学校給食ニュース

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時事情報2004 地場型を中心に

●不作と野菜の高騰
【産経新聞04年11月15日付】
・大阪府熊取町…10月中旬以降、キャベツを半減し、もやし、蓮根、ごぼうなどを増やす工夫をしている。高騰が続くなら、 ブロッコリーやほうれん草など冷凍野菜も検討。
・大阪府吹田市…10月は高騰したレタスを減らす。
・大阪府高槻市…豆苗を小松菜に。
・京都市…11月分の献立を一部変更し、キャベツを減らし、ジャガイモや玉葱に変えたり、冷凍ほうれん草を使用、青葱を白葱に変えるなどした。
・神戸市…11月から青葱を白葱に変更。
・和歌山市…小学校でキャベツなどを減らし、ジャガイモ、人参への変更。
【読売新聞04年11月16日付】
・卸し業者…東京都や川崎市に食材を納入する業者では、冷凍小松菜が10月20日以降需要急増。
【日本農業新聞04年11月22日付】
・和歌山県那賀町…同町給食センターは、青果物の9割以上を地場産にしており、生産量と献立の調整、 価格などの決定を事前に行っているので影響を受けていない。
【読売新聞04年11月24日付】
・東京都港区…区教委が試算したところ10月の食材費は野菜の高騰で1人あたり500~600円高くなった。トウモロコシ、ピーマン、 きゅうりの使用量をひかえ、玉葱やもやしを増やしている。
・東京都練馬区…2センターで、ほうれん草を国産冷凍品に変更。人参、玉葱を増やして対応。
・東京都板橋区…キャベツを、もやし、コーンに切り替え、青菜類を減らして人参、玉葱、 ごぼうなどの根菜類を増やすなどの対応策を各学校の栄養士らに提案。
・東京都中央区…食材一括購入で、事前契約のため価格の高騰の影響を10月はおけていない。
・東京都調布市…キャベツ、小松菜などを地場産にしており、調布周辺の天候不順が少なかったこともあり影響はあまり受けていない。 (04.12.04)

●秋田市のまるごと秋田給食の日
日本農業新聞04年11月18日付によると、秋田市では、まるごと秋田を食べよう給食が、9月下旬から1カ月間行われる。5年目。 市内62の小中学校で、地場産の食材を積極的に使った献立が出される。また、きりたんぽなど地域の伝統料理も給食に取り入れられる。 (04.12.04)

●福島県の地場産給食
福島民友04年10月20日付では、福島県の地産地消取り組みについてまとめている。それによると、学校給食関係では、 小学校5年生を対象にした「地産地消ってなんだろう!」を03年度に続き25000冊作成し、福島県内小学校に配布している。 米飯給食は週4回を目標としている。相馬、浪江、富岡3市町の23校6550食分に対し、福島県沖で水揚げされるホッキガイ、 コウナゴの材料費を補助する水産物学校給食事業も行っている。 (04.11.16)

●愛媛県今治市の地場産給食
日本農業新聞04年11月6日掲載の「地産地消マーケッティング4 食農教育」では、愛媛県今治市の学校給食を紹介している。 共同調理場の老朽化にともない自校調理方式に切り替え、あわせて地場産農産物の取り扱いを拡大。 現在13調理場で17000食分の食材について地元産を基本都市、不足分は、近隣市町村、県内、四国と範囲を拡大する形をとっている。また、 遺伝子組み換え食材と分かるものは使用しない方針。 (04.11.16)

●大阪府河南町の地場産給食
日本農業新聞04年10月21日付は、大阪府河南町の地場産給食を紹介している。センター方式で5小学校、2幼稚園の1400食を供給。 米はJA大阪南から購入し、地元産の祭り晴を使用。野菜、果物は、道の駅かなんから調達、前身はJAふれあい朝市で、25個の農家が生産し、 学校給食に年間30品目を使用。15年の取り組みとなっている。 (04.11.16)

●宮城県鳴瀬町、マコモ栽培と学校給食
河北新報04年10月22日付によると、宮城県鳴瀬町では、マコモを休耕田利用の畑で栽培し特産にする動きがある。農協女性部が取り組んでおり、 収穫の一部を地元の学校給食センターに無償提供してPRを行った。 (04.11.16)

●栃木県宇都宮市の一小学校で地場産ラーメン
日本農業新聞04年10月22日付によると、栃木県宇都宮市の市立城山西小学校(児童35人)では、 地場産食材でつくったラーメンが学校給食に出された。給食調理員は市内のラーメン店にアドバイスを受け、県産の鮎でだしをとり、 県産小麦を利用した麺を使用。同小学校は、従来から地産地消や地元との交流に力を入れているという。 (04.11.16)

●千葉県君津市、栄養士が生産者と交流
日本農業新聞04年10月24日付によると、千葉県君津市の3学校給食センターに勤務する6名の栄養士が、君津市の生産者のほ場を訪問、見学し、 意見交換会を行った。 (04.11.16)

●東京都江戸川区、特産の小松菜を給食に
日本農業新聞04年10月25日付によると、江戸川区小松川で栽培されていた「小松菜」は、今でも江戸川区の生産量が多く、 区内の学校給食も10月から地場産小松菜の試験的利用がはじまった。 (04.11.16)

●京都市、知産知消という地場産
産経新聞04年10月29日付によると、京都市は、地産地消(知産知消)推進プロジェクト会議を04年7月に設置、 学校給食での地場産品使用と食教育、文化教育を目標としているもので、賀茂なす、 聖護院ダイコンなどの京野菜を学校給食に取り入れることも検討している。山科区の小学校では、山科なすを給食に出し、 5年生が家庭科で山科なすを教材に学習するなどの取り組みを行った。京都市では、食材の一括確保や献立の統一などを前提としており、 生産確保や学校ごとの特色づくりなどの課題が指摘されている。 (04.11.16)

●神奈川県横浜市、地場産料理コンテスト
日本農業新聞04年10月31日付によると、横浜市緑政局が主催し、地場産野菜、果物を利用して学校給食献立を小学生が考える 「はま菜ちゃん料理コンクール」の2回目が開催された。生産者や市内小学校の教職員らが審査員となっている。同市によると、 03年度の応募作品には学校給食献立に採用されたものもあり、食べ残しも少なく、効果があるとしている。
(04.11.16)

●埼玉県新座市、中学校主催の料理コンテスト
日本農業新聞04年11月6日付によると、埼玉県新座市立新座第二中学校は、同校主催で旬の野菜を使ったアイデア料理のコンテストを行った。 保護者、関係者から寄せられたレシピを事前選考し、5つの料理を40人の保護者に試食してもらった。これらは学校給食に採用されるという。 同時に、給食の試食会も行われ、地場産野菜の使用などの説明が行われた。なお、新座市では24校中22校が地場産野菜を使用している。 (04.11.16)

●骨まで柔らかい魚、学校給食へ
朝日新聞04年10月30日付によると、マルハが熱と圧力を加えて骨まで柔らかくした「骨まで食べられる魚」を、 学校給食物資開発流通研究協会が採用推薦した。 (04.11.16)

●学校給食向け冷凍豆腐
食品新聞04年11月1日付によると、学校給食向け冷凍豆腐の需要が高くなっており、製造販売のライクスタカギの受注も増えている。 国産大豆を使っており、地産地消の流れから、各県産大豆を加工して、地場県に送るようしているという。 (04.11.16)

●長崎で人材派遣会社が農業生産し、給食へ供給
日経流通新聞MJ04年10月25日、日経産業新聞10月29日付によると、三菱重工業関連の人材派遣会社長崎ダイヤモンドスタッフは、 長崎市の農業特区を活用し、株式会社として農地を借り受け、長崎市と協定を結んでジャガイモ、タマネギ、ニンジンなどを生産、 学校給食向けなどに販売するとしている。 (04.11.16)

●野菜高騰、学校給食に影響
東京新聞04年11月4日付によると、台風、長雨の影響で野菜価格が高騰し、学校給食にも影響を及ぼしている。 品川区の小学校などで献立を切り替え、葉物野菜を芋類に変える、もやしを活用するなどして、野菜の高騰への対処に苦労しているという。 (04.11.16)

●東京都のビン牛乳、紙パック化のその後
朝日新聞04年11月5日付によると、東京都では、都教委が都内を13区分し、学校給食用の牛乳の一括選定を行っている。牛乳供給業者のうち、 森永乳業、日本ミルクコミュニティも紙パックへの全面切り替えを表明。東京都側は区市側に紙パックへの切り替えを伝えたが、同時に、 紙パックのリサイクル(洗う、切る、干す)を学校で指導して欲しいと要請したため、給食時間がみじかい、 従来業者が負担していた回収費用が学校側にかかるなどの理由で区市側が反発していた。区市側は、 多少の値上げでもメーカーで紙パックの処理を行って欲しいとしており、都は再検討を行っている。記事では、結果的に、05年度から北区、足立区、 中央区、港区、江東区、荒川区、葛飾区、江戸川区、府中市、日野市、多摩市、稲城市、小金井市、小平市、東村山市、国分寺市、 東大和市は瓶から紙に切り替えが見込まれるとしている。国立市は、独自に瓶牛乳のルートを開拓し、都の共同購入から撤退、 10円ほど値上がりするが保護者アンケートで了承する意向が多かったという。なお、 26区市町村では紙に切り替える対象業者ではないため従来通りの瓶牛乳が継続される。 (04.11.16)

●マルハ、中国で骨まで食べられる魚生産
フジサンケイビジネスアイ04年10月5日付によると、マルハは、冷凍調理済み食品の骨まで食べられる魚の中国での生産を開始する。 学校給食や病院向けなどの大量使用に向けたコスト削減のため。骨まで食べられる魚は、魚の骨に高圧をかけ食べられるようにしてから、焼魚、 煮魚などに加工するもの。サンマやアジの開きの焼魚、サバの塩焼き、味噌煮、カレイの姿焼き、唐揚げなどを生産する予定。 電子レンジや袋ごとボイルして食べられる。 (04.10.24)

●鹿児島県で米粉普及の協議会設立
南日本新聞04年10月14日付によると、九州米粉食品普及推進協議会の鹿児島部会が福岡に次いで設立された。米粉普及をめざしている。 学校給食については、鹿児島県米消費拡大推進協議会が導入を計画し、04年内に鹿児島市の4小中学校で試食による食味調査を行う。 (04.10.24)

●大分県で米粉パンの導入検討
西日本新聞04年10月15日付によると、大分県学校給食会は県の委託を受けて、県産米の米粉パンを開発した。 9月に大分市内4小中学校で試食を行い、今後、コストなどを考えつつ導入する方針。現在は、 備蓄米の使用や県が価格差の一部を導入した学校に3年間補助するとしている。 (04.10.24)

●香川食糧、玄米粉の新技術
日経流通新聞MJ04年10月18日付によると、香川食糧(高松市)は、玄米製粉で栄養価を残し、保存期間を長くする技術を開発し、 学校給食向けへの販売などをめざす。 (04.10.24)

●広島市、伸びにくい麺の導入
中国新聞04年10月15日付によると、広島市が給食センターによる集中調理方式に変わったことで、麺が伸びるとの指摘を受け、 広島製麺協同組合が調理後1時間たっても伸びにくい中華麺、うどんを開発した。小麦粉は、北海道と九州産の国産小麦のみで、 製麺工程を新たに開発した。広島市は、1日85000食、麺料理は月3回となっている。 (04.10.24)

●和歌山県太地町、鯨料理復活を計画
読売新聞04年10月10日付によると、和歌山県太地町は、学校給食で鯨料理の復活を計画している。調査捕鯨の芸肉を利用し、年間60トン (75万人分)の胸肉を確保するめどをつけ、シューマイやハンバーグ、メンチカツなどの試作を、小学生、学校栄養士、 調理員らに試食してもらった。今後、流通ルートなどを整え、各地の教育委員会などへのPRを行うという。 (04.10.24)

●千葉県君津市の地場産米
日本農業新聞04年10月16日付によると、千葉県君津市では、JAが毎週精米した米を学校に届け、週4回の米飯給食に供給している。このほか、 1小学校や消費者と農業体験で収穫した米780kgを学校給食米として生産者らが寄付をした。 市内29小中学校8200人分のごはんとして学校給食に出された。 (04.10.24)

●さいたま市、10小学校と生産者が地場産提携
日本農業新聞04年10月16日付によると、JAさいたまと、さいたま市緑区を中心とする10小学校が給食食材納入に関する契約を交わした。 従来スポット的に行われた地場産食材扱いを、小学校側から食育の一環として継続したいと要請があり、JAが受けたもの。これにともない、JAは、 緑区の生産者と農薬使用基準の遵守などの検討会議も行った。 (04.10.24)

●愛媛県今治市の豆腐の日
愛媛新聞04年9月19日付によると、愛媛県今治市では地産地消の一環として地場産大豆の豆腐を学校給食に使い、月に1度豆腐の日を設けている。 豆腐向けの「サチユタカ」を導入し、生産者に栽培を依頼。現在4戸が2ヘクタール栽培している。しかし、外国産との価格差について、 今治市が大豆を購入する加工業者に差額補填しているが、年度単位の幅が大きいことが問題になっている。また、 減農薬から有機栽培まで目指しているが、害虫の発生など課題は多い。しかし、取り組みも3年目で定着しており、 今治市などは取り組みを広げる方針。 (04.09.29)

●佐賀県七山村の地場産給食
日本農業新聞04年9月9日付は、佐賀県七山村の学校給食食材について特集している。 七山村は小中学校各1校約260食を七山村学校給食センターで調理しているが、農産物の直売所が村の生産者の窓口となり、 地場産の食材を学校給食用に出荷している。直売所でそろわない野菜や米は県内産中心に別途発注し、使い分けることで生産者、 学校給食センター双方が柔軟に対応しながら地場産野菜を続けている。2003年度の取扱品目は40品目。七山小学校の5年生は、 総合学習の時間に直売所と村を知ってもらいアピールする活動を行っている。 (04.09.29)

●東京都杉並区、米飯を麦入りに切り替え
朝日新聞、読売新聞04年9月2日付によると、東京都杉並区は2学期より、 米飯給食のごはんを米に1割の押し麦や米粒麦を入れた麦入りごはんにすべて切り替えた。6月から試行していたものを本格実施する。 区立小学校44校、中学校23校、養護学校1校すべてが対象。食育の一環としている。 (04.09.10)

●北海道江別市、地場産小麦拡販の取り組み
日経流通新聞04年8月26日付によると、北海道江別市は、農協、製粉会社、製麺会社、市役所、大学などが協力し、 江別市産の小麦の消費拡大をめざす。麺やパンを共同開発し、市内の学校給食への供給も検討している。 (04.09.10)

●秋田県八竜町の地場産給食
毎日新聞04年8月2日付によると、秋田県八竜町では、2002年より地場産野菜の給食を取り入れている。それ以前は、米は他県産、 野菜も冷凍品や加工品などが使われていた。生産者の提案に、町、教育委員会、農協が学校給食向け野菜生産グループを発足させている。地場産野菜・ 果物が使われるときには、校内放送で生産者名が流されるなどの取り組みもある。同町は、小中学校3校680食。センター方式。 (04.08.21)

●千葉県、地場産の大口需要者向け対策
日本農業新聞04年7月14日付によると、県産農産物の地場消費をすすめている千葉県は、学校給食センターやスーパーなどの大口需要者に対し、 地場産の野菜の入荷情報などを提供する千産千消ネットワークのホームページ構想をまとめている。04年度中に情報提供と注文のシステムを構築し、 学校給食向けからスタートしたいとしている。 (04.08.01)

●北海道砂川市の地場産給食
日本農業新聞04年6月24日付によると、北海道砂川市では、5小学校、2中学校の1650食を砂川市学校給食センターが供給している。 米飯給食は週3回で、砂川産「ほしのゆめ」を利用、地場産野菜として、タマネギ、ジャガイモ、アスパラガス、 ダイコンなどを地場産で使用している。2003年9月からみそを地場産の手作り味噌に切り替えた。原料の大豆、米は地場産。製造は、 JAの女性グループ。週に1回の砂川味噌使用味噌汁は子どもたちに人気という。 (04.07.08)

●宮崎県高崎町、月1回豚1頭
西日本新聞04年6月22日付によると、宮崎県高崎町では、 6月より養豚業者が地域への感謝の気持ちから学校給食向けに豚を月1頭寄付することとなった。 高崎町学校給食センターでは全小中学校7校の1100食を提供。1頭約50kgの精肉でまかなえるため、この日を「高崎地どれの日」とし、 合わせて地場産のピーマン、きゅうりなどを用いた地場産給食を提供することとした。 (04.07.08)

●神奈川県秦野市、生産者がジャガイモ提供
日本農業新聞04年6月18日付によると、神奈川県秦野市ではメークインの出荷が始まり、 学校給食用にも7月中に地場野菜のPRをかねて提供するとしている。 (04.07.08)

●三重県芸濃町で地場産ずいき
日本農業新聞04年6月3日付によると、三重県芸濃町では、周辺地域も含めたJAでずいきの無農薬栽培を行っており、 芸濃町の一部の小学校では伝統野菜として学校給食にも利用されている。 (04.06.28)

●名古屋市で学期に1度の地場産給食
日本農業新聞04年6月11日付によると、名古屋市は今年から小学校給食で学期に1度、「みんなで食べる! なごや産の日」を実施する。6月は、 地場産米とタマネギを利用してのカレーシチューを行った。校内放送でタマネギ栽培や地産地消について放送した。12月にハクサイと米、 2月にニンジンと米を予定している。 (04.06.28)

●北海道釧路市、クジラ肉を給食に
北海道新聞04年6月11日付によると、釧路市では、約20年ぶりに学校給食の食材としてクジラ肉を使用する。 9月に釧路沖でミンククジラの調査捕鯨が2年ぶりに行われるのに合わせ、市内でクジラの解体加工場が約40年ぶりに操業を再開、 それにあわせての導入。すでに網走市、函館市もクジラ肉を学校給食に出している。 (04.06.28)

●JA熊本中央会、地産地消カレンダー作成
熊本日々新聞04年5月1日付によると、JA熊本中央会が、熊本県産野菜・果物24品目の特徴、収穫時期などについてまとめた、「安全・ 安心くまもとの野菜~地産地消の推進」を作成し、学校栄養司会や消費者団体などに配布する。特産野菜、郷土料理なども盛り込み、 学校給食や家庭での地産地消につなげたいとしている。 (04.06.02)

●鹿児島県、米粉パン導入を模索
南日本新聞04年5月19日付によると、鹿児島県米消費拡大推進協議会は県内の学校給食に米粉パンを導入するための試食アンケートなどを行い、 導入の可能性を探るとしている。 (04.06.02)

●岩手県雫石町の地場産加工品
日本農業新聞04年5月19日付によると、岩手県雫石町では、地場産農産物を使い、農家の女性3人のグループ「しずくいし森の幸工房」 が豆腐や味噌に加工して地元の学校給食に納入している。また、小学校の児童が育てた餅米で卒業式の紅白大福を作るなども行っている。 (04.06.02)

●埼玉県、県産米粉パンの需要高まる
日本食糧新聞04年4月28日付は、埼玉県学校給食パン・米飯協同組合のインタビューと記事を掲載している。埼玉県学校給食会が取り扱っている、 県産米粉50%、県産小麦粉50%のさきたまライスボールは、同組合が開発、昨年登場し、年間100万個の人気アイテムとなっている。すでに、 さきたまロールやさきたまボールなど県産小麦100%のパンは定番となり、今後は豆乳入り、おから入りなども検討している。 (04.05.09)

●岡山県の米粉パン普及状況
山陽新聞04年4月25日付は、県内の米粉普及状況をまとめている。岡山市では、市農協が県と市の補助でJA岡山パン工房を整備し、 学校給食への導入をめざしている。問題は、価格と製粉を大阪市内で行っていること。哲西町では、 2003年度より岡山県内ではじめて学校給食に米粉パンを導入。2004年度には製粉施設も整備する。現在は新潟の業者に製粉を委託。 学校給食で小麦パンとの差額・1食60円は町が負担している。 (04.05.09)

●島根県木次町の地場産給食
中国新聞04年4月19日付は、島根県木次町の地場産学校給食を特集している。木次町では、学校給食センターが小中学校、幼稚園に給食を配食、 約1200食。1994年に町内約60人のお年寄りが学校給食や再生産グループを設立し、低農薬で有機肥料の栽培を行った。 2000年度で給食野菜の6割を供給。また、米や牛乳も地場産。 仕入れた野菜は生産者名を給食センターから学校を経由して児童生徒に知らせている。また、生産者の協力で小学生の農業体験なども行われている。 野菜好きの子どもが増えるなどの効果があったという。 (04.05.09)

●大分県杵築市の地場産給食
日本農業新聞04年4月17日付によると、大分県杵築市では、市農林課、教育委員会、学校給食センターが連携し、2003年7月より、 地場産野菜の学校給食使用をはじめた。当初は、タマネギ、ニンジンなど4品目。農薬を減らし、有機肥料を使用。児童、保護者らに好評で、 2004年度は8品目となり、周年供給となる。 (04.05.09)

●神奈川県瀬川村の地場産給食
神奈川新聞04年4月10日付けによると、神奈川県瀬川村では、2004年4月から、地場産野菜を学校給食に取り入れる。瀬川村は、小学校2校、 中学校2校、幼稚園1校の計430食を学校給食センターで調理している。ここに、地元の生産者4軒、村内野菜活性化協議会をつくり、ジャガイモ、 タマネギ、小松菜、キャベツなど18種類の野菜を供給。地場産野菜は月10日程度、月100kg以上を使用予定。清川村の農家はすべて兼業で、 ほとんどが直売所での販売をしている。 (04.04.23)

●福岡県夜須町の地場産給食
日本農業新聞04年3月27日付によると、福岡県夜須町では、18年前から地場産野菜を学校給食に取り入れている。1986年、 町とJAが保健推進協議会の議論をふまえ、生産者を募集、現在25名が「すこやかグループ」として、約30種類の野菜と味噌、 漬物などを納入している。夜須町給食センターは1700食の調理。生産者は、毎月15日までに夜須営農センターに来月出荷の野菜の品目、量、 時期を届出。20日前後に、給食センターからの納入計画書をもとに生産者に出荷を割り当て、その後、 定例会で給食センターの栄養士と生産者が数量などの確認。最終決定をする。品物は生産者が直接センターに納品する。 (04.04.23)

●兵庫県小野市、米パンスタート
日本農業新聞04年4月14日付によると、兵庫県小野市で、酒造米「山田錦」を利用した米粉パンを学校給食に導入した。週2回のパン食は、 この米粉パンとなる。2割は小麦グルテン。小中養護学校13校に供給され、年間約16トン、うるち米よりも高いため、年間600万円の経費増、 県と市が増額分を助成する。 (04.04.23)

●静岡県、地産地消推進事業
静岡新聞04年3月19日付によると、静岡県は04年度、地産地消の事業を行い、地産地消推進協議会に業務を委託、 学校給食での地場産食材利用拡大などをはかる。 (04.03.30)

●長野県、地産地消で給食米の学校給食会離れ
信濃毎日新聞04年3月14日付によると、長野県では、財団法人長野県学校給食会から学校給食用長野県産米を購入せず、 直接産地と提携する流れが加速している。1998年までは全県一括であったが、 1999年に豊科町が地場産枚を学校給食に取り入れたのをきっかけに、 04年2月までに長野県内で31市町村が地場産米の直接提携に切り替わった。地場産を取り入れた市町村では、 食育など教育効果が高いと評価している。一方、長野市などは安定供給のために、学校給食会からの仕入れを行うとしている。学校給食会は、 02年に、理事町名で各市町村教育長に対し、「地産地消という美名のともに、 長年積み上げて構築した給食米の安定供給システムが崩壊してしまうことは学校教育を守り、ご飯好きの子どもを守り、育てることにはならない」 などの文書を送付している。 (04.03.30)

●北海道のパン
北海道新聞04年3月12日付によると、北海道教育委員会と財団法人北海道学校給食会は、年2回、全道学校給食用パン品質審査会を開催している。 道給食会は、道内の164市町村に給食パンを供給、道学校給食パン・米飯協同組合に生産を委託している。 この組合の94工場のパン品質を審査している。道学校給食会が供給するパンは、輸入小麦粉100%のものと、北海道産ホクシン小麦と輸入の50% ブレンドである。道産小麦ブレンドパンは04年度で71市町村が導入している。 (04.03.30)

●広島県三次市、市内産米飯給食の完全実施へ
中国新聞04年2月18日付「04 農はどこへ 中山間地からの報告」によると、広島県三次市は、 学校給食用の米を2006年度までに全量市内産に統一する計画をまとめた。現在は、小学校15校中3校が週3回の米飯給食を実施しているが、 これを全小学校、および保育所に拡大し、さらに将来週5回の完全米飯を実施したいとしている。政府の米政策変更により、販売量が少ない場合、 翌年の生産数量配分に影響するため消費を拡大するのがねらいとしている。 (04.03.10)

●栃木県、農協が米価格の高騰分を助成
日本農業新聞04年3月3日付によると、栃木県のJAグループ栃木は、栃木県学校給食会に対し、 自主流通米の高騰にともなう不足額見込みの4040万円のうち半分を、生産者、JAが負担することを決定した。また、県にも支援を求める。 これは、県産コシヒカリの学校給食導入を推進しており、昨年の不作を原因とする米価格の高騰により学校給食での米飯回数の減少を防ぐのがねらい。 現在、49市町村中39市町村が地場産米を使用しているという。 (04.03.10)

●岩手県、首都圏食育交流事業で食育交流
日本農業新聞04年2月22日付によると、岩手県は04年度より2年間、食育を通じた首都圏との関係づくりをめざす。 首都圏食育交流推進事業として、初年度は390万円を計上した。初年度は、首都圏で小学校1校をモデル校として選び、 食材をいわて食材給食週間として年2回ほど供給し、生産者や、食品加工業者、県認定の「食の匠」などから食育パートナーを選定し、 出前授業を行う。2年度目以降は、産地への栽培体験や探検ツアーなども行う方針。 (04.03.10)

●和歌山県下津町、みかんライスを給食に
日本農業新聞04年3月1日付によると、和歌山県下津町では、みかんの消費拡大をねらい、アメリカの蒸し鶏のオレンジライス詰めをヒントに、 みかんを使ったご飯、「みかんライス」を開発、学校給食でも試行されることが決まった。 (04.03.10)

●香川県国分寺市のうどん給食
日本農業新聞04年2月19日付によると、香川県国分寺市の国分寺南部小学校では、月に1~2回、うどん給食の日があり、地場産のうどん用小麦 「さぬきの夢2000」を使用したうどんが給食で登場する。 いりこだしの味噌汁に野菜などを入れてうどんを煮込んだ郷土料理のうちこみうどんなどが登場する。 (04.03.10)

●北海道岩見沢市、地場産給食
日本農業新聞04年2月26日付によると、北海道岩見沢市では、地場産食材を学校給食に使用する動きが拡大している。 同市の学校給食は19の小中学校約7200食を1センターで作っている。米、玉葱は100%、人参、大根は秋口に100%。また、みそ、ゆり根、 ヤーコンも導入。近年転作で大豆の生産が増えたため、02年度より地場産大豆を使った納豆を学校給食に取り入れた。年に9回程度。 (04.03.10)

●山梨県、地場産利用の調査結果
山梨日日新聞04年2月11日付によると、文部科学省・農水省が合同で行った調査の結果、山梨県内の学校給食への地場産農産物使用割合は、 品目数ベースで11%となり、全国平均21%より低い結果となった。山梨県内306校で03年5月19日から5日間を調査したもの。双葉町、 豊富村が高く、敷島町、大和村が0%であった。 (04.02.29)

●秋田県湯沢市、年3回地場産郷土料理
日本農業新聞04年2月5日付によると、秋田県湯沢市では学校給食センターが年に3回、地場産食材を使用した郷土料理を、 ふるさと給食として02年度より提供している。また、03年度よりタマネギ、ジャガイモ、ニンジンは地場産利用を開始している。 (04.02.29)

●埼玉県庄和町で転作水田養殖魚を給食に
日本農業新聞04年2月1日付によると、埼玉県庄和町では、農家が転作水田を利用し、琵琶湖原産の魚ホンモロコの養殖をはじめ、 地域特産品にしようと地域でバックアップしている。2002年より庄和町の9校の学校給食にも取り入れられている。(04.02.29)

●岐阜県で県産小麦パン
日本農業新聞04年1月30日付によると、岐阜県は2月中までに県内44校の小中学校で県産小麦100%の黒パンを学校給食に出す。県、市町村、 JAによる健康で豊かな学校給食支援事業の一環。岐阜県では、現在学校給食用パンの30%が県産小麦で、この使用割合は04年度から50% に匹揚がる予定。(04.02.09)

●新潟県柿崎町、地場産米を生産者ごと供給
日本農業新聞04年1月22日付によると、新潟県柿崎町は、02年10月から町内産コシヒカリを学校給食に導入してきたが、 生産者が分かるように仕分けし、ランチルーム前に生産者の写真を張り出すなどしている。また、毎月生産者が児童と給食を食べる日がある。 (04.02.09)

●愛媛県今治市の小学校で有機野菜使用
日本農業新聞04年1月29日付によると、愛媛県今治市の立花小学校では地場産有機農産物を学校給食に取り入れている。20年前から取り組み、 01年4月に有機JASの認証を受けた立花有機農業研究会を中心に栽培。03年は、ナス82%、ネギ79%、ジャガイモ73%、ニンジン72% となり、野菜全体で60%。米は、農薬散布2回の減農薬ヒノヒカリ。(04.02.09)

●高知県中村市の地場型給食
日本農業新聞04年1月23日付によると、高知県中村市では、 同市学校給食センターに中村市独自の四万十こだわり農産物認証表示制度に準じた地場産農産物を供給している。 学校給食センターで使用する農産物全体の5割を占める。米が中心だが、中村市農林水産課では野菜の比率も高めたいとしている。 (04.02.09)

●岐阜県白川町の地場産給食
日本農業新聞04年1月15日付によると、岐阜県白川町では、白川学校給食センターが地場産野菜の取り組みを続けている。 各地域の農家グループが、月1回、品目と数量を学校給食センターに送り、センター側で調整している。 農家グループは2年生に学校は竹での栽培指導などを行っている。(04.01.26)

●新潟県の地場型給食
新潟日報04年1月7日付によると、新潟日報は「情報化狂騒曲」5回目で、新潟県の地場型給食について特集している。岩船朝日村では、 村内全小中学校約1300食分の3割弱の野菜を岩船朝日村農産物直売所運営組合給食部会が1年ほど前から供給。無農薬栽培などだが、 当初は泥付きや虫食いなどでクレームがあったという。しかし、栄養士に畑を見てもらうなどして、使用する野菜を増やしてきた。全県では、 新潟県食品研究センターが開発した米粉パンの導入が進み、完全給食実施校の約3割が導入。県が小麦パンとの差額の一部を負担している。 (04.01.26)

●兵庫県小野市、山田錦の米粉パン導入
読売新聞03年11月27日付、日本農業新聞03年12月29日付によると、兵庫県小野市では、特産の酒米「山田錦」 を使った米粉パンを特産品として拡大している。11月と1月に、学校給食パンとして試行し、4月から本格導入する予定。これにより、 小野市の学校給食の主食はすべて市内産となる予定。(04.01.26)

●兵庫県三田市の地場産給食
産経新聞03年12月27日付は、「食大全」6回目の中で、兵庫県三田市の地場型給食について特集している。 近年まで人口増加率が日本一というニュータウンの三田市では10幼稚園、20小学校、8中学校に学校給食をセンター方式で供給。 3センターで約16000食。低農薬の地場産米や、じゃが芋などの地場産野菜を使用している。現在、農家約50世帯と契約、大規模であるため、 規格面、価格面などの問題もある。1センターでは野菜の14~20%が地場産という。(04.01.26)

 

[ 04/12/31 地場産・産直 ]

時事情報2004 その他時事

●骨ごと食べる魚の参入拡大
日経産業新聞04年7月2日付によると、いなば食品は、圧力をかけて調理し、骨をやわらかくした、 骨ごと食べられる煮魚の冷凍食品を家庭向けに販売する。学校給食用などの業務用はすでに発売済み。マルハ、ニチレイもすでに販売等を行っている。
(04.08.01)

●農水省、米粉の普及拡大にのりだす
日本農業新聞04年7月12日付によると、農水省は、米粉パンなどの普及が拡大し、年間3000トンの需要が見込めるとして、 学校給食への導入などをPRする。米の消費拡大策の一環。
(04.08.01)

●牛乳補助は、交付金方式へ
日本農業新聞04年5月9日付によると、農水省は、学校給食用牛乳の補助について、05年度より、 都道府県ごとに補助金の予算総額を提示する交付金方式に転換する方針を決めた。これまでは、1本50銭の金額助成であった。方法としては、 学校給食に牛乳を出す日数が2002年度の95%以上の都道府県を対象とし、牛乳の普及・ 定着に向けた農水省が提示する方式から都道府県が選択し、交付する方法。事業の種類については今後決定される。処理後に加圧。煮る、焼く、 揚げるタイプがある。マルハも同様の商品を発売。一般向けのほか、学校給食用としても需要を期待している。
(04.06.02)

●骨を柔らかくした魚
日本食糧新聞、株式新聞、読売新聞の04年4月20~22日によると、マルハ、ニチレイはあいついで骨を柔らかくした冷凍魚を発売する。 ニチレイは、塩水にひたし、減圧処理後に加圧。煮る、焼く、揚げるタイプがある。マルハも同様の商品を発売。一般向けのほか、 学校給食用としても需要を期待している。 (04.05.09)

 

[ 04/12/31 食材など ]

アメリカのBSEでの影響

●アメリカのBSEでの影響
日経流通新聞MJ04年1月13日付によると、アメリカのBSE発生で、名古屋市は小学校給食のアメリカ産牛肉使用を中止し、鶏や豚に切りかえ。 中学校向けは、オーストラリア産に切りかえ。東京都三鷹市は、原料にアメリカ産牛肉が使われていた調理用ソースの使用を中止した。 多くの自治体が、地元産中心の国産牛肉を採用しているため影響は一部にとどまるとしている。(04.01.26)

 

[ 04/12/31 BSE ]

時事情報2004年 食の安全関係

●市販パンの一部で臭素酸カリウムの使用再開
食品と暮らしの安全04年7月1日発行号によると、山崎製パンは、一部の食パンで「品質改善と風味の向上」のためとして、 臭素酸カリウムを使用をはじめた。臭素酸カリウムは、かつて、発ガン性などで反対運動が起こり、学校給食パンの使用も中止され、 1992年には厚生省が小麦改良材としての使用は不適当として、使用は完全中止されたはずのもの。 従来の10分の1レベルの分析でも検出されない使用方法を山崎製パンが開発、パン工業会が認めたため、6月より使用した食パンを販売している。 山崎製パンのホームページでは、プレスリリースで導入の経緯について発表している。 http://www.yamazakipan.co.jp/news/20040601.html
(04.07.08)

●生産由来のわからない液卵
京都新聞04年6月7日付では、「鳥インフルエンザ 問いかけるもの」の特集で「見えない卵」と題し、液卵についてまとめている。 国内流通の鶏卵のうち殻付きは8割、他は液卵、乾燥粉卵であり、衛生面などで液卵の需要は高まっているという。しかし、液卵(加工卵)の場合、 産地などがわかりにくく、将来輸入に置き換わる可能性なども指摘されている。学校給食でも、大阪市、神戸市が導入済みで、 京都市も検討をはじめるとしている。
(04.06.28)

●鳥インフルエンザ~4月13日まで
毎日新聞04年4月13日付によると、京都府の鳥インフルエンザによる移動制限解除を受けて、滋賀県大津市教育委員会は、鶏肉、 鶏卵を使った学校給食の再会を決定した。
(04.04.23)

●鳥インフルエンザ関係~2004年3月14日まで
読売新聞、東京新聞、毎日新聞による。
文部科学省は、鳥インフルエンザにかんして風評被害を防ぐため学校給食の献立状況を調査する考えを示す。
京都府丹波町で発生した鳥インフルエンザの卵鶏移動制限区域30km内にある京都府内12市町のうち、7町は鶏、卵の学校給食使用を見合わせた。 京都府教委しらべ。
香川県丸亀市は、アメリカ産牛肉の価格高騰で2月から鶏肉の購入量を増やしていたが、価格の高騰にそなえ、4月から鶏肉の購入量を2、 3割減らす。
大阪府富田林市は、3月分の鶏肉を兵庫県産から熊本県産に変更。
兵庫県教委は、鶏肉、卵の安全性をPRするチラシを80万枚作成し、県内の全小学校、中学校、高校、養護学校を通じて保護者に配布する。
3月14日付毎日新聞調べで、学校給食から鶏肉、卵をはずした自治体が9県14市町村となる。
(04.03.30)

●鳥インフルエンザと学校給食 04年3月3日まで
読売新聞、産経新聞、神戸新聞、毎日新聞、04年2月28日から3月3日によると、 鳥インフルエンザが京都府丹波町の養鶏場で発生したことに関連し、学校給食の対応が揺れている。
兵庫県川西市は、学校給食用鶏肉の加工業者が兵庫県春日町にあり、 京都府丹波町の養鶏場から半径30km内との移動禁止区域となったため魚介類や宮崎県産鶏肉に切りかえた。
兵庫県宝塚市は、3月より兵庫、大阪、京都、福井県の鶏肉、卵使用を中止する。
兵庫県八千代町は、当面、鶏肉、卵の使用を見合わせる。同町は、京都府丹波町の養鶏場から鶏を入荷した加工場がある。
伊丹市は、3月1日から献立を変更し、鶏肉を扱わない。
兵庫県加西市、中町、加美町、黒田庄町、など周辺市町も、当面鶏肉と卵の使用を見合わせる。西脇市、小野市では、 3月中鶏肉と卵を使用しないことを検討。
神戸市、姫路市、尼崎市、猪名川町は使用を続ける。
大阪府能勢町は、移動制限区域に入り、区域外の食材利用を確認。高槻市は、通常通り。
京都市は、通常通り。京都市、京都府などは、安全が確認された鶏肉を使っているので、感染肉が入ることはないとしている。
滋賀県大津市では、産地を問わず鶏肉鶏卵の使用を中止した。滋賀県は、風評被害が心配だとして、再考を求めるが大津市側は中止を継続する。
給食ではないが、神戸市は、学校で飼育する鶏やチャボなどの世話を教職員が行うよう通知。京都府丹波町の感染した養鶏場近くの小学校では、 通学路などに防護服、ゴーグル、マスクをつけた県職員などが大勢集まって作業をしていることなどから、子どもや保護者の不安が高まり、 児童向けにカウンセリングを行うなどの対応をしている。

内閣府食品安全委員会事務局
高病原性鳥インフルエンザに関する周知徹底について
http://www8.cao.go.jp/shokuhin/sonota/tori_chijiate160309.html
厚生労働省
鳥インフルエンザに関する情報
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1f.html
国立感染症研究所感染症情報センター
鳥インフルエンザに関するQ&A
http://idsc.nih.go.jp/others/topics/flu/QA040113.html
農林水産省
鳥インフルエンザに関する情報
http://www.maff.go.jp/tori/index.html
(04.03.10)

●中部地方の学校給食と鳥インフルエンザ
中日新聞04年2月3日付では、中部地方の学校給食について鳥インフルエンザ対応をまとめている。名古屋市では、 中学校向けのスクールランチ業者7社中4社がタイ産・中国産の鶏肉を使用していたため、市教育委員会は国産かブラジル産に切りかえるよう指示。 小学校では国産を使用していた。三重県名張市では、問題となっている産地の鶏肉を使わないと確認。三重県いなべ市では、食品衛生検査証、 産地証明用伝票の提出を業者に求めている。伊勢市では、三重県産の手羽肉のみに使用を限定した。 岐阜県では養鶏業者や業界に悪影響があるとして鶏肉の制限は考えておらず、長野県、愛知県でも特別な指導はしていない。。(04.02.29)

 

[ 04/12/31 農薬・添加物など ]

時事情報 2004年 環境関係ほか

●岩手県雫石町、バイオマス発電
河北新報2004年4月22日、化学工業日報4月23日付によると、岩手県雫石町では、小岩井農牧、三菱重工ら4社とともに、 事業会社バイオマスパワーしずくいしを設立し、バイオマス発電事業を行う。学校給食の残さやレストランの食べ残し、 小岩井農場の牛や鶏の排泄物などを発酵、メタンガス化して発電する。同時にたい肥も製造する。操業開始は2006年3月。 (04.05.09)

●千葉県の廃油石けん活動
東京新聞04年4月19日付では、千葉県のNPO法人せっけんの街の理事長にインタビューしている。 千葉県内の約20市町の地区運営委員会メンバーが地域を回り廃食油を回収、我孫子市、白井市、浦安市などでは行政が回収している。 それらを引き取り、石けんにして地域で使用する運動を続けている。工場は柏市に1984年にでき、酒々井町にもつくられている。我孫子市では、 市が回収した廃食油を引き取り、石けんにして市に販売、学校給食現場で使用されている。 (04.05.09)

●横浜市、給食生ごみリサイクル養豚
神奈川新聞04年3月27日付によると、横浜市では、学校給食や社員食堂の調理残さ、生ごみを飼料にした養豚の実験が続けられてきたが、 このほど、「はまぽーく」として出荷された。99年から取り組まれ、03年には市内36小学校の7カ月の生ごみを回収、 横浜市有機リサイクル協同組合が飼料に加工。市内養豚農家13軒が豚の飼料に10~20%配合して飼育した。04年度は、71校 (市内小学校の5分の1)で280トンほどを回収予定、13農家が食品循環型はまぽーく出荷グループを設立して、年2万頭の出荷をめざす。 (04.03.23)

●東京都三鷹市、給食残さで野菜づくり
日本農業新聞04年1月23日付によると、東京都三鷹市では、地元JAと提携し、学校給食残さなどからたい肥をつくり、 市内農家がほうれん草を栽培、学校給食用野菜として無償提供した。エコ野菜地域循環モデル事業として行ったもの。 (04.02.09)

●福島県会津若松市、給食残さで野菜づくり
福島民友04年1月19日付によると、福島県会津若松市では、市民ボランティアが学校給食の残さをたい肥化し、野菜を栽培、 学校給食用野菜として供給する活動を行っている。NPO法人化し、市内全体に活動を広げる予定。 (04.02.9)

 

[ 04/12/31 環境関係 ]

時事情報2004年 食教育関係

●広島県福富町久芳小学校の食農学習
中国新聞04年11月24日付は、「農はどこへ、中山間地からの報告」で広島県福富町久芳小学校の食農給食を紹介した。 農水省の2003食育コンクールで優秀賞を受賞した「給食を作ろう大作戦!」は、10月に4日間給食を行わず、 4月から3~6年生の縦割り班が給食を作るというもの。子どもたち、地域、保護者に食に対する関心と影響を与える取り組みとなった。
コンクールでの報告概要は、主催のサイトがあり、http://www.ruralnet.or.jp/shokuiku/2003/jusho2003_03.htmlに掲載されている。
それによると、「教師は手出し口出しをしない」「お金は使わない」「家から食材を持ってきてはいけない」 「困ったときは学校支援ボランティアに頼る」ことを前提に、地元の農家や栄養士、調理員の協力を得て、野菜、米作りからはじめ、献立作成、 調理までを行ったという。 (04.12.04)

●栃木県都賀町のリクエスト給食
日本農業新聞04年10月14日付によると、栃木県都賀町では、学校給食センターが1中学校3小学校の約1250食を供給している。 都賀中学校では、学校栄養職員と家庭科教諭が1年生に指導して、4クラスごとに献立を考えさせる授業を行い、 クラス1位の献立を給食センターの献立に採用し、全校に共通して提供する。9月10月の4回行われ、 11月には地場野菜を納入している生産者の畑を訪ねて収穫体験したり、生産者との交流給食も行う。 (04.10.24)

●栃木県の食育支援
日本農業新聞04年9月21日付は、栃木県内の食育支援策についてまとめている。それによると栃木県農業振興公社は、 食と農の理解促進カレッジを開催しており、地産地消や交流、親子農業講座などを行っている。 栃木農政事務所は出前講座やマロニエ食農塾などを開いており、とちぎ農産物マーケッティング協会は、 若い母親や子どもを対象にしたイベントを開いている。
(04.09.29)

●秋田県大内町の食教育
河北新報04年7月8日付によると、秋田県大内町の岩谷小学校では、学校、町、PTA、農協、地元農家による地産地消推進協議会をつくり、 地場産農産物の学校給食への利用や、学校の畑で育てる作物の手配、指導などの仕組みをつくっている。、 全校児童でサツマイモの苗上から収穫までを行い、自炊体験を行った。また、大根、ジャガイモ、枝豆などを学年によって栽培し、 学校給食でも使用している。給食週間で、地場産の食材を使い、その生産者の話を聞くなどの取り組みも行っている。
(04.08.01)

●埼玉県和光市の食教育
日本農業新聞04年7月15日付によると、埼玉県和光市では地場産給食と食教育を結びつけている。市内8小学校は統一献立の単独調理場方式で、 小学校1年生には地場産のトウモロコシ皮むき体験を行う。生産者が先生となり、授業をして、皮をむいたトウモロコシは、 その日の学校給食に出される。授業では、植物の話や作物の作り方などについての説明と児童からの質問を受ける。 和光市農産物直売組合は1990年に結成し翌年より学校給食への野菜供給をはじめた。現在は、15品目を納入。年に1回、市教育委員会、 栄養職員らと調整会議を行い、利用計画、作付け計画を立てる。価格は市場の中値が基本。
(04.08.01)

●福島県西会津町、学校給食を誰にでも提供
日本農業新聞04年7月8日付によると、福島県西会津町は、学校給食センター方式だが、 地場産食材や地場の伝統料理の取り組みを積極的に行っている。また、 事前の予約で1食310円にて学校給食を学校のランチルームで誰でも食べることができる。児童生徒への食教育効果と、 大人の食生活改善運動を目的に行われている。
(04.08.01)

●愛媛県今治市、給食レシピ集を一般向けに発行
日本農業新聞04年6月27日付によると、愛媛県今治市は、「おうちで手軽に学校給食-地産地消のれしぴ」を発行し、 市内小中学校に800部を配布、「いまばり地産地消推進会議」が、市内の書店で1部500円にて販売している。 すべて学校給食に登場する郷土料理や地場産品料理で、地元食材購入先や連絡先も掲載している。
(04.07.08)

●食育の動き~食育カルタなど
毎日新聞04年5月31日付では、「ちほうがうごかす新地動説」の特集で、食育についてまとめている。群馬県教育委員会は、 「遊びながら食を学ぶ『すくすくカルタ』」を作成し、県内の保育園幼稚園に配布して人気となっている。市販の要望が多く 「すくすくカルタ組み立てキット」として、群馬県内の書店、東京都の八重洲ブックセンターなどで販売を開始している。
愛知県西尾市では文部科学省の研究開発学校指定をうけて、寺津小、寺津中での小中一貫の「食育科」を設置し、 農業体験や食の知識を身につけている。
東京都目黒区の緑が丘小では、5年生が年に2回、宮城県角田市で田植えと稲刈りを体験、収穫した米は学校給食に使われている。
(04.06.28)

●栃木県那須地区で地場産食材レシピ集
日本農業新聞04年6月12日付によると、栃木県の那須地区学校給食研究会の栄養士らが監修して「那須地方のおいしさを味わう料理」 レシピ集が作成された。JAなすの、那須地域マーケッティング推進協議会の発行。ウド、トマト、牛乳など地場産農産物14品のレシピを掲載。
(04.06.28)

●長野県飯山市、小学校で学校田米給食
日本農業新聞04年5月27日付によると、長野県飯山市の泉台小学校では、児童が育てる学校田の米を学校給食に利用している。また、 飯山市では2002年度より、11校の小中学校すべてで米作りを体験している。
(04.06.02)

●長野県千曲市でじゃがいも文庫
日本農業新聞04年3月19日付によると、長野県千曲市の五加小学校とJAちくま五加支所では、02年度からじゃがいもの栽培体験を行い、 03年度は、2年生のじゃがいも栽培体験のあと、収穫したじゃがいもを学校給食センターに販売、 代金をじゃがいも文庫基金として児童に渡すとりくみを行った。
(04.03.30)

●兵庫県春日町、給食実施1年のフォーラム
日本農業新聞04年2月15日付によると、学校給食を開始して1年となる兵庫県春日町では、 PTA連絡協議会が学校給食実施1周年フォーラムを開いた。各学校では、地場産食材と給食について学習を行っているが、当日は、 春日中学校1年生が総合学習で地場食材をテーマにした結果を発表。黒井小学校5年生が米をテーマに発表を行った。同町では、 1日1500食の給食用米、約4割の野菜が地場産となっている。
(04.02.29)

●青森県十和田市の中学生、総合学習で給食のフードマイル検証
東奥日報04年2月4日付によると、青森県十和田市の中学生3人が総合学習の時間に、給食の食材の距離などを研究発表、 第一回全国プレゼンテーションコンテストの北海道・東北ブロック中学生の部最優秀賞に選ばれた。シーフードカレーとわかめサラダ、麦ご飯、 牛乳という献立の食材産地を、国内は県庁所在地、海外は首都を起点として十和田市との直線距離をはかった。 学校に近い給食センターや食材仕入れ業者への問い合わせで生産地を特定、その結果、ホタテは県産だったが、人参は愛知県、エビはベトナム、 イカはペルーなどで、合計約124400kmとなった。県産品愛用デーの献立では、約4400kmと大きな差が確認できた。 輸送燃料などのことから、地球環境問題を考え、地産地消が必要であることを結論のひとつとしている。(04.02.29)

●兵庫県神戸市で、震災時の給食体験
産経新聞04年1月17日付によると、兵庫県芦屋市の山手小学校では1月16日、阪神大震災直後に再開された学校給食を再現し、 児童に震災と給食について考える給食を行った。給食再開後2日目(震災後29日目、授業再開は震災後16日目)の献立は、コッペパン、 マーガリン、魚肉入りチーズ、ヨーグルト、牛乳。当時このような簡易給食は、給食再開後も19日続けられた。 (04.02.09)

 

[ 04/12/31 食教育 ]

時事情報 その他もろもろ 2004年

●新潟中越地震関係
毎日新聞・読売新聞04年11月11日付、小千谷市の自校方式給食の小中学校で10日パンと牛乳などの簡易学校給食が再開された。 川口町は15日再開予定。
日本経済新聞・東京新聞・中日新聞・毎日新聞04年11月22日付、
小千谷市給食センターが4中学校への給食を22日に再開。カレーライス、ヨーグルトサラダなど。自校方式の中学校1校、小学校14校のうち、 小学校4校は再開済み、中学校1校と小学校3校は22日に再開。 (04.12.04)

●新潟中越地震での学校給食関連記事
読売新聞04年10月29日付によると、東京都葛西区職員労働組合は、10月30、31日に、 小千谷市で学校給食調理員12人を中心に27人が炊き出しを行う。募金活動で食材費を集めた。読売新聞04年10月31日付によると、 東京災害ボランティアネットワークは10月29日、約60人が小千谷市に向かい、中には学校給食調理員もおり、炊き出しを行うとしている。 (04.11.16)

●厚生労働省、栄養摂取基準改定へ
日本経済新聞04年10月25日付によると、厚生労働省の新たな栄養摂取基準がまとまった。従来の「栄養所要量」を「食事摂取基準」と改め、 目標量、推奨量、目安量などを定め、また、コレステロールなどの基準も定めた。 (04.11.16)

●世界食糧計画、学校給食プログラムキャンペーン
朝日新聞04年7月3日付け、ほか、毎日新聞、日本農業新聞、化学工業日報などによると、世界食糧計画(WFP) が行っている学校給食プログラムに対し、公共広告機構(AC)が協力して、国内で理解と協力を呼びかけるキャンペーンを実施する。 キャンペーンは1年間。学校給食プログラムは、貧困地域での食糧支援の一環として行われている。このプログラムにより、登校率を向上させ、 学校登校への周囲の理解も得られるなど、教育の効果も高められている。02年現在、 64カ国約1560万人を対象にひとり1日約20円で実施している。これを、2015年までに5000万人対象にするのが目標。なお、 世界では飢餓線上に3億人の子どもがおり、うち1億人が学校に行っていないという。
スチール缶リサイクル協会は、スチール缶のリサイクル量に応じて、同キャンペーンに協力する。04年は、 昨年のリサイクル量796,900トンに対して、食糧缶7969缶相当を支援。 日本の小学生への環境保護と貧困問題を教育する機会提供も行うとしている。
国連WFP http://www.wfp.or.jp/ (04.08.01)

●全パン連、学校給食への事業計画
日本食糧新聞04年6月25日付によると、全パン連(全日本パン協同組合連合会)は、学校給食でのパン給食回数の減少に対し、 弁当持参自由化阻止運動、学校給食の義務制推進、幼小中高の給食完全実施、パン給食日数拡大推進などを事業計画に上げた。また、米粉パン、 県産小麦パンの研究推進も進めるとしている。 (04.07.08)

●日本うまみ調味料協会、理解促進に学校給食対策
日本食糧新聞04年6月14日付によると、日本うまみ調味料協会は、化学調味料無添加表示などの、否定的な表現に対し、グルタミン酸の安全性・ 有用性理解に向けた広報活動を行い、学校給食関連でも日本食品添加物協会とも連携して、対策を行う方針を示した。 (04.07.08)

●西日本新聞、給食の特集
西日本新聞社は連載特集「食卓の向こう側」を2003年から連載、第三部は「給食 未来をひらく」で、学校給食を特集。 衛生管理と食教育のありかた、自校方式とセンター方式、アレルギー対応、地場産給食と学校給食会等の問題など、 学校給食の様々な問題を提起している。
第一部、第二部は冊子でも販売、現在、西日本新聞社のホームページ上でも記事を読むことができる。
西日本新聞社 http://www.nishinippon.co.jp/
食卓の向こう側 http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/shoku/index.html
(04.07.08)

●食育基本法、継続審議へ
日本農業新聞04年6月1日付によると、自民党が公明党とともに議員立法として参議院に提出していた食育基本法案は、今国会での成立を断念し、 継続審議扱いとなった。野党側が、学校給食への地場産農産物利用促進など具体策が必要とし、 基本法的な位置づけの与党と協議がまとまらなかったため。 (04.06.28)

●官邸で学校給食体験
産経新聞04年4月22日付によると、首相官邸で行われた4月21日の政府閣僚昼食会は都内の小学校より学校給食をとりよせて行われた。麦ご飯、 豚肉の照り焼き、牛乳などの献立。(04.05.09)

●自民党、食育基本法案骨子明らかに
日本農業新聞04年2月7日付、自由民主党HPなどによると、自民党が検討していた「食育基本法」の骨子がまとまり、 2月6日よりホームページで公開、意見募集を行った(締め切り済み)。法案では、食育推進基本計画や国民会議の設置、 特命担当大臣の設置などが盛り込まれ、家庭、学校、地域などの食育に対する基本的責務などが明記される。6月までの成立、 7月中の施行を目指すとしている。(04.02.09)

●自民党、食育基本法案を策定
日本農業新聞04年1月31日付によると、自由民主党は食育調査会を開き、3月にも国会に提出する予定の食育基本法案作成について議論している。 法案では、食育基本計画の策定義務づけや地産地消状況、食育ボランティアなどについて数値目標を求めることとしている。(04.02.09)

 

 

[ 04/12/31 その他 ]

長野県大町市、自校方式継続を決定!

長野県大町市、自校直営方式をセンター化を検討(2003.11)


学校給食ニュース編集


 長野県大町市が、中学校の建て替えを期に、自校方式の学校給食をセンター化する方針で、検討会が行われています。これに対して、保護者、 市民からは、「25年前に自校方式を守る」と決めたはずとの声が出ています。また、 センター化の話は市民の一部にしか知らされていないと不満の声が出ています。
 大町市の学校給食と動きをまとめます。

●理想の学校給食に近い現状
 大町市は、人口約30000人で、小学校4校、中学校2校あります。大町市の学校給食は、自校方式で、栄養士は、県職員、市職員、 臨時職員の6名を全校に配置しています。調理は直営です。
 献立も、食材の購入も、各校で行っており、行事や授業カリキュラム、天候や季節などによってきめ細かく対応しています。 アレルギー食対応も数年前からはじめています。
 長野県では、全県で地産地消の取り組みとして、毎学期ごとに1回、すべて県内産品の学校給食を出すようにしています。 これとは別に大町市では地場産米を出すような補助制度を行っています。

●25年前の結論
 大町市は、学校給食のしくみとして理想的な形をとっていますが、かつてセンター化をめぐって大激論がありました。1974年、 小学校新設の際に学校給食センター化構想があり、一度「センター化が望ましい」との結論が出ます。これに対して、 当時の市職員組合やPTAなどを中心に自校方式を守るという運動が起こり、4年間の運動を経て、1978年に 「食教育にとって自校方式が望ましい」との結論となりました。
 このような背景があるため、大町市は、学校給食に対して全国的にも積極的に取り組んでいる自治体のひとつとなっています。

●ふたたび、センター化構想
 中学校1校の老朽化にともなう建て替えが予定された後、急に学校給食センター化構想が浮上し、2003年6月議会で、 学校給食センターの検討委員会が設置されることになりました。8月に委員会が正式に設置され、11月末には答申が出されることになっています。
 中学校の建て替えの都合から、12月の市議会では最終的な結論が出されることになりそうです。

●もう一度、学校給食を考える動き
 このセンター化の動きがはじまるとともに、小学校の保護者らが、学校給食のあり方を考えようと勉強会をはじめます。 各小中学校の給食室見学や他自治体のセンターの見学などをふまえ、自校直営式を守っていく方が、子ども達のためになるとの判断から、 大町の学校給食を考える会を設立し、署名活動や陳情、市民への呼びかけをはじめています。

●決して安くないセンター化
 大町市が作成し、考える会がまとめた資料によれば、6校(2800食分)すべてで自校方式を続け、将来、全施設を改築したり、 設備を改善した場合と、6校分をまかなえるセンターを建設した場合では、土地の取得代などを考えると、 センターの方が経費が高くなるとの試算が出ています。
 そのためか、センター化だけではなく、民間委託についても試算し、自校直営、自校で民間委託、センターで直営、 センターで民間委託の試算を示し、センター方式で民間委託の場合、 他の方式に比べて2000万円から3000万円ほど安くなるとの数字も示しています。
 しかし、センター建設の場合、一時的にかかる費用は膨大になります。
 財政難の折り、経済状況が厳しく、税収が減る中で、なぜ、あえて一時的に負担が大きく、 その経済的メリットも少ないセンター化を検討するのでしょうか。
 他の自治体にも言えることですが、この背景には、政府主導ですすめられている市町村合併があるようです。合併することで、特別な債権(借金) を発行できることになっています。そのため、学校給食センターに限らず、合併が決まるとかけこみで、 大きな建物を建てるような動きが各地で見られます。
 しかし、その運営や維持費、将来の子どもの数などの見込みを考えると、なぜ、今、厳しいときに大きな負担をしなければならないのか、疑問です。
 わずか3カ月、数回の委員会で答申が出される予定であることや、決して、子どものためを考えて検討されているのではないという点に、 これまで豊かな学校給食を経験し育ってきた大町市の市民が不安を感じているのではないでしょうか。
(2003.11)

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長野県大町市、自校方式継続を決定! (2004.03)
署名1万強、市民の声が生きました。

学校給食ニュース編集

 学校給食ニュースで既報の、長野県大町市でのセンター化問題は、自校方式を継続するとの給食センター検討委員会の答申が出たことで、 一応の決着をみせました。短い期間に多くの市民が自校方式継続を求めて声を上げたことが、市の方針転換に大きな力となりました。今後は、 民間委託化方針に対しての取り組みがはじまります。

●自校方式存続という方針
 長野県大町市は、自校方式で小中学校の給食を行ってきましたが、第一中学校の改築を契機に、 2003年8月に大町市給食センター検討委員会を発足させ、学校給食センターの建設を前提とした協議を行ってきました。 検討委員会の会議は非公開、議事録のみ公開です。
 これに対して、大町市の市民が11月に大町の学校給食を考える会を発足、自校直営方式の堅持などを求めて署名活動や議会、 市教委との交渉などを行ってきました。人口3万人の市で、2月9日現在、10,067筆の署名を集めました。しかも、 署名の8割以上が大町市民であり、非常に高い割合となりました。署名は、募集開始からわずか1カ月間で提出できるほどの数となり、12月以降、 これまでに3回に渡って提出されています。
 2004年1月21日、検討委員会からの答申が市長に対して出され、「経費節減に努力しながら、自校方式の継続を」すべきとしました。 少数意見として、中学校2校の親子方式やセンター方式での検討や小中6校のセンター化が併記されていましたが、市長は、 2003年12月の議会で、検討委員会の意見を最大限尊重するとしていたため、議会に対しても、方針として、自校方式の継続を報告しました。
 短い時間で多くの市民が、学校給食のあり方を考え、センター化の問題点を学び、署名をはじめとする運動を広げたことで、 今回の自校方式存続という結果をもたらしています。市民の力が大きな流れをつくりました。大町市は、30年前にも同様の議論があり、 これで2回目の自校方式存続という結論です。改築する中学校と、老朽化した中学校の調理室はそれぞれ新設、改修されることとなります。

●はやくも民間委託化方針が出される
 しかし、次の問題として民間委託化が早くも方針として出されています。大町市は、中学校給食調理の民間委託化を検討しています。 2004年度以降、正規調理員の退職者を臨時職員に変えていき、2007年度には民間委託を行う方針です。
 大町の学校給食を考える会は、今後も行政の方針に対して、関心をもち見守っていくことにしています。
 また、大町市職員労働組合は、民間委託方針に対し、子どもたちの食の安全を守るため、疑問が残ると、 市教育委員会や市に対し申し入れを行っています。
 民間委託化方針については、議会や検討委員会でも十分な検討はされておらず、情報もきちんと出されていません。今後、民間委託問題についても、 市民の間で情報を共有し、よりよい大町市の学校給食を作っていただきたいと期待します。

参考資料:大糸タイムス04年1月16日・1月22日・2月3日付、信濃毎日新聞04年1月16日・1月31日付

(2004.03)


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追記:大町市3月市議会において、自校直営方式の維持を求めた陳情が採択されました。

[ 04/12/31 施設設備 ]

時事情報 2004 アレルギー関係

●仙台市、食物アレルギー研修を新人教員に
河北新報04年3月3日付によると、仙台市教育委員会は、食物アレルギーについての正しい知識と対応を教員に理解してもらうため、 新人教員への初任者研修に食物アレルギーに関する時間を設定する。従来は、養護教諭、学校栄養職員、 教頭などだけで食物アレルギーについて研修を行っていた。今後、新人教員以外にも研修を拡大するとしている。
なお、食物アレルギーをもつ市内の児童生徒は、03年5月現在1477名、5年前の1.7倍。 (04.03.10)

●北海道のアレルギー対応事情
北海道新聞04年2月2日付は、北海道内の学校給食アレルギー対応について事例を紹介している。1993年より名寄市がとりくみをはじめ、 厚真町、士別市、芽室町、北見市が対応している。厚真町では、アレルギー対応のために栄養士、調理員を1名増員、現在、 550食中9人が対象者で、保護者との面談、医師の診断書をふまえ代替食をつくる。個別に原材料を明記した献立表を作成し、保護者が確認する。 極力見た目が同じ料理にしている。また、その場合、不足する栄養素の通知や、家庭の食事調査などで支援をしている。
 自校方式、親子方式の札幌市、函館市、旭川市、釧路市などは、学校ごとの判断で対応しており、牛乳が飲めない場合返金する、 対応できない場合家庭から代替食を用意するなどとしている。(04.02.29)

 

[ 04/12/31 アレルギー ]

三重県名張市の民間委託問題

三重県名張市の民間委託問題


三重県名張市の方から、情報を提供していただきました。
(学校給食ニュースまとめ)

 三重県名張市は、市内18小学校の学校給食調理を民間委託する方針をしめした。朝日新聞03年11月7日付によると、 04年度にモデル校1校をいたく、05年度より順次、調理の民間委託に切りかえるとしている。三重県では、 調理の民間委託計画は名張市がはじめて。
 名張市は、コスト削減、学校給食の質の維持などをかかげ、03年11月12日付で、保護者に対し、「小学校給食・ 一部民間委託について~学校給食のさらなる充実を目指して」と題する文書を配布、賛否を問う意見用紙を添付した。また、 2004年2月号の市広報で委託がコスト削減であり、質は変わらないとした説明を行っている。
 これに対し、名張市PTA連合会は、03年10月の時点で、保護者に委託問題についてのチラシを配布し、拙速な結論づけや議論の方法、 コスト削減論での委託について疑問を投げかけている。それによると、02年11月に中学校給食を考える目的での「学校給食システム検討委員会」 が設置され、そこで03年8月になって小学校給食調理の民間委託について市から提案があったとしている。
 名張市職労現業評議会も、教育委員会と協議を行い、民間委託導入が保護者への情報提供や、食の安全性、 教育効果など民間委託導入後の議論が十分に行われておらず、一度民間委託が導入されれば、直営に戻すのが難しいこともあり、 各方面での十分な議論が必要であると訴えています。

(2004.3.30)

 

[ 04/12/31 委託・合理化 ]

千葉県東金市の民間委託について

千葉県東金市の民間委託について


千葉県東金市の保護者の方から情報です。

 ある日、突然「4月から給食は民間委託になります」という学校からのお知らせにびっくりしました。数日後、 教育委員会からもお知らせが1枚、「まったく問題ない」という簡単な説明文でした。こんな大事なことが、 1枚の簡単な説明の手紙だけというのに納得できず、学校に連絡すると、「もう決まっていることで、学校が決めたことではないので、 教育委員会に聞いて欲しい」とのこと。教育委員会に連絡すると「調理は教育とは関係ないものだ」と、 単に質問しただけなのにうるさがられてしまいました。
 すでに、いくつかの学校が民間委託となっており、数年後にはすべての学校が民間委託されることも知りませんでした。
 知り合いの母親たちにどう思うか聞いてみても、皆「内容は変わらないんだし、決まったことだし、財政が苦しいからしょうがない」 などの答えがほとんどです。教育現場で民間委託をするということに対する違和感は私だけが感じているのでしょうか。

学校給食ニュース補記:千葉県東金市の民間委託状況について、東金市ホームページ関係での情報はない。

(2004.3.30)

 

[ 04/12/31 委託・合理化 ]

時事情報2004年 学校給食運営・委託関係

●栄養教諭、初年度導入は3自治体のみ
毎日新聞04年11月25日付によると、2005年度から制度化された栄養教諭を初年度から導入することが決まっているのは、東日本で1、 西日本で2の3自治体のみであることが分かった。文部科学省調査による。他は検討中か未定。文部科学省には、160の大学、 短大が栄養教諭要請課程の設置を申請しており、女子栄養大は、12月に栄養職員向けの集中講義を開くなど、 栄養教諭免許取得にむけた準備は進んでいるという。給与増による経費負担のために敬遠しているのではないかと記事は指摘する。 (04.12.04)

●宮城県古川市、PFIで中学校着工
河北新報04年11月18日付によると、宮城県古川市が2006年4月に開校を予定している中学校の整備をPFIで行い、このほど着工した。 PFIの特別目的会社は、設計、建設のほか、2021年までの維持管理、学校給食、図書館運営の業務を行う。初年度は、458人の生徒を見込む。 (04.12.04)

●佐賀県伊万里市、学校給食センターをPFIで実施方針
日刊建設工業新聞04年11月11日付によると、佐賀県伊万里市は学校給食センター整備事業をPFI方式で行うための実施方針を示した。 12月下旬に特定事業選定を行う。既設4カ所の給食センターを1カ所に統合するもので、05年9月末に事業契約、 06年の二学期から2021年8月末までの維持管理運営を行う。調理、牛乳とパンの調達配送、日常の点検清掃、大規模修繕は市で行うとしている。 6100食の調理を予定し、最大7000食対応の調理場となる予定。 (04.12.04)

●高知県土佐山田町で、朝給食のモデル校
読売新聞04年11月17日付によると、高知県土佐山田町の1中学校では、県の事業として実験的に朝の給食を導入した。 地元の食生活改善推進協議会が家庭科室で調理し、1時間目終了後の午前9時半に家庭科室で配食する。2003年秋より、月1、2回導入。 10月27日は全国生徒441人中33人が利用したという。高知県教育委員会小中学校課長の発案。 (04.12.04)

●東京都足立区の民間委託状況
ニッキン04年10月29日付によると、東京都足立区の東和銀座商店街振興組合は、商店街活性化の取り組みとして株式会社アモール・ トーワを設立し、14の小中学校、保育園の学校給食などを受託している。また、レストラン経営、清掃事業や高齢者給食サービスなども行っている。 (04.11.16)

●広島市安佐北区で、センター統合民間委託の動き
中国新聞04年11月4日付によると、広島市安佐北区の安佐地区学校給食センターを可部地区学校給食センターに統合し、 調理の民間委託とする方針で検討に入った。市教委は、05年度1学期で安佐地区センターを廃止し、可部地区センターを改修、 2学期より可部地区センターで約4500食を調理、小中学校9校に配送、4小学校は同センターからはずし、 近隣の自校方式校から親子方式で調理配送するとしている。老朽化、児童生徒数の減少を理由に挙げている。なお、 広島市では中学校42校が業者弁当方式など民間調理の給食となっている。 (04.11.16)

●岐阜県瑞穂市、給食センターのPFI建設可能性調査
建設通信新聞04年10月4日付によると、岐阜県瑞穂市は、5000食の学校給食穂積共同調理場と2000食の学校給食巣南共同調理場があり、 穂積調理場が老朽化していることなどから2センターを統合し、新築する予定を持つ。この事業にPFI方式の導入可能性を調査するため、 建設技術研究所に委託して調査を行っている。(04.10.24)

●仙台市、給食センターのPFI建設可能性調査
日刊建設工業新聞04年10月13日付によると、仙台市では、11000食の学校給食センターを仙台市泉区に建設し、 2008年から稼働させる計画を持っている。このほど、この新野村学校給食整備事業について、PFI導入可能性調査を日建建設シビルに委託した。 (04.10.24)

●千葉県浦安市、PFI給食センター業者決定
日刊建設工業新聞04年10月13日付によると、千葉県浦安市は、PFI方式で整備運営する(仮称) 浦安市千鳥学校給食センターの事業者を東洋食品グループに決定した。同グループは、東洋食品が代表企業となり、榎本建築設計事務所、鹿島、 市川環境エンジニアリング、日本調理機、ダイワサービス、三建設備工業が参加している。(04.10.24)

●千葉市の給食センターPFI事業動向
日刊建設工業新聞04年10月6日付けによると、千葉市の大宮学校給食センター(仮称)のPFIによる整備事業で、鹿島、東洋食品、朝日建設、 日本調理機、三建設備工業、ダイワサービス、市川環境エンジニアリングが設立する特定目的会社千葉大宮学校給食サービスに対し、 日本政策投資銀行、千葉銀行、京葉銀行が融資を行った。なお、同センターは、11000食規模で、 調理を含む給食センターの運営を民間事業者が行うのは全国ではじめてのケースとしている。 (04.10.24)

●東京都で牛乳容器の問題
産経新聞04年9月27日付によると、東京都では、学校給食の牛乳容器についての問題が起きている。東京都では、 従来9割の学校が学校給食でビン牛乳を使用していたが、森永牛乳が来年度からビンでの製造を取りやめ、 日本ミルクコミュニティも紙パックに切り替える方針を出し、他社も紙パックしかできないとしている。東京都は、 各区市町村の学校給食牛乳について、都を13ブロックにわけ、都が入札で業者を選定し、各市区町村が選定業者と個別に契約を結ぶ形式をしている。 東京都が、区市に対し、ビンから紙パックへの切替を方針として出したが、区市側はビンの継続を求める動きを続けている。 (04.09.29)

●新潟県新津市、公設民営化へ
建設通信新聞04年9月6日付によると、新潟県新津市は、PFI方式での学校給食センター運営を断念していたが、建設・維持管理は市が行い、 調理・運搬は民間委託する方式で行う方針を固めた。05年度着工、06年度供用開始をめざしている。1日4200食の施設となる。 (04.09.29)

●レオックジャパン、学校給食受託減少
北海道新聞04年8月28日付によると、病院、学校、企業向け給食受託のレオックジャパン(東京)が、学校や企業向けの受託減少により04年4- 6月期連結決算で減収減益となった。 (04.09.10)

●佐賀県多久市、給食費滞納防止策
西日本新聞04年8月24日付の社説は、学校給食費の滞納問題を取り上げている。それによると、佐賀県多久市は、 学校給食振興会が給食費の納付を約束する確約書と保証人を保護者に求めるという。多久市は、11小中学校約2100人で、03年度は4% が滞納し、365万円が滞納となっている。佐賀県平均で1.6%の滞納率、福岡市で0.7%程度。 (04.09.10)

●山形県村山市、おかずだけの村山方式給食
日本農業新聞04年8月19日付によると、山形県村山市の中学校給食は、主食持参、おかず外注方式で行われている。現在は、 04年4月に統合した1中学校338名のみで、来年度3中学校が加わる。おかずは、 JA系列のコープ村山給食センターが栽培履歴のわかる地場の野菜や果物を中心に供給。保護者は1食260円を負担、市が90円を負担し、 牛乳をつけて1食350円となる。 (04.08.01)

●福島県、食育推進事業で2町村を指定
福島民友04年8月2日付によると、福島県教育委員会は、「うつくしまっ子食育推進事業」を実施し、田島町、飯舘村をモデル地区に指定した。 同事業では、学校給食の安全性確保を第一目的にする。田島町は、運営委員会に、県、JA、学校などにより、 安全生産納入部会と衛生管理部会を設置し、安全な食品納入体制のため「食品購入マニュアル」をつくるとともに、 衛生管理に関する調理員の意識改革を目指す。飯舘村は、運営委員会に、生産納入部会、安全管理部会を設置、地場産の安全確保や栽培履歴の確認、 食品選定方法を検討するほか、調理員や県の保健福祉事務所などが協力して、学校給食センターでの作業マニュアルづくりなどを行う。あわせて、 2町村とも、学校での食と衛生管理の指導、地場産食材を使った授業などを取り入れるとしている。県は、半年間のモデル事業を受けて、 他市町村への拡大を検討する予定。(04.08.01)

●市場化テスト手法導入検討へ
日本経済新聞04年7月21日付け「再始動 規制改革上」によると、政府の規制改革・民間開放推進会議が再開され、 市場化テスト手法の導入を検討している。市場化テストは、行政の具体的なサービス内容ごとに官民で競争入札させ、 官によるコストよりも民間のコストが低ければ、事業を移管するという方式で、80年代にイギリスが行った手法。また、 アメリカでも90年代に郡や市などで導入されている。市場化テストでは、一気に多くの事業を民間に移管することができるとされている。一方で、 イギリスでは、価格競争の結果、教育や福祉のサービス低下が認められている。政府では、来年度からテストを試行する方針。 (04.08.01)

●熊本県菊池市の民間委託方針延期とその後
熊本日日新聞04年7月8日付によると、熊本県菊池市は11の小中学校が単独校方式で給食を行っている。 市は03年5月に04年度からの調理の民間委託導入を打ち出したが、03年10月、市PTA連絡協議会が児童・生徒、保護者にアンケートを行い、 現状の給食の満足度や調理員との関わりについて調べ、民間委託に賛成できないなどの結果を訴えた。その結果、 04年度からの民間委託導入は断念されたが、04年度に文部科学省の補助で「安全カツ安心な学校給食推進事業」を実施、学校関係者、 保護者らで学校給食について協議、その検討事項には民間委託も含まれている。 (04.08.01)

●熊本県の民間委託状況
熊本日日新聞04年7月8日付によると、熊本県菊池市の学校給食調理民間委託方針は03年度に断念されたが、 03年度現在で熊本県の13自治体がすでに調理の民間委託を実施している。04年9月に、玉名市が委託を開始、 熊本市も05年度から一部委託を計画している。 (04.08.01)

●宮城県一迫町、給食センター完成
電気新聞04年6月28日付によると、宮城県一迫町は、老朽化したセンターに代わり、全電化の給食センターを建設した。2幼稚園、4小学校、 1中学校の約900食。全電化の給食センターは宮城県で4番目の施設。 (04.07.08)

●東京都福生市、中学校に委託食堂
電気新聞04年6月22日付によると、東京都福生市の第一中学校に04年4月、カフェテリア、多目的ホールの食堂棟が全電化で完成した。 日替わりランチ、丼、アラカルト、麺の4種類のメニューを提供している。運営はシダックスフードサービス。約600名の生徒のうち、 1日約170人が利用。他は、従来通り弁当持参。福生市教育委員会は、市内の第二中、第三中についても順次導入する方針。 (04.07.08)

●埼玉県狭山市、センター建築でPFIの導入を検討
建設通信新聞04年6月17日付によると、埼玉県狭山市は老朽化したセンターに代えて、4000食規模のセンターを2カ所同時に整備する。 2006年度か07年度供用開始を想定し、PFI導入可能性を調査する業務委託を募集中。導入可能との場合、 2005年にアドバイザー業務を委託するとしている。 (04.07.08)

●福岡県前原市、給食運営での行政内対立その後
西日本新聞04年6月1日付によると、福岡県前原市の中学校給食の開始に対し、給食センター方式の計画を進めていた市教委と、 自校直営方式を訴えて当選した新市長との間で対立が起こり、市教委側が福岡県知事に対して自治紛争の調停を申請していた問題で、 申請した市教委側が、市長からの話し合いによる解決要請を受け入れ、調停取り下げを行った。今後協議が再開される見通し。 (04.06.28)

●岐阜県可児市、PFIでセンター建設
建設通信新聞04年6月7日付によると、岐阜県可児市は可児市学校給食センターをPFI方式で建設する実施方針を公表した。小学校10校、 中学校5校の10000食規模センターで、老朽化による建て替えが目的。PFIによる特定会社は、施設の設計、建設、維持管理、給食の運搬、 残食処理を行う。学校給食の献立、食材、調理は市が直営で行う。
可児市のホームページで情報が掲載されている。
(04.06.28)

●杉並区、民間委託訴訟敗訴
読売新聞04年5月20日付によると、東京都杉並区で住民47人が起こしていた学校給食民間委託の差し止め訴訟の判決が5月19日、 東京地裁で開かれた。「安全性確保のための手段は講じられている」として、住民の訴えを却下、「予算上の区分が違うので、 委託費がこれまでの経費を上回ったとしても、違法とは言えない」としている。住民側は控訴する方針。 (04.06.02)

●兵庫県洲本市、未実施校の方向決まらず
神戸新聞04年3月28日付によると、兵庫県洲本市では小中学校13校のうち、小学校2校、中学校1校の3校が親子方式、 6小学校と1中学校が自校方式、3中学校が給食未実施の状態にある。市PTA連合会では保護者・生徒へのアンケートを行い、3中学校の早期実施、 全公立小中学校の自校方式を求める要望書を市と教育長に出している。また、淡路学校給食を考える会も同様の請願を出し、 請願は3月の市議会で採択されている。しかし、市教育委員会は、市としては実施の方向だが方式は未定としている。 洲本市は五色町と合併協議会をもっており、そのなかに給食施設の整備も盛り込まれている。 記事では合併との関係などで着地点が見えないとしている。 (04.05.09)

●千葉県千葉市、PFIセンター起工
建設通信新聞04年4月26日付によると、千葉市の大宮学校給食センター新築工事が起工した。PFIによる運営となり、 事業者は特別目的会社の千葉大宮学校給食サービス。出資者は、鹿島、東洋食品、旭建設、三建設備工業、日本調理機、ダイワサービス、 市川環境エンジニアリング。設計・管理はINA新建設研究所、施工は鹿島・旭JV。2005年1月末完成、4月開業。1日11000食を供給。 (04.05.09)

●北海道えりも町、給食調理を含め20業務を委託
北海道新聞04年4月2日付によると、北海道えりも町は、学校給食、スクールバス、学校事務、ごみ収集、 施設管理など20業務を一括して民間委託した。受託は東京の大新東。嘱託職員、臨時職員ら74人が民間会社に移籍した。(04.04.23)

●埼玉県の委託炊飯施設完成
日本食糧新聞04年4月7日付によると、埼玉県伊那市の(株)サンフレッセは、川口市に学校給食向け炊飯工場を建設した。川口市、鳩ヶ谷市、 戸田市、蕨市の全小中学校に給食用米飯を供給する。(社)日本炊飯協会の炊飯HACCPを取得した延べ面積2478平方メートルの工場。 (04.04.23)

●福岡県北九州市、委託反対教員に圧力
西日本新聞04年3月5日付によると、北九州市の小学校の調理民間委託導入問題で、予定8校のうち2校の校長が、 委託反対署名に参加した教員に対し、懲戒処分をほのめかす発言をしていた。その後、市教委が校長に対して指導をおこない、 校長側が教員に陳謝した。市議会で教育長が明らかにした。
(04.03.30)

●福岡県前原市、センター化を求める市教委が市長と対立
西日本新聞04年3月12日付などによると、福岡県前原市では中学校3校の給食実施方式をめぐり、 公設民営のセンター方式をめざす市教委と自校方式をかかえる市長との間で対立が続き、市教委側が紛争調停を県に求める異例の事態となっている。 この問題は、前市長時代に公設民営の給食センター方式で2005年度から行うとして、2003年度予算に設計費などを計上していたが、 市民団体が市議会に14000筆の自校方式を求める署名を行い、また、03年7月の市長選で自校調理方式を求めた現市長が当選した。しかし、 市教委側は、議会での議決をたてに建設続行を主張、再三の話し合いにもかかわらず、態度を変えず、 福岡県知事に紛争調停を求める事態となっている。これに対し、市民や専門家からは市教委が自治権を放棄したも同然という反発が出ている。
(04.03.30)

●北九州市、民間委託で市教委が保護者の賛否リストを作成、説得電話まで
西日本新聞04年2月27日付、28日付および北九州市教育委員会ホームページによると、 福岡県北九州市では02年より学校給食調理の民間委託試行を2校で行ってきたが、 04年4月より学校給食調理の民間委託を8校で正式にスタートする方針。保護者らが反対し、 8校中7校の約1200世帯分の反対署名が北九州市に出されている。北九州市教育委員会は、2月24日より、 8小学校の全小学校保護者に直接電話をかけ、賛否の確認と反対の場合、説得を行った。電話番号を各校長に提出させ、 賛否の一覧表も作成していたという。保護者有志は、2月27日、市教委に対し、個人情報の目的外使用、署名の請願権の軽視として、 電話の注視と集計結果の破棄を求めたが、市教委側は電話をやめる考えがないとした。

北九州市教育委員会
http://www.city.kitakyushu.jp/~kyouiku/
(モデル事業の評価委員会議事録などが掲載されている)
(04.03.10)

●広島県総領町、町が委託会社を設立
中国新聞04年3月2日付によると、広島県総領町は、学校給食調理業務や公共施設管理などを行う株式会社「里山総領」を設立した。 町が資本金1000万円を出資、今後町内で出資を募り資本金を増やすとしている。学校給食調理では、給食センター1カ所(小中学校)、 保育所調理場1カ所で合計1日約250食分を調理する。 (04.03.10)

●山形県寒河江市、中学給食導入を求める声に、市側が拒否
河北新報04年2月10日付によると、中学校給食未実施の山形県寒河江市では、03年11月に、 中学校給食導入を求める署名を市民団体が約15000筆集め、請願したが、市議会は不採択した。審議した市議会文教厚生常任委員会では、 弁当は母親の責任、給食や購入弁当に頼るのはよくないなどの意見が出ており、市長も母親が楽になるだけと、導入に否定的となる。 過去にも1991年に市教委が実施したアンケートで保護者の86%が給食実施を希望、そのときには、 完全給食実施を求める請願が市議会で採択されている。しかし、95年に、検討委員会で導入を見送る答申を出している。推進をもとめる市民団体は、 「弁当は母親の責任」という発言や意識を批判している。 (04.03.10)

●和歌山県田辺市、給食センター建設でPFI断念
紀伊民報HP、建設通信新聞04年2月10日付け、日刊建設工業新聞04年2月2日付けによると、和歌山県田辺市では小学校18校中10校、 中学校10校中4校で完全学校給食が実施されていない。給食導入に向け、田辺市学校給食等懇話会を設置した。 自校方式ではなくセンター方式を選択し、PFI方式での建設を検討していたが、採算面や企業の意向調査で参加に消極的だったことをふまえて、 PFI導入を断念。公設公営、公設民営での建設運営を検討する。自校や親子方式の学校給食実施校も一部施設が老朽化しているとして、 給食センターに統合していく方針。センターは1カ所整備と2カ所整備で検討。合計6500食程度。懇話会は秋に一定のまとめをするとしているが、 諮問機関ではなく、市長が意見を聞く場とされている。 (04.02.29)

●新潟県新津市のPFI落札者なし
建設通信新聞04年2月12日付けによると、新潟県新津市のPFIによる学校給食事業は、落札者なしとなった。 5つの企業グループが一次審査を通過したが、3グループがその後辞退、残る2グループは失格となった。同市学校教育課は、 PFI方式で事業化するかどうかも含め対応を検討するとしている。 (04.02.29)

●日清医療食品、一富士フードサービスを買収
日経産業新聞04年1月22日付によると、病院給食最大手の日清医療食品が民事再生手続中の一富士フードサービスの給食事業などを買収する。 一富士フードサービスは学校給食の調理受託も行っており、日清医療食品はこれらの事業多角化をめざすという。なお、一富士の子会社、 イフスコヘルスケア、紀水産業、品川フードサービスも同時に買収される。 (04.02.09)

●新潟県十日町市、NPOに調理委託
新潟日報04年1月14日付は、「地域発コミュニティービジネス」6回目で、新潟県十日町市の学校給食民間委託について特集している。 03年4月より、十日町市は、学校給食センターの調理と配送業務をNPO法人ネットワーク雪の里に委託。同NPOの事務局長は、 同市の教育委員会勤務経験者。直営時の調理員や臨時職員などを雇用している。学校給食センターでは、センター長1名、 栄養士1名のほかの9名がNPO職員となる。委託料は、03年度2730万円。(04.01.26)

●福島県二本松市、選択制中学校給食開始
河北新報04年1月11日付によると、福島県二本松市の選択制中学校給食が1月より開始された。事前選択の振込み制で、 3中学校1373人中1月は、約56%が給食を選択したという。調理、運営は委託業者が行い、献立は市の管理栄養士が行うとしている。京都市、 福井県武生市などに続くもの。(04.01.26)

 

 

[ 04/12/31 運営・内容 ]

2004年発行の主な内容

【2004年 学校給食ニュース】
04.01 ダウンロード
今月のトピックス 学校給食の主食を考える小麦編その1
今月のトピックス 長野県大町市自校直営方式をセンター化する方針
ホームページより 川崎市の小学校で、給食運搬をPT Aがやっています。 これはおかしいのでは?

04.02 ダウンロード
今月のトピックス 2004年学校給食全国集会を開催しました。
学校給食についての文部科学省交渉 2月3日、四者共闘で行って来ました
今月のトピックス 学校給食の主食を考える~小麦2

04.03 ダウンロード
今月のトピックス 2004年学校給食全国集会記念講演録 学校給食のパンが危ない~遺伝子組み換え小麦について
トピックス 長野県大町市、自校方式継続を決定! 署名1万強、市民の声が生きました。

04.04 ダウンロード
今月のトピックス 2004年学校給食全国集会パネルディスカッション 合理化通知から2 0年目~今考える学校給食の諸問題

04.05 ダウンロード
今月のトピックス 学校給食の主食を考える米編
今月のトピックス2 学校給食調理の受託企業ホームページ調査

04.06 ダウンロード
今月のトピックス 兵庫県三木市民間委託をめぐる諸問題
学校給食アレルギー対応調査報告その1 学校給食アレルギー対応調査報告その1

04.07 ダウンロード
今月のトピックス シンポジウム学校給食の危機と課題より
投稿 保育園での用務員調理と衛生管理について

04.09 ダウンロード
今月のトピックス 夏期学校給食学習会報告 学校給食の新たな可能性をさぐる3日間
夏期学習会資料 学校給食における危機管理 アレルギーの重篤症状―アナフィラキシーショックを考える―

04.10 ダウンロード
今月のトピックス 学校給食アレルギー対応調査報告その2
トピックス2 NPOによる学校給食受託 新潟県十日町市のNPO法人ネットワーク雪の里

04.11 ダウンロード
今月のトピックス 都市で食材を生きた教材にするために いわて首都圏食育交流事業を例に、産直食材について考える
投稿 山梨県甲府市、自校直営ならば保護者負担増を求める外部評価 小学校給食調理の民間委託に向けた動き


学校給食ニュースは、四者共闘が発行母体となり、全国学校給食を考える会が発行しています。
会員の方は、内容をダウンロードすることができます。購読(会員)については、http://gakkyu-news.net/jp/000/002/post_6.html をご覧ください。

[ 04/12/31 紙版ニュース ]

時事情報 2004年 衛生管理・食中毒関係

●大阪府堺市、96年の給食再開後にO-157検出を隠蔽
毎日新聞04年12月14日付けほか読売、毎日、産経等、12月30日までの各紙によると、1996年7月、病原性大腸菌O-157により、 学校給食を食べた児童ら約9500人が感染、3人が死亡した大阪府堺市の集団食中毒で新たな事実が明らかになった。 同年11月に給食が再開された1カ月後に、堺市衛生研究所が給食の抜き取り検査を行い、O-157の毒素であるベロ毒素を検出したが、市長、 教育長、研究所長らがその事実を公表せず給食を継続していた。元教育長は事実を認めているが、元市長は記憶にないとしている。元所長は、検出、 報告の事実を否定している。当時の市衛生研究所で検査した職員5人中2人が、給食再開後にO-157の検出をした記憶があり、 書面で報告をしたとしているが、記録ではすべて陰性となっている。 (05.01.15)

●福岡県犀川町で異物混入
日本経済新聞04年11月17日付けによると、福岡県犀川町の中学校で、学校給食にハエ、ばんそうこうの切れ端などの異物混入があった。調理は、 福岡県勝山町の行橋・京都学校給食第二センターが1市3町の小中学校18校を行っている。学校側がセンターに連絡したが、 「食べるかどうかの判断はそちらで判断を」との発言があったという。センターによると、他校からの指摘はないという。(04.12.04)

●北海道芽室町で異物混入
北海道新聞04年8月21日付によると、芽室町の中学校で7月下旬の給食に出されたカレーライスに金属製のボルト1本が混入していた。 同町は給食センターで調理しており、野菜カッターのボルトと見られている。同町は、全小中学校の児童生徒に謝罪文を送付した。 (04.09.10)

●栃木県宇都宮市、給食に針混入
朝日新聞04年4月28日付によると、栃木県宇都宮市の小学校で27日の給食のゼリーひとつから、 上に画びょうの針がついているものがみつかった。児童にけがはない。同じ小学校で23日には米飯の上から縫い針がみつかっている。 ゼリーは22日に県学校給食会から納品され、冷凍庫に保管してあったという。 (04.05.09)

 

[ 04/12/31 衛生管理 ]


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