学校給食ニュース

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島根県安来市中学校の給食について

島根県安来市の保護者の方から投稿です


島根県安来市の学校給食について、投稿します。
安来市には8校の中学校があり、そのうちの4校では 完全自校給食を実施していますが、半数の4校には給食がなく、弁当持参です。
島根県全体で見ると、公立中学校107校のうち、学校給食を実施していないのは7校だけだそうで す。 安来市はそのうちの4校を抱えていることになります。
そして、来年4月に、生徒数減少に伴い、小規模校3校を含む4校が統合し、生徒数約260名規模の新しい中学校が開校します。
それによって校区も大きく広がり、通学にバス利用で1時間近くかかる生徒も出てきます。
この面からも、学校給食はぜひ実施していただきたいところでした。

当初、市からの説明では、「学校はもちろん、病院、保育所、独居老人世帯への給食も行うPFI方式の給食センターを建設し、 統合中学ではセンターの給食を配食する」とのことでした。ところが、いつまでたっても建設する気配がなく、不思議に思っていたところ、 統合まで1年を切った今年の4月になって、市の教育委員会から、
「給食センター建設は統合までに間に合わない(事実上白紙化)ので、民間業者による弁当を学校給食に充てる。1食450円程度。 全額保護者負担。これは、全員参加を条件とし、保護者の合意がえられない場合、教育委員会は手を引き、給食を実施しない。」
という説明がありました。
驚いた保護者が給食検討委員会を立ち上げ、話し合った結果、7月の中頃になって市教委側から、「一食400円の弁当に補助金を付け、 牛乳と合わせて保護者負担は300円とする。(全員参加の場合に限る)」という新たな条件を提示してきました。

いずれにしても、学校給食法に則っ たものではなく、学校栄養士も関与できないもので、センターもいつできるのか、 全く予定が立っていないのだそうです。
センター建設・完全学校給食実施を公言していたにもかかわらず、一切の謝罪の言葉もないまま、育ち盛りの中学生に、画一的な業者弁当を勧め、 なおかつ「すべての保護者の同意」を求めてくる市・市教委に、保護者の多くは怒り、戸惑いました。

けれども、実際に統合は迫っており、4月には子どもたちに何らかの昼食をとらせなくてはなりません。 重苦しい空気のなか数回議論を重ねましたが、結局、給食検討委員会は、市教委の案を受け入れ、業者弁当給食を実施することに同意しました。

全国に、このような形態の給食を実施している自治体はあるのでしょうか?
業者の弁当が悪いと言うつもりはありませんが、中学生が毎日とる食事としてふさわしいのでしょうか?
「これがわが町の学校給食です」と言うにはあまりにも恥ずかしく、子どもたちにも申し訳ない思いでいっぱいです。

 

[ 06/09/04 投稿 ]

■資料■ 福岡市の調理員の取り組み

■資料■ 福岡市の調理員の取り組み

 福岡市現業労組学校給食支部では学校給食調理員を中心に福岡市の各地区ごとの学校給食を活用した食育活動や取り組みについてまとめ、 各校の取り組みを広げていく活動をしています。
 その取り組み内容が「調理現場からの食育へのアプローチ~子ども・保護者・地域への発信」 として平成18年8月に小冊子としてまとめられました。
 内容は、食器返却時の対面声かけ、給食室大開放~来て!見て!さわって!給食室、サンプルの展示、卒業生への「給食思い出レシピ」 プレゼント、そのほか、花びらにんじんでのメッセージ、試食会や給食週間、交流給食での取り組み、新献立の際などでのクラスへの入り込み、 食育月間や食育の日での対応など、調理員のみならず、教員、栄養教諭、学校栄養職員にとっても、 すぐにでも取り組める内容の紹介となっています。学校給食現場からの食育の取り組みマニュアルとして参考になるのではないでしょうか。

調理現場からの食育へのアプローチ(PDF 240.5 KB

[ 06/09/06 食教育 ]

網走市立潮見小学校での『おにぎり隊』の実施について

網走市立潮見小学校での『おにぎり隊』 の実施について

北海道網走市の調理員さんから

○ 実施までの経緯
001 昨年の夏期学校給食学習会で、横 須賀市立大塚台小学校の養護教諭と栄養士の講演の中で、 調理員が教室をまわり、子供達に残っているごはんでおにぎりを作る、おにぎり隊を実施している事を知りました。 子供たちと調理員の交流を図るのには最適であり、食育の一環としても有効的なものだと感じました。同学習会の交流会の会場で、 横須賀市立大塚台小学校の栄養士の方と直接、おにぎり隊の内容を聞く事が出来、「忙しい業務の中、実施するのは大変だけれども、 子供たちと調理員が交流できるのは、給食時間が勝負。調理員から子供たちのところへ出向かなければ、交流はできない」など、 いろいろなアドバイスをいただきました。
 網走に帰り、市職労現業評議会給食部会(以下「給食部会」)で報告しましたが、話だけでは伝わりにくく、 まずは自分の職場で実績を作りそこから広めていこうと考えました。しかし、多忙な業務の中実施することが出来ずに一年経ってしまいました。 今年の1月、仲間の調理員が東京で行われた給食学習会で、おにぎり隊の話を再度聞き、4月の人事異動で私と同じ職場になったことを機に、 「おにぎり隊の話きいてきたよ、いいよねぇ~」「やりたいよねぇ~」「やろうよ!」と話になりましたが、やはり、日々の業務に追われ、 なかなか実施する機会を見出せずにいました。そんな中、6月に市内他校で調理員の退職者が出て、 4月に異動してきた同調理員がまた他校へ異動することになってしまい、「このメンバーでおにぎり隊をやらなければ意味が無い! 移動する前にやろう!」と意を決し、「予定を立てなければいつになっても、出来ない、実施する日を決めよう!」と、 実施日を3日後の5月30日に決め、教頭、栄養士に実施したい旨を告げ、職員会議で検討し、 急な申し出ではありましたが受け入れてもらうことが出来、実施する運びとなりました。

○ 実施に向けての準備
 受け入れてくれた最初の学年は3年生でした。4クラスあるので、 調理員3人(正職員)栄養士1名が各クラス1人ずつ行くことにしました
・ 教室に入るときは、笑顔で元気良くあいさつをして入ること
・ 残っているごはんに塩を混ぜ、エンボス加工の手袋を履き、一口大に握ること 
・ 子供たちと会話をしながら交流を深めること

 など、話し合い、おにぎり隊用の衣装も作りました。(裁縫の得意な、異動になる調理員が一日がかりで仕上げてくれました)

○ 子供たちや学校の反応
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  調理員にとって、初めての試みでもあり、緊張気味ではありましたが、事前に子 供たちには、担任教師から、 おにぎり隊の説明をしてもらっていたので、子供たちは楽しみに待っていてくれました。おにぎり用にと、 ご飯を残してくれていたクラスもありました。おにぎりを握り始めると、子供たちが近くに寄ってきて、「おにぎり大好き!」「もっと、 おっきく握ってぇ!」「おかわりっ!」と何度も列に並んでくれる子も居ました。「私、プール教室に通ってるの」「私、そろばん習ってる」 など、いろんな事を子供たちから話してくれました。おにぎりを握っている短時間でも子供たちと直接顔を合わせた会話が出来、 あっという間に完食でした。「ありがとうございました!」「また、きてねぇ~!」と元気な声に送られて、教室を後にしました。
 また、学校の教職員の反応もよく、学校では保護者(家庭)向けに発行している『学校だより』にも、そのことを掲載しても らいました。

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網走市立潮見小学校 学校だより(2006年6月9日号)より抜粋
「おにぎり隊の取り組み」
 給食調理員の方が子どもたちに少しでも多くご飯を食べてもらいたいという願いから, 給食時間に教室に出向いて残ったご飯をおにぎりにしてくれるという取り組みを行いました。6月3日(金) の日に初めて3年生の教室で行いましたが,子どもたちも大喜びで,完食した学級もでるほどでした。給食調理員さんも「おにぎり隊」 という給食着を用意してくれました。今後も子どもたちに喜んでもらえるよう,献立を見ながら他の学年でも実施していきたいと思います。

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○ 今後にむけて
 一学期中に実施できたのは3回で、1年生から3年生の3学年でした。
 二学期では、まだ行っていない高学年を回り、実施回数を増やして行きたいと考えています。はじめてみると、とても楽しく、 調理員に声を掛けてくれる子供たちが増え、「今度、いつ来てくれるの?早く来てよ~」とおにぎり隊を待っていてくれる子も増え、 子供たちと調理員との距離が少し縮まったのではないかと感じました。実施2回目以降は、 休憩時間を削ってパート調理員もおにぎり隊に参加してくれています。実施までには、時間が掛かりましたが、調理員の気持ちが一つになり、 最初の一歩を踏み出せました。これからも継続し、他校へと広めて行きたいと考えています。


○ 網走市の給食(給食部会)としてのその他の取り組み
 網走市立西小学校では、食育の一環として、縦割り給食を実施しました。
 また、今年の10月1日には、毎年市が実施している「健康まつり」に給食部会が、市民にもっと給食のことを知ってほしい、 子供たちが食べている給食を味わって欲しい思いから、初参加することになっています。メニューは、 子供たちに人気のドライカレーと手作りホワイトゼリーです。初めての試みですが、開催に向けて計画を進めているところです。

 

[ 06/09/06 投稿 ]

9月号を掲載しました。資料や投稿もいただいています。


学校給食ニュース紙版9月号を掲載しました(9/3)。印刷の方はこれからなので郵送でのお届けはいましばらくお待ちください。
購読会員の方は、下のダウンロードからPDFでダウンロードすることができます。

06.09 ダウンロード
2006夏期学校給食学習会報告
食育と栄養教諭制度~学校給食のあり方を考える
食育推進基本計画と関係する政策

購読の案内はこちらです
http://gakkyu-news.net/jp/000/002/post_6.html

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注目してほしい記事
農薬・添加物など放射線照射スパイス・ ハーブを認可する動きが高まっています 06.07.14
取材メモ・リンク学校給食関係都道府県状況調査一覧表 06.07.02

事例報告や投稿をいただいています
投稿網走市立潮見小学校での 『おにぎり隊』の実施について 06.09.06
食教育■資料■ 福岡市の調理員の取り組み 06.09.06
投稿島根県安来市中学校の給食について 06.09.04
食教育■資料■山形県米沢市2005年第三回学校給食フェア報告書 06.08.13

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[ 06/09/06 最新情報 ]

三重県桑名市、中学校で牛乳なしの給食実施

 中日新聞06年9月10日付によると、三重県桑名市は、 10月から実施される2中学校の学校給食で牛乳を出さないこととなった。旧桑名市の7中学校では給食未実施で2校が先行して実施する。 牛乳中止の理由は、生徒が運ぶのがたいへん、精算がめんどうといったものらしい。のこり5校は来年度後半に学校給食を実施する予定。
新桑名市のホームページでは情報は掲載されていない。
旧桑名市のホームページに掲載されている中学校給食調理等業務委託仕様書 (PDF)によると、2校の学校給食は、業者委託デリバリー方式(外注弁当方式)である。2種類の複数献立選択で、家庭弁当併用選択方式。 献立は、桑名市が行い、食材調達は委託業者が行う形である。

[ 06/09/20 牛乳 ]

群馬県前橋市 学校給食の調理委託を検討開始

上毛新聞06年8月26日付によると、前橋市は、学校給食調理場の調理の民間委託を検討する委員会を設置し、 年内に方針を固めるとしている。
前橋市は、7センターが、小学校、中学校、幼稚園に配食、2単独調理場が別にある。

前橋市
前橋市教育委員会総務課 (学校給食関係)

 

[ 06/09/20 委託・合理化 ]

北海道 2007年度から学校給食パンを道産100%に

 北海道学校給食会は、2007年度(平成18年度)より、 北海道の学校給食に供給するパンを全量北海道産に切り替える方針を示した。北海道農政部・北海道教育委員会・北海道農政事務所・ホクレン・ 北海道製粉連絡協議会等と設置した「学校給食用小麦粉利用拡大協議会」での調整により、「北海道食育推進計画」で目標としていた、 平成21年度までの道産100%のパン切り替えを前倒しして実施できることとなっている。
詳細な経緯については、北海道学校給食会ホームページに特集掲載がある。

財団法人北海道学校給食会
http://www.hgk.or.jp/index.htm

『北海道産小麦100%のパン』について(その3)06.09.05
http://www.hgk.or.jp/alacarte/alacart.htm

『北海道産小麦100%のパン』について(その2)06.06.22
http://www.hgk.or.jp/alacarte/alacart20060622.htm

『北海道産小麦100%のパン』について(その1)06.01.10
http://www.hgk.or.jp/alacarte/alacart20060110.htm

[ 06/09/20 食材・地場産 ]

奈良県生駒市 自校方式変更を検討

奈良県生駒市は、2006年秋、生駒市学校給食検討委員会を設置し、現在の学校給食センター方式から単独調理場(自校) 方式への切り替えについて検討する。自校方式転換は、市長の公約。

生駒市
http://www.city.ikoma.lg.jp/

 

[ 06/09/20 施設設備 ]


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