査結果を提出すること。
8:米飯については、別紙「米飯供給基準」に基づき炊飯された米飯を供給すること。
9:その他必要により新津市教育委員会が定める基準によること。
食材の産地について
材料は国内産を利用し、国内産に安全性の問題のある食材に限り外国産のものの利用を認める。食育に十分配慮し、
可能な限り地場産のものを使用すること。
●アレルギー対応はたまごのみ
アレルギー対応は、たまごアレルギーのみ対応する給食を提供し、この食数は募集要項で指示するとなっています。そして、
「それ以外のアレルギー対応食は、SPCが行う事業の対象外」(実施方針)となりました。
たまごアレルギー以外については、「食品表示で義務づけられたアレルギーを引き起こすと思われる食材については、献立表に記載し、
保護者に対して十分な情報公開が行われるようにすること」(業務要求水準書)となっています。
●食育もSPCにおまかせ…だけど
業務要求水準書では、
「当面する課題として、下記の2項目についてSPCは市、提供施設と連携を取りながら食育を推進するものとする。
1:肥満、小児成人病への対応
2:味覚教育への対応」
となっています。食育の範囲はわずかに2項目です。
●衛生管理基準は旧基準のまま
業務要求水準書は、2003年2月に出されたものです。2003年3月末に、文部科学省から新しい衛生管理基準が出されています。
この新しい衛生管理基準によって、施設設備の設計や中の調理用具などの種類、数が厳しくなっています。2003年7月末現在、
業務要求水準書の変更はないようです。
●どんな給食になるのか
すでに、学校栄養職員を配置する新潟県は、SPCが民間企業であるため、そこに学校栄養職員を配置することはできないと新津市に答えています。
新津市は、市に配置された学校栄養職員が献立を確認、承認するので問題ないとしています。
ところで、コスト削減をめざしてPFI方式で学校給食センターを運営し、その給食をあらかじめ決まった額で購入する場合、
一体どんな給食になっていくのでしょうか。悪い方の予想をしてみたいと思います。
SPCが収益を上げるためには、相当な苦労があるはずです。なぜなら、年間200日未満の稼動で、売り上げ額は、
給食費が決まっているだけに定額です。ですから、人件費や食材費を下げることでしか利益を出すことができません。
ただ、献立と食材購入は自由度があります。加工品や半加工品を利用することで、人件費や食材費を切りつめていくことは可能です。
保護者からの給食費の徴収は新津市が行いますが、直営の給食で考えられていたような給食費=食材費ではなくなります。
あくまでも給食費は新津市の収入であり、SPCがつくる給食を購入する支出金額とは別立てです(もちろん、
給食費はこの給食購入金額にあてられます)。給食費をSPCが食材費として制約され、
その金額をすべて食材購入に当てる必要がないということです。
見た目には、従来の給食と変わらないような献立になるかも知れません。栄養価としても変わらないでしょう。しかし、加工品、
半加工品が増えるにつれ、味の均一化、ファミリーレストラン化がすすむであろうことは想像に難くありません。
そして、そんな「給食」を、幼稚園から中学校卒業までの最大12年間食べ続けさせられた子どもは、一体どんな大人になるのでしょうか。
●これは教育としての給食か?
新津市のPFIセンター給食を学校給食法に書かれた教育としての学校給食というには無理があります。
もし、この方式のPFIセンター給食がはじまれば、それは単なる昼食サービスに過ぎません。それを、「学校給食」
として食べさせられることは子どもにとっての不幸です。
これを強行するのであれば、自宅からの弁当持参も可能で、子どもや保護者がその給食を食べる、
食べないを選択する自由が最低限必要ではないでしょうか。
SPCの経営から考えて「最低保障」があり、全員に食べてもらわなければ困るなどという発想があるのならば、
市民としてそういう公共サービスは不要であるという「サービスを受けない保障」があってしかるべきだと考えます。
今回上げた献立や食材購入の問題だけでなく、業務要求水準書などを読んでいくと様々な問題があります。食中毒が起きたときの責任関係、
将来の消費税増による市の負担増加、
最低保障食数を維持するため現在別のセンターから給食の配送を受けている学校をPFIセンターに回さざるを得ないかも知れない問題、将来の児童・
生徒数の見通し数の算出に疑問があるなどPFIがコスト的にもっともすぐれているという判断の正否など、数え上げれば切りがありません。
新津市は、新潟市などと合併する計画もあります。
拙速なPFI方式導入と説明不足に、市民や保護者からは心配と反対の動きが広がっています。
新津市 http://www.city.niitsu.niigata.jp/
(学校給食ニュース 2003年9月)
追補:新津市の共同調理場事業については、一次審査に5グループが通過しました。しかし、 その後3グループが入札を辞退し、残る2グループも提案書を提出したものの、経営に対する要求水準に達しなかったため失格となりました。 2月10日に、その結果が発表され、その後、宙に浮いた形となっています。(2004年4月)
初出記事が古いため、情報が現状と合わなくなっていることがあります。
最新の情報を別途入手してください。(2005.12)
[ 03/12/31 委託・合理化 ]
時事情報 2003年 環境関係ほか
●愛知県田原市、公用車に学校給食廃油使用
日建産業新聞03年12月2日付によると、愛知県田原市は、学校給食の食用廃油を利用し軽油の代替燃料をつくり、同市の公用車に使用する。
将来は一般家庭からの回収油も使用する見通し。 (03.12.21)
●福島県浪江町、給食残さをたい肥化
福島民友03年10月1日付によると、福島県浪江町では、町内の学校給食センターなどからの生ごみを民間企業がたい肥化し、販売、
地元の有機栽培農家らが栽培したジャガイモ、タマネギが学校給食の食材で利用され、食のリサイクルを循環するとしている。 (03.11.02)
●大阪府豊中市、残食利用のたい肥販売
朝日新聞03年7月7日付によると、大阪府豊中市では、学校給食の生ごみと街路樹等の剪定枝を利用し、たい肥「とよっぴー」を生産、
販売している。1999年に市民、行政、労働組合などで、たい肥化の実験をはじめ、市民が豊中市に事業化を提案、
2002年にたい肥化施設が建設され、稼動をはじめている。豊中市は、2つの学校給食センターがあり、
現在は1カ所21校1万2千食の施設のものを回収。今後、残りの16校分を供給するセンターの分の回収もすすめるとしている。
(03.07.25)
●山形県鶴岡市のエコピッグその後
日本農業新聞03年5月19日付によると、1994年に取り組みが始まり、2000年より学校給食に導入された山形県鶴岡市のエコピッグが、
その後順調に推移している。エコピッグは、鶴岡の学校給食センターから出る残菜を飼料にし、養豚して、
育った豚を学校給食で豚肉として供給するしくみ。山形大学、鶴岡市、JA鶴岡などで推進協議会を設立している。現在、
給食にあわせて各小学校でエコピッグのしくみの授業を、4年生などに行っている。生産現場にでかけたり、出前授業で生産者の話を聞く、
ごみ収集や処理について学ぶなどの授業をしている。学校給食では安いもも肉を扱い、ヒレ、ロースなどは地元生協で販売している。
現在は2戸の農家が飼育し、市内26小中学校薬1万人分の豚肉のほぼ全量がエコピッグになっている。(03.06.25)
●食材納入業者、納入後のごみ回収実態
日本食糧新聞03年4月30日付によると、(社)学校給食物資開発流通研究会のアンケート調査により、学校給食への食材納入業者が、
使用後の容器などのごみをサービスの一環として回収している実態が明らかになった。
調査では回答の56社中約9割の業者が入札条件や発注者等の依頼により持ち帰っている。 (03.05.18)
●岡山県玉野市、給食廃油を燃料化
山陽新聞03年2月28日付によると、岡山県玉野市では学校給食センターの廃油月平均500リットルを軽油代替燃料にリサイクルし、
ごみ収集車2台に使用する。清掃センターに燃料生成装置を導入、総事業費約856万円。 (03.03.30)
[ 03/12/31 環境関係 ]
The Food Project 千葉県立国分高校生徒の取り組み
The Food Project 千葉県立国分高校生徒の取り組み


教育としての学校給食を考える上で、小中学校の学校給食はもちろん、
保育園や幼稚園などでの給食や家庭での食については論じられることが多いのですが、中学校を卒業してからあるいは、
中学校の給食がないところでは、小学校を卒業してからの昼食や食についての「学ぶ場」のことはあまり論じる機会がありません。しかし、中学・
高校の時期も引き続き大切な成長期であり、また、判断力、行動力が高まり、自主的に食を選択する機会が多くなる時期です。
この問題について、高校生が自分たちの問題としてとらえ、取り組んでいる例があります。
千葉県立国分高校では、生徒が家庭科の食についての授業から「食」研究チーム“The Food Project”をつくり、
食についての様々なテーマを研究しています。2001年度からの取り組みで、これまでに、学校給食、遺伝子組み換え、チョコレート、牛乳、米、
BSEなどを取り上げています。
学校給食についても、2001年の文化祭でレポートと展示が行われました。
学校給食のレポートは当時高校2年生の青木美里さんがまとめたものです。青木さんは、翌年牛乳についてまとめています。 この学校給食レポートを紹介しましょう。
レポートには、調査の目的として、--私の食生活が、小・中学校の時の昼ご飯「給食」の時に比べて、 高校に入ってからの昼ご飯がガラッと変わってしまい、アッという間にコンビニのおにぎりと毎日一緒に生活することになっていたのです。 さすがにこれが毎日続くのは栄養バランスも悪いし危険だなと思いました。しかし、私と同じように変わってしまった人、絶対たくさんいるはずです! そこで「食」を見直したいと思ったのです。。「給食」がどれだけおにぎりよりも栄養バランスが良いか、私たちの昼ご飯を理想の昼ご飯「給食」 に近づけるにはどうしたら良いのか、一緒に考えていきましょう。--とあります。
調査は、文部科学省に出向いてのインタビュー、中学校の栄養士へのインタビュー、 給食最終学年である中学3年生と給食が終わったばかりの高校1年生とにアンケートをし、給食と日常の食生活の比較・ 分析や中学教職員へのアンケート、家庭科教員へのインタビューなどでまとめられています。学校給食の安全性や栄養バランス、歴史、世界の動向、 食育のあり方などにまで及んでいます。
栄養士へのインタビューでは、食材の安全性、検品、衛生管理、事故発生時用の食材保存などの、給食のしくみを取り上げています。
栄養面では、給食・簡単につくった昼ごはん・給食の栄養に近づけた昼ごはん・ファーストフードのごはんを栄養価計算ソフトで栄養の比較をし、
給食の栄養の高さを強調しています。同時に、学校給食はカロリーをやや高く、
カルシウムやビタミンなどで1日の摂取量の半分近くをとれるよう設定されていることなども紹介しています。
また、中学校でのアンケートで、ご飯と牛乳が合わないという意見が多かったことに触れたうえで、
牛乳の栄養面や補助事業のことなどを説明しています。
食育については、文部科学省の担当官が給食時間だけではなく、手紙で食関連のことを家庭に伝え、家庭での食事の指導をしたり、 全国の30%の小中学校で栄養職員が教壇に立っていることを説明していますが、それについて、「このことはもっと必要なことだと思います。 だって献立を作っている人や調理している人が直接伝えることが一番伝わるのですから」と、指摘しています。
レポートではまとめとして、--一番訴えたかったことは栄養バランス・安全性・「食」教育の3つです。“給食なんて、
もう食えねーからカンケーねぇよ”ではなく、栄養バランスが摂れている給食を目標に私たちは、乱れている「食」
を少しでも改善するべきだと考えてくれればと思います。栄養士さんが安全に気をつけるように、私たちも安全な食品選びをしましょう!
それらの底辺には「食」教育があるのです。今やもう生涯学習です。ほんのちょっとずつの積み重ねを大切にすれば必ず次につながるはずです。
その3つが伝わってくれればこの研究の目標は達成です!そしてこれからも「食」を自分のそばに置いて見つめていただければ嬉しいです--
としています。
このレポートは、食のあり方について高校生が自分の問題としてとらえ、給食との比較を通して食に関する行動を考えようと提案するもので、
貴重な声であると思います。
小中学校の学校給食のみならず、幼児教育から高等教育までの教育を通じ、「食」についてどのような関わりをするのか、
広い視野に立って関係者が考える必要があります。
(学校給食ニュース編集(2003/05/27掲載))
[ 03/12/31 食教育 ]
時事情報2003年 食教育関係
●愛知県西尾市寺津小学校の総合学習
日本農業新聞03年5月29日付によると、愛知県西尾市の寺津小学校は、「食を通して自己を見つめ、地域へ働きかける子の育成」をテーマに、
学年ごとに食に関する総合的な学習を行い、学校給食も連動している。児童が考えた大豆料理を学校給食に取り入れる、
地場大豆を学校給食に取り入れ、生産や調理も体験するなどの取り組みを続けている。寺津小学校は児童数412人、実態調査では、
児童が食べる大豆の量が98年の倍近くになったとしている。 (03.06.25)
●滋賀県多賀町多賀小学校の一汁一菜
日本農業新聞03年4月3日付によると、滋賀県多賀町多賀小学校では月に一度感謝給食の日として、ご飯、味噌汁、漬物、
牛乳だけの献立の日を14年間設けている。米は、新6年生がつくった合鴨米、たくあんは、新4年生が大根を育て、漬け込んだ。
味噌汁は煮干しだしで、地場の生産者が低農薬で栽培したもの。米や野菜の本来の味を知ってもらい、
生産者への感謝と食べものの大切さを実感することが目的。(03.05.05)
●農水省、食育・地場産推進事業
日本農業新聞03年1月28日付によれば、農水省は、地場産給食と体験学習を行う事業に対し補助を行う。5年計画で年間25県程度、県、市町村、
生産組合、JAなどが対象となる。また、食育推進ボランティアの育成も行う。(03.02.13)
●福島県立盲学校で、火と水を使わない給食体験
日本農業新聞03年1月18日付によれば、福島県立盲学校では、1月17日、阪神淡路大震災を教訓にした火と水を使わない給食を行った。牛乳、
チーズ、プリン、バナナなど。同校では、日常的に地場産米や野菜果物などを取り入れている。(03.02.13)
●山形県、学校田の米の給食利用に待った
東京新聞02年12月28日付によると、
山形県の食農教育推進モデル校である高畠町和田小学校で児童が栽培した学校田の無農薬栽培米を給食に出そうとしたところ、県の制度上、
問題があるとしてストップがかかった。同小学校では、学校行事や地域で活用するとしているが、食農教育のあり方として問題視されている。
(03.01.26)
[ 03/12/31 食教育 ]
時事情報 その他もろもろ 2003年
●横浜市で国際子ども食料会議
日本農業新聞03年11月29日付によると、国連食糧農業機関(FAO)、国連世界食糧計画(WFP)、
横浜市はよこはま国際子ども食料会議を開き、市内小中学生200人が参加した。日本の食料事情や世界の飢餓の実態が報告され、
学校給食の残飯のゆくえを小学生が発表、中学生がネパールの貧困問題を発表した。 (03.12.21)
●学校給食調理の民間委託13.4%に
日本経済新聞03年12月10日付によると、文部科学省調査で学校給食調理の民間委託は前回の01年度調査に比べ1.9%増の13.4%
となった。また、調理員の非常勤職員率は28.9%となり増加傾向にある。 (03.12.21)
●財務省、調理員の給与削減を求める
読売新聞03年11月15日付によると、財務省は、
地方公務員の技能労務職給与について各地方自治体に対し給与を引き下げるよう求める方針を示した。 (03.12.21)
●千歳市の新規就農農家、故郷の学校給食に出荷
日本農業新聞03年10月17日付によると、奈良県出身で北海道千歳市に新規就農し、減農薬栽培を行っている生産者が、
奈良県の小中学校の学校給食向けにスイートコーンを出荷し交流を深めている。(03.11.02)
●福岡県宗像市、自校式で地場産給食
日本農業新聞03年10月16日付は、福岡県宗像市の赤間小学校は、自校給食で地場産農産物を使用しているが、児童の半数、
保護者の3割がそのことを知らなかったため、3年生のクラスで理科の授業を通じ、オクラの育て方を生産者に習い、観察、
給食交流会を開くなどの取り組みをはじめた。また、02年より畑に栄養士を呼ぶ現地勉強会を行い、生産者と栄養士の交流を行っている。宗像市は、
センター方式を1998年より自校方式に順次切り替え、03年に全14小学校が切り替わった。米飯は週4日。なお、調理は民間委託。
(03.11.02)
●東京都江東区、中学校で江戸の味
東京新聞03年10月27日付によると、江東区辰巳中学校では、江戸開府400年を記念し、給食フェアで江戸の味を再現し、サンマの塩焼き、
深川めし、梅干しとネギ味噌のにぎりめしなど5日間行った。(03.11.02)
●北海道の給食事情
北海道新聞は、03年10月17日より5回に渡り、「食をはぐくむ 学校給食は今」の特集記事を掲載した。その中で、朝食を抜く児童が多いこと、
食域のせまい(食べたことのない食べ物が多い)児童が多いことを指摘している。それに対し、生産者がランチルームで話をしたり、
バイキング給食やリザーブ給食、個別指導を通じて、食への関心を高め、食域を広げ、
自己管理能力を身につけられるよう様々な工夫を学校給食で行っている事例を紹介。また、美唄市や名寄市などの地産地消事例を紹介。食教育を深め、
地域と学校給食のつながりの大切さを訴えている。 (03.11.02)
●BSE後2年、700校が牛肉自粛
読売新聞03年9月10日付によると、国内でBSE(狂牛病)感染牛が発見・発表されて2年となるが、
現在も学校給食に牛肉を出さない小中学校が約700校にのぼる。農水省まとめ。そのほとんどが首都圏となっている。
東京都立川市では03年5月に保護者約8千人にアンケートをとり、再開反対が7%であったが、家でも食べさせない親もいるため、
再開には踏み切っていない。新宿区では再開決定に感染ルートの解明を条件としていたため現在も使用して