石けん・合成洗剤について はじめに
はじめに
合成洗剤から石けんに切り替える運動は、全国で実を結び、自校方式、センター方式を問わず、多くの事例が生まれました。しかし、
合成洗剤を使用している調理場は今もたくさんあります。
中には、合成洗剤を使っていることを意識せずに使われていることも、残念ながらあります。それは、調理員、栄養士、保護者、
地域が合成洗剤や石けんについてあまり考えてこなかった結果です。そして、調理員の手荒れや健康被害をもたらし、
食器などに残留して子どもたちの将来をそこない、自然環境を汚染しています。
さて、合成洗剤は、石けんと異なり、高度な化学工場で製造される自然状態では通常ほとんど存在しない化学物質です。また、
多くの助剤が使われています。そして、自然界に流れ、人や自然環境に少なからぬ問題を与えています。また、安全性に対する問題が指摘されると、
別の成分が登場し、さらにその安全性が問われるイタチゴッコが続いています。
何かに似ていると思いませんか。
今、大きな社会問題になっているポリカーボネート製食器は、プラスチック製品です。プラスチックもまた、高度な化学工場で製造され、
自然状態ではほとんど存在しない化学物質で、多くの添加物が使われ、人や自然に問題を引き起こしています。
学校給食とプラスチックの大きな関わりは食器です。最初はポリプロピレンに使われていた酸化防止剤BHTの溶出を問題にしました。すると、
メラミン製食器が登場しましたが、今度はホルムアルデヒドの溶出が起こりました。そして、
安全性の高いと言われたポリカーボネート製食器は環境ホルモン(内分泌かく乱物質)のビスフェノールAが溶出しています。
学校給食現場における合成洗剤問題とプラスチック食器問題は、とてもよく似ています。
プラスチック食器が問題になっている今だからこそ、あらためて、合成洗剤について考えてみませんか。
[ 98/12/31 石けん・化学物質 ]